NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第9節
2026年3月15日(日)13:00 Balcom BMW Rugby Stadium (広島県)
中国電力レッドレグリオンズ 29-37 クリタウォーターガッシュ昭島
待ち続けた舞台で鮮烈デビュー。“戦えるフィールド”で芽生えた自信
リーグワンデビューの直前、大卒ルーキーの二重賢治は満面の笑みだった。
「緊張をごまかす感じでした。でも、やっと出場できたし、絶対にチャンスをつかんでやると思って、楽しみで仕方なかったです」
23歳のプロップは、2025年4月に中国電力レッドレグリオンズに加入。これまで出場機会はなく、ほかの同期3人のデビューを見守ってきた。
「うらやましかったですけど、それは実力がない自分のせいでもありますし、同期はしっかりアピールして実力もあって出ていたと思うので。悔しいですけど、うれしさもありました」
シーズン中盤戦でチームにけが人が続出する中、二重は3月15日のクリタウォーターガッシュ昭島戦で初のメンバー入りを果たした。「もう何分でも何秒でもいいので、しっかりアピールして今後につなげていきたいです。ずっと夢見ていたリーグワンでのプレーがやっとかなうので、いい形で終われるように頑張りたいです」と自ずと気合いが入った。
出番が来たのは後半25分、昂る気持ちでフィールドに入った。すると、「練習からすごくアグレッシブにやっているし、アフターでスクラムに取り組んでいるところは見ていました」と後輩の努力を知る主将の西川太郎から「落ち着いていけよ」と声が掛かる。
その言葉で冷静さを保てたという大卒ルーキーは、後半38分にトライエリア前でパスを受けると力強い走りでチームのカウンターを完結させるトライをマーク。初トライ後は自陣に戻りながら雄叫びを上げた。
「フィールド(プレー)の部分はチームに合流してからもずっと自信をもっていて、誰にも負けない力をアピールできると思っていました。でも、日頃の練習から、本当に周りに助けてもらっていて、その結果あのプレーができたので、自分だけのことではないですし、いいトライをさせてもらって本当に感謝しています」
試合には敗れたが、夢のリーグワンで戦った約15分間は大きな経験となった。二重は、「外からずっと見ていたときは、自分が通用するのかなと思っていましたけど、いざやってみたら戦えるフィールドだと思いましたし、絶対に負けないって思ったので、結果的に自信につながりました」と胸を張る。
ファーストキャップでファーストトライ。同期に負けない鮮烈なデビューを飾り、「100点ではないですけど、いい爪跡を残せたと思います」と試合後も満面の笑みだった。ただ、その視線はもう次にある。
「まだ周りと比べたら出場時間は少ないですし、このインパクトだけで終わらせたくはないので、同期に負けないように日頃からステップアップして、同期たちからもすごいなと思われるぐらい頑張りたいです」
(湊昂大)
中国電力レッドレグリオンズ
中国電力レッドレグリオンズ
岩戸博和監督
「まず、クリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)の皆さま、リーグ運営関係者の皆さま、本日はありがとうございました。試合の総括としては、WG昭島さんに80分間をとおしてうまくゲームをコントロールされ、我慢する時間が長かった試合だったと感じています。それが今回の敗戦につながった要因の一つだと思います。選手にも話しましたが、特にトランジションでの集中力が課題でした。ディフェンスからアタックに転じる場面、あるいはアタックからディフェンスへ切り替わる場面でのミスが、特にバックスの中で目立ち、うまくリズムに乗り切れないモヤモヤした時間が長かったと感じました。一方で、相手に簡単に得点させないというトライを取らせない点では、ディフェンスで評価できる部分もありましたし、長い時間我慢して戦えたことは評価したいと思っています。あとは、後半に入ったメンバーがしっかりとエナジーをもってプレーしてくれました。スコアで見れば後半はわれわれがわずかに上回っており、その要因として途中出場した選手たちがゲームを動かしてくれたことが挙げられると思いますし、次につながる試合だったと感じています。5連戦の初戦で勝ちたかったですが、また次節に向けて良い準備をして臨みたいと思います」
──14人になって難しい状況もありながら最後は2トライで意地を見せたと思いますが、試合終盤をどう振り返りますか。
「あの時間帯の点差を考えると、こちらとしても攻め続けるしかない状況でした。ラグビーではよくある展開ですが、エリアを取るというよりも、攻撃を継続してスコアにつなげる必要がありました。その中でしっかり取り切ってくれたことは大きいと思います。通常はディフェンス側も受けに回りやすい状況ですが、その中でも自分たちがやりたいアタックのプランを遂行してくれたという印象です。
