NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第5節
2026年1月31日(土)12:00 駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場 (東京都)
ヤクルトレビンズ戸田 25-20 クリタウォーターガッシュ昭島
まさに“我慢”の結実。試練を乗り越えてたどり着いたデビュー戦での劇的決勝トライ
「忘れられない試合になりました」
リーグワン初キャップの試合で、劇的な逆転トライを決めたヤクルトレビンズ戸田(以下、L戸田)の江木畠悠加は、真っ先にこの言葉を発した。
2025年4月に加入し、この日はリザーブではあったが公式戦で初のメンバー入りを果たした。「本来であれば、後半からの出場予定だったので、急きょ『出るぞ』と言われたときには焦りましたが、やるしかないと気持ちを切り替えました」。前半12分、石井清のアクシデントに伴い、出番が早まった形だが、持ち前の豊富な運動量を武器にチームの逆転勝利に貢献した。
小学1年生からラグビーを始めた江木畠。途中、ほかのスポーツに挑戦したこともあったそうだが、「ラグビーが一番楽しかったので、続けたいと思いました」。大学2年生のとき、右足の腓骨骨折に見舞われ、苦しいリハビリの時期を過ごしたが、「チームメートや指導者の支えが力になりました。特に同期の頑張る姿を見て、自分も早くけがを治してチームに貢献したいと強く思いました」と振り返る。このころ、将来を見据えてプロップへの転向も決意。「大学のコーチから、『社会人になってもっと活躍したいならプロップがいい』と勧められたこともあり、挑戦しようと思いました」。
いくつもの試練を乗り越え、リーグワンの舞台へとたどり着いた江木畠。最高のデビュー戦となったが、「スクラムなどセットピースで相手からプレッシャーを掛けられるシーンが多くて、そこは次の試合までに修正していかないといけない」と課題も口にした。
最後の攻撃に転じた際に後半40分を告げるホーンが鳴ったこの試合。絶対にミスが許されない中で、全員が一丸となってボールをつなぎ、江木畠のトライへと結び付けた。それは、この一戦に向けて掲げた“基本”と“我慢”を貫きとおした結果とも言える。江木畠自身も、「試合中、みんなで『我慢、我慢』と声を掛け合っていたので、頑張ることができたと思います」と振り返った。
無骨さのある表情のため“レビンズの笑わない男”とも称される江木畠だが、この日は満面の笑みを浮かべ、「僕ももっとチームに貢献できるように頑張りたいです」と語った。この勝利でチームに勢いが付くのは間違いない。新戦力の台頭は、チーム力の底上げにもつながりそうだ。
(松野友克)
ヤクルトレビンズ戸田
ヤクルトレビンズ戸田
河野嵩史ヘッドコーチ
「まずは、このような素晴らしい会場を設営してくださった関係者の方々、ありがとうございました。また、クリタウォーターガッシュ昭島の方々、素晴らしい試合になったこと、ありがとうございました。
試合についてですが、今週は基本と我慢というところをテーマにやってきました。『今までできていなかったことを、もう一度基本に立ち戻って80分間ハードワークし続けましょう』というところで挑みました。そして、選手たちがそれを体現してくれて、本当に誇りに思います。この試合を転換期と捉えて、これからいい方向に向かっていくように練習していければと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします」
──ディビジョン3の全5チームと戦ったこの5試合を振り返って、現時点でチームとしてできているところ、改善が必要だと思う点を教えてください。
「昨季の課題であったマイボールの時間を長くすることは、今季のシーズンテーマとして掲げているものですが、特に前節までの2試合はそれができずに、リリースの時間が多くなって疲弊してしまったところがありました。そこを改善できたのが、今日の試合はすごく大きなことですし、これからの2巡目、3巡目につながっていくゲームになったと思っています」
ヤクルトレビンズ戸田
土井將聖 共同キャプテン
「まずは会場設営をしてくださった皆さま、ありがとうございました。総括としては、ヘッドコーチからもあったとおり、今までやってきたことの基本と、我慢の徹底を意識して、この試合に挑みました。その点を80分間体現できたことが、今日の結果になったと思います。試合中は、自分たちのミスで苦しい時間もありましたが、その時間でも我慢し切れた結果が、今日の勝ちにつながったと思います」
──来週のマツダスカイアクティブズ広島戦へ向けての意気込みを聞かせてください。
「もう一度、基本のところ、我慢し続けるところを準備していきたいです。今日の試合で体現できたことを、次の試合でもつなげていきたいと思います」
クリタウォーターガッシュ昭島
クリタウォーターガッシュ昭島
内山将文ヘッドコーチ
「本日は、大会関係者の皆さま、レフリーの皆さま、このような素晴らしいスタジアムで試合をさせていただきありがとうございました。われわれは、今回も負けてしまい、落ち込んでいるところはありますが、シーズンは続いていきます。いまの課題となっている前半の入り、ペナルティや規律のところをもう1回しっかりと見つめ直して、われわれの強みというのを出せるように、次の狭山セコムラガッツ戦に向けて準備をして臨んでいきたいと思います」
──ここまでの5試合で見えてきたチームの課題がありましたら、教えていただけますか。
「課題としては、やはり規律のところ。ペナルティの数がどうしても10個以上と二ケタになってしまっている試合が多いので、そこは修正していかなければと思います。ペナルティに関しては、敵陣に入ったときにミスをして終わってしまい、自分たちで勢いを消してしまうところがあるので、敵陣に入ったときの精度をもっと高めていきたいと思っています」
クリタウォーターガッシュ昭島
中尾泰星キャプテン
「今日の試合では、アタックに関して、シンプルにフォワードは強いキャリーを、バックスはスペースに(ボールを運んでいこう)という話をしていました。その中で、僕たちも前に行こうとは思っていたのですが、ヤクルトレビンズ戸田さんのディフェンスに対して受けてしまい、コンタクトのところで後手に回ってしまったという印象があります。最後のところも我慢したかったんですが、押し込まれてしまいました。ディフェンスでも、一人ひとりのバトルのところなどに課題があると感じました。これで、対戦がひと回りしましたが、次節以降に向けて、いろいろと修正して、自分たちを信じて戦っていきたいと思います」
──後半は、ほぼ自分たちのペースで試合運びができたかと思います。その中で最後のひと押しが足りなかった部分があったかと思いますが、その点はいかがでしょうか。
「おっしゃられたとおり、後半は敵陣で長くプレーしていたので、得点を重ねなければいけなかったのですが、結果としてショット、トライ、ゴールすべて1本ずつで終わってしまいました。敵陣の深いところにいったときにミスをして食い込まれてしまったり、仕切り直されたりしたので、そういうところでのアタックの精度を上げていく必要があると思います」



























