NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第6節
2026年3月22日(日)13:00 黒崎播磨陸上競技場 in HONJO (福岡県)
ルリーロ福岡 26-32 中国電力レッドレグリオンズ
可能性がある限り、決意は揺らがず。目標のために全身全霊を懸ける“鉄人”
豊富なキャリアでクラブを支えるロック、ルリーロ福岡の寺田桂太選手(写真中央)猛追も、あと一歩届かなかった。後半40分のラストプレー、ホーンが鳴った直後にルリーロ福岡(以下、LR福岡)は一気に仕掛けた。アマナキ・リサラが香川凜人のパスを受けて独走。スタンドが沸き上がる。しかし、トライライン目前で止められた。その数秒に、この試合のすべてが凝縮されていた。
試合後、寺田桂太は静かに言葉を絞り出した。「ここ何試合かは前半に相手にやりたいことをやらせてしまった。追い掛ける展開になったのがすべて」。立ち上がりの甘さが、最後の一歩を遠ざけたのである。
身長198cm。今季全試合先発出場でピッチを離れたのは第9節での出血による一時交替のみという“鉄人”は、豊田将万ヘッドコーチから「ロックらしいロック」と評される存在だ。体を張るプレーに加え、フィールドでの運動量も増し、確かな成長を示している。在籍2シーズン目の寺田は選手間で性格やプレースタイルの理解が深まり、チームが成長していると肌で感じている。それだけにスロースタートで惜敗したことを反省した。
京都府出身。中学校まで野球をしていたが、伏見工業高等学校入学後、ラグビー部のコーチだった担任教諭に誘われて楕円球を追い始めた。人と競争をしたり、体をぶつけ合ったりすることが好きで、自分の性格に合っていると感じた。3年時に全国高校大会の準々決勝で常翔学園(大阪府)に敗れた悔しさから、帝京大学でもラグビーを続ける決意をした。このとき、「将来、ラグビーで身を立てよう」と気持ちが固まった。
卒業後は近鉄ライナーズ(現・花園近鉄ライナーズ)、宗像サニックスブルース、神戸製鋼コベルコスティーラーズ(現・コベルコ神戸スティーラーズ、以下、神戸S)などで経験を積んだ。社会人になり、競技の奥深さにより一層魅せられる一方で、結果を求められる「一戦の重み」を痛感した。なかでも神戸Sでは位置取りに体の半身まで細かく徹底することに衝撃を受け、「絶対に1位になる」というプロ意識を学んだ。
LR福岡はディビジョン2昇格を目標に掲げる。次節は首位のマツダスカイアクティブズ広島が相手だ。「しっかりと準備をする。全身全霊を懸けて、入替戦出場を目指す」。可能性がある限り、その実現に向けてハードワークをするつもりだ。
(坂本陽子)
ルリーロ福岡
ルリーロ福岡
豊田将万ヘッドコーチ
「本日は初めて久留米市以外でのホストゲームを開催するにあたり、多くの方々にご尽力いただいたことに感謝申し上げます。ゲームに関しては中国電力レッドレグリオンズ(以下、中国RR)さんのプレッシャーを最初にわれわれが受けてしまい、流れを渡してしまった感じです。ただ、選手が最後まであきらめずに戦ってくれました。後半は流れを引き寄せた部分で改善したところも見られたので、(この試合を含めて1週間ごとの試合が)4試合続きますが、残り3戦も成長できるように頑張っていきたいです。ありがとうございました」
──後半にかなり追い上げました。ハーフタイムの指示を教えてください。
「自分たちにベクトルを向けようと話しました。相手のことではなく、自分たちが今週の練習でやってきたことをゲームの中でどう取り組めているのか、どういう影響があるのかについて話しました。ハーフタイムに100%の修正をしてゲームに送り出したいという気持ちもあったのですが、ベクトルは自分たちに(向けた)ということです。
(プランどおりにいかなかったところは)今までは相手のペナルティからこちらが(ボールのポゼッションを)奪い取るという形でしたが、今回はなかなかそれができませんでした。前半だけでこちらにスクラムで4つのペナルティがあったことは今季初めてのことです。ゲーム中に修正することが難しい状況でした」