次につなげないといけないので、勝ちが見えない時間帯でも意地を見せてくれた点は評価したいと思います。ただ、そもそもあのような展開になってしまったこと自体が反省点です。前半や後半の入りでゲームをうまくコントロールできていれば、また違った試合展開になっていた可能性はあると思います」
中国電力レッドレグリオンズ
西川太郎 主将
「本日はありがとうございました。試合の総括ですが、前半は風上という状況の中で良い入りができました。ただ、その後のキックオフのレシーブで相手にイージーにボールを奪われてしまいました。WG昭島さんには強いキャリアーが多く、厳しくタックルに行こうと話していましたが、甘さが出てしまい、止め切れずに簡単にスコアを許してしまったことが前半の痛い点だったと思います。後半は風下の中でもアタックマインドをもって戦おうと話していました。途中で14人になる場面もあり、本当に厳しい時間帯でしたが、そこを辛抱して耐え、トライも奪うことができました。特にリザーブで入ってきた選手たちが非常に良いエナジーを持ってプレーしてくれて、心強かったです。勝つことはできませんでしたが、次につながる試合にはなったと思います」
──14人になって難しい状況もありながら最後は2トライで意地を見せたと思いますが、チームメートの戦う姿勢をどう見ていましたか。
「リザーブのメンバーが本当に良いエナジーとモメンタムを生み出してくれて、それに乗って戦えたことが大きかったと思います。点差的には厳しい状況でしたが、そのまま離されて終わるのか、少しでも返して終わるのかでは、次の試合への影響が大きく違うと思います。その意味でも良かったと思います。ただ、(岩戸)監督も話していたように、そもそもあの点差になっていること自体が課題です。特に前半の入りと後半の入りは改善しなければいけません。後半の入りでこちらがスコアしたい場面にもかかわらず、良くない形で失点してしまうケースが続いています。前節もそうでしたが、後半の入りの失点の仕方は課題だと感じています」
クリタウォーターガッシュ昭島
クリタウォーターガッシュ昭島
内山将文ヘッドコーチ
「本日は寒い中、多くの方に応援に来ていただきありがとうございました。また、大会関係者の皆さまにも、このような素晴らしい会場を用意していただき感謝申し上げます。試合には勝つことができましたが、チームとしての課題も見えた試合でした。中国電力レッドレグリオンズさんの堅いディフェンスに対して、どうやってチームとして崩していくかが、特に後半のポイントだったと思います。しかし、個で突破しようとする場面が増えてしまい、うまく崩し切れませんでした。次節はショートウィークになりますが、そうした部分をしっかり修正して臨みたいと思います」
──今日の試合の収穫を教えてください。
「前半にトライを取った場面など、自分たちがどこで、どういう戦い方をすればチームとして機能するのかは示せたと思います。一方で、トライが取れなかった部分は、そこが少し違う部分があったのかなと思います」
クリタウォーターガッシュ昭島
中尾泰星キャプテン
「試合に勝った上で反省できるという点は大きいと思います。試合前には接点で圧倒していこうという話をしていましたが、前後半ともに接点で後手に回る場面がいくつかありました。そこで流れを失い、相手にスコアを重ねられてしまった部分があったと思います。試合後のミーティングでも話しましたが、今回はフィジカルの部分をフォーカスしていて、それを80分間やり続けること、一つのプレーで満足するのではなく、すべての局面で個々が勝負し切ることを、もう一度全員で確認することができました。そこは次戦に向けて改善していきたいポイントです」
──今季初の連勝を飾りましたが、各チームとの対戦が2周目に入った中で好調の要因をどう考えていますか。
「開幕戦には勝つことができましたが、その後は連敗が続き、チームとして迷いが出かけていた時期もありました。ただ、この2周目に入ってから、プレシーズンから取り組んできたことにもう一度立ち返りました。ディフェンスもアタックも、よりシンプルに考え、一つひとつの局面でそれぞれが役割を果たすことを徹底しようと話しました。ボールキャリアー、オーバー、タックルなど、それぞれが役割を全うすることを話していたことによって、チームとしてシンプルに動けるようになってきたと思います。連勝できたことはうれしいですが、次節のヤクルトレビンズ戸田戦では前回"サヨナラ負け"を喫しています。今回は日曜日の試合から次は土曜日の試合なのでショートウィークになりますが、全員でしっかり準備し、リベンジできるよう臨みたいと思います」



























