2026.03.01NTTリーグワン2025-26 D3 第8節レポート(L戸田 7-50 狭山RG)

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第8節
2026年2月28日(土)12:00 大和スポーツセンター競技場 (神奈川県)
ヤクルトレビンズ戸田 7-50 狭山セコムラガッツ

「埼玉のために戦える」充実感。今季初先発の“ネコ”が見せたハイパフォーマンス

何年ぶりかのトライも挙げチームの勝利に貢献した狭山セコムラガッツの金子元紀選手

今季初先発、そして前半15分にはリーグワン初トライ。狭山セコムラガッツ(以下、狭山RG)の金子元紀はチームの7連勝に大きく貢献するハイパフォーマンスを披露した。50対7と勝負がほぼ決まった状況の後半33分にベンチに下がると、スタンドのノンメンバーの選手から大きな声を掛けられた。

「ネコ、ナイス!」

普段は温厚で、スタッフによると「イジられキャラのほう」。それに飯田光紀キャプテンいわく「ひたむきにトレーニングをしている選手」であり、「今日の先発でその結果が出たのだと思う」。皆が納得する、そして喜ぶ彼の働きだった。

照れくさそうに称賛の言葉を浴びた金子はその場面を振り返る。

「今までは後半途中から入る形で、背中から応援の声が聞こえる感じでした。それも自分の力になっていましたが、今回は終わったところで『お疲れ様』と(正面から)声を掛けられました。新鮮でしたね。最近味わっていなかったことなので、ホッとしたというか……。やり切った気持ちもあったのでうれしかったです」

なお、「ネコ」というのは金子の愛称。立正大学を経て加入した狭山RGの1年目途中からチームメートにそう呼ばれている。「『カネコ』、と外国籍選手は呼びづらいみたいで。気づいたらネコになっちゃいました(笑)」。3年目の今季ともなるとすっかりその愛称は浸透している。「言われるとうれしいです。ぐっと距離感が縮まる感じがあるじゃないですか」。柔和な表情や丸っこい体はネコっぽいと言えなくもない。そして、確かに愛着が湧きそうなあだ名だ。

ただ、グラウンドでは内に秘める闘争心を前面に出す。「けっこう、感情的にはなりやすいタイプ」で、その思いを爆発させていく。序盤からトライを重ねたこの日も、その最前線には彼の姿があった。自陣深くでのスクラムも押し返し、「フィールドでは全部いいところにいて、トライも取ってやろう、と」。それを「大学3年以来ですかね……。記憶にないくらい」というトライにつなげた。昨季途中まで先発を確保していたものの、今季はここまですべて途中出場。さまざまな思いをその大きな体に乗せて思い切りプレーし続けた──。

金子がラグビーを始めたのは埼玉県立川口高等学校のとき。それまでは野球やハンドボールをプレーしていたが、2015年のラグビーワールドカップを見て、「高校から始めてみよう」と決意した。高校3年間で全国大会とは疎遠も、現在はラグビーの道に進んでいる。東京で警備員の仕事をしながら、地元のチームでラグビーに打ち込む日々。「埼玉のために戦えているのがうれしい」。充実感が表情ににじむ。

次節には全勝中のマツダスカイアクティブズ広島との首位攻防戦が待っている。開幕戦のリベンジと、目標とする優勝に向けて落とせない一戦だ。その試合を1週間後に控えていただけに、この日はフォワード第1列の先発を入れ替えるなどフレッシュな面々で臨んでいた。そして、“ネコ”ら起用されたメンバーが奮起しての大勝。チームの士気がなお上がった状態で、大一番を迎えることができそうだ。

(田中直希)

ヤクルトレビンズ戸田

ヤクルトレビンズ戸田の河野嵩史ヘッドコーチ(右)、土井將聖 共同キャプテン

ヤクルトレビンズ戸田
河野嵩史ヘッドコーチ

「まず、試合開催にあたりご尽力いただいた関係者の皆さまに感謝申し上げます。

狭山セコムラガッツ(以下、狭山RG)さんが相手ということで、自分たちのディフェンスでしっかり圧力を掛ける部分や、先週の試合でできなかったセットピースの部分と、自分たちが頑張ってマイボールにしたあとにペナルティとなってしまった部分の精度を上げることをテーマに準備してきました。しかし一切改善し切れず、このようなゲームになってしまいました。途中で良い形もありましたので、それをどれだけ増やしていけるか。そして、チームで決めたことを遂行し続けられるかが課題だと思います。来週は必ず勝ちたいと考えています」