ルリーロ福岡
三股久典キャプテン
「本日は北九州市でのホストゲームにたくさんの応援に来ていただき、ありがとうございました。豊田ヘッドコーチが言われたように、自分たちで前半から流れを引き寄せたかったのですが、中国RRさんのプレッシャーを受けて自滅してしまいました。なかなか流れを引き寄せることができず、じわじわと追い詰められたのかなと思った展開でした。でも、選手は80分間、戦う姿勢を切らさず、最後まであきらめませんでした。そこを次にしっかりと生かして、まずは(バイウィークまでの)残り3戦を頑張っていきたいです」
──流れをつかめなかった一番の要因は何でしょうか。
「セットピースの安定というところと、ボールを継続しているのですが、トライを取り切れなかったところが今までとは違いました。自分たちは3点でも6点でも7点でも取れば、勢い付く自信があります。これまではプレーしながら、しっかりと(点を)取れていたのですが、中国RRさんからプレッシャーを受けたことで流れをつかめなかったのかなと思います。次節のマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)戦は、本日の試合で明確になった修正ポイントを改善し、みんなで勝ちにいくだけです」
中国電力レッドレグリオンズ
中国電力レッドレグリオンズ
岩戸博和監督
「まずはルリーロ福岡(以下、LR福岡)の皆さま、リーグ運営関係者の皆さま、本日はありがとうございました。前回(2月8日)は雪で試合ができませんでしたが、当日の開催に向けてご尽力いただいたことに感謝申し上げます。
試合の総括としては、前半はわれわれのプランどおりにゲームを進められました。風下の後半は苦しい戦いになりましたが、選手が強い気持ちを体現してくれて、かなりしびれる展開になりました。反省点はディフェンスの部分であっさりとやられた場面があったことです。一方で、今回はバックスのメンバーがけがで長期離脱した中で、(リザーブに多く)フォワードを入れるというイレギュラーな対応になりましたが、選手がそこをしっかり我慢して一緒に頑張ってくれたことを誇りに思います。次節の狭山セコムラガッツさんとの試合に向けて、しっかりと準備をしていきます」
──前半はプランどおりだったということですが、どういうプランで臨んだのか教えてください。
「メンバーを見てフォワード戦になると思ったので、そこで勝負をしようというプランです。スクラム、モールの部分で、われわれが攻める時間帯が長くなればいいなと思いました。前半はしっかりとゲームを作ってくれました。後半はペナルティが多くなり、われわれのやり方ができなかったです。風下の戦い方についても修正していきたいと考えています」
中国電力レッドレグリオンズ
西川太郎主将
「前回、雪で試合ができなかったところから、本日は素晴らしいグラウンドを準備していただき、本当にありがとうございました。試合は前半、かなり風が強い中でエリアを取りながら、ペナルティは少なくするというところを掲げてプレーし、そこがうまく機能した印象でした。ただ、風下の後半は残り20分くらいから不用意なペナルティが増えてしまい、相手の流れになってしまいました。そこはしっかりと修正しなければならない部分です。シーズンが始まってからなかなか勝てず、苦しいシーズンになっていますが、本日は勝てたことが良かったと思います」
──第4節での対戦は引き分けでした。今回勝てた一番の要因は何だと思いますか。
「前節のクリタウォーターガッシュ昭島さんや、第8節のSA広島さんとの試合は攻守の切り替えだったり、ミスボールの反応だったりと、泥臭いプレーができていませんでした。ただ、今回のLR福岡さんとの試合は終了間際に森田政彰が(独走した)相手を止めてくれました。ひたむきなところを出せたことが勝因です」



