──ショートウィークの中で、前回ノートライに抑えられた相手との試合でしたが、今回できた部分についてはどう感じていますか。

「やりたかったことはほとんど出せなかったというのが正直なところです。本来やらなければいけないことも十分に遂行できませんでした。良かった点を挙げるとすれば、敵陣でプレーする時間をある程度作れたことですが、最終的にトライまで取り切れていないため、そこでの精度やハードワークの質が足りなかったと感じています」

ヤクルトレビンズ戸田
土井將聖 共同キャプテン

「まずは、試合の開催にあたり準備してくださった運営の皆さまに感謝申し上げます。狭山RGの圧力に対してディフェンスで受けに回ってしまったことや、アタックを継続できずにミスが出た点は、前の試合から修正できていなかった部分です。次のルリーロ福岡(以下、LR福岡)戦まで1週間しかありませんが、しっかり準備して必ず勝利につなげたいと思います」

──次節、前回敗れているLR福岡戦となります。その試合に向けてどう修正していきたいですか。

「もう1回、自分たちのラグビーを見つめ直して、ハードワークして、しっかりと勝ちたいです」

狭山セコムラガッツ

狭山セコムラガッツのスコット・ピアス ヘッドコーチ(左)、飯田光紀キャプテン

狭山セコムラガッツ
スコット・ピアス ヘッドコーチ

「ヤクルトレビンズ戸田(以下、L戸田)との試合は、一番難しくなります。毎年5回以上、試合をしている相手ですからね。その中で、最初の20分をかなり良い形で入れました。ペナルティが少なく、攻撃のテンポも良かったと感じています。ただ、後半に入ってからペナルティを重ねてしまい、自陣に入られる場面が多くなってしまいました。この点は大きな課題ですので、規律、特にペナルティの部分をしっかり修正し、来週末に向けて良い準備をしていきたいと考えています。

今日はフォワード第1列を入れ替えるなど、メンバーはかなり代わっていました。今までほとんどの試合でダニエル・ウェイトを起用してきた10番の位置では、(忽那)鐘太も彼と同じレベルでプレーすることができるということを示しています。

このチームの目的は優勝です。次節のマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)戦は、一番重要な試合になると思っています」

──来週にSA広島戦を控える中で、今回はこれまで先発ではなかったメンバーも起用されました。彼らの働きをどのように評価されていますか。

「徐々に状態は上がってきています。やはり試合経験は非常に重要です。練習だけでは得られない部分がありますし、実戦を重ねることで判断や安定感も向上していきます。チームとしても経験を積ませながら成長させていきたいと考えています。

長い時間プレーすることが求められた中で、しっかり役割を果たしてくれた点も評価しています。第1列の選手たちのうち、二人が70分以上出ています。大学時代から同じ環境でプレーしてきた選手同士(立正大学出身の陣内源斗と金子元紀)の連係も良く、チームとして前向きな材料になりました。

デビュー戦となった(田中)創太郎は青山学院大学から加わって、徐々に良くなってきています。帝京大学の(武智)成翔も、けが人がいる中で途中からスクラムハーフで出場しました。ハイテンポな大学ラグビー、それにフォワードが非常に強い帝京大学と、このリーグのラグビーは違う面もあります。これからさらに安定していくと感じています」

狭山セコムラガッツ
飯田光紀キャプテン

「本日はリーグワン関係者の皆さま、そして、グラウンドを準備してくださった皆さまに心より感謝申し上げます。良い試合ができたと思います。

L戸田さんは1年間のうちにかなり対戦する相手であり、自分たちのこともよく理解していて、非常に難しい試合になると思っていました。いい前半の入りができて、ディフェンスの部分でもいいコネクトができましたが、後半にペナルティが多くなり、自分たちの陣地に入られることが増えてしまいました。ペナルティになった部分をしっかりと修正して、来週末に向けていい準備ができればと思っています」

──次節に向けて、どの部分をレベルアップしていきたいですか。

「タフな試合になると思いますが、新しいことは特にせず、自分たちがやってきたことを信じて、規律の部分を守ってラグビーをすれば絶対に勝てると思うので、1週間でそこをしっかりと高めて準備していきたいです」

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