NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第12節
2026年4月11日(土)12:00 海老名運動公園 陸上競技場 (神奈川県)
ヤクルトレビンズ戸田 21-40 マツダスカイアクティブズ広島
全力プレーの58分間。示したのは“やり切る”、“続ける”大切さ
ヤクルトレビンズ戸田(以下、L戸田)の小川正志が今季初スタメンを飾ったマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)戦。首位を走る強敵相手に、魂を込めた58分間を全力で駆け抜けた。
「前半に得点できなかったことはチームの課題です。ただ、個人的には粘り強いディフェンスで応戦し、タックルやスティールで少しは貢献できたと思っています」
試合後、小川は晴れやかな表情で久しぶりのスタメン出場の感触を振り返った。けが明けだったこともあり、コーチ陣からは「50分まで」とプレー時間が伝えられていたが、小川は58分間グラウンドに立ち続けた。予想どおり厳しい展開となる中、ベンチに退いた時点でスコアは0対28。だが、そこからL戸田の猛反撃が始まった。60分に白井吾士矛がトライを奪うと、怒涛の3連続トライ。終盤には一時7点差まで詰め寄る大逆襲を見せた。
「SA広島さんは勢いのある素晴らしいチームです。でもわれわれにもチャンスがあると思っていた。我慢し続ければ、後半に必ずチャンスが来る。それは前回の対戦で学んだことです。だからこそ、自分がベンチに下がるまでに少しでもスコアを縮めておきたかった。それが悔やまれます」
小川はベンチから、仲間たちがじりじりと点差を詰めていく姿を目に焼き付け、声を張り上げて鼓舞し続けた。
けがに苦しめられたシーズンだった。このチャンスを逃せば、もう出場の機会はないかもしれない――。そう覚悟を決め、小川は誰よりも足を動かそうと心に誓っていた。長く『タフマンズ』(L戸田のノンメンバーの呼称)として過ごした時間もある。彼らの思いも背負ってグラウンドに立とうと思った。後半18分にベンチへ退く際、小川はスタンドにいる『タフマンズ』たちに向け、笑顔で大きく手を振った。
「ずっと『正志ー!』という声が聞こえていました。本当にうれしかった」
どんな立場だろうとやり切る。その思いが強くなっている。昨季は共同キャプテンを務めたが、今季はその立場を離れたことも大きい。チーム全体を俯瞰する視点が増え、自分に何ができるのかを改めて問い続ける日々が続いている。
「キャプテンを外れたことで、自分自身のL戸田での存在意義を意識するようになったし、このチームに何を提供できるのか、より深く考え、行動に移すようになっていると思います」
その思いが、今季終盤の初スタメンという結果につながった。今季も残りは3試合。小川は静かに、しかし力強く意気込む。
「全部勝てば3位に食い込めるチャンスがあります。もちろん自分も試合に出たいし、ここまで続けてきたことを、続けるだけです。チームが勝つために、自分にできることを精一杯やり切る。それだけだと思っています」
(鈴木康浩)
ヤクルトレビンズ戸田
ヤクルトレビンズ戸田の河野嵩史ヘッドコーチ(左)、土井將聖 共同キャプテンヤクルトレビンズ戸田
河野嵩史ヘッドコーチ
「まず、試合開催にあたりご尽力いただいた皆さまに感謝申し上げます。特にマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)の皆さま、ありがとうございました。今週のテーマとして、選手全員が自分の仕事を100%やり切ることを設定していました。試合内容は、前節できたことが今日はできていなかったり、前節できなかったことが今日はできていたりと、良いところと悪いところがたくさん出た試合だったと思います。試合の流れとしては、SA広島さんの重いフォワードにゴール前でゴリゴリと押し込まれてトライを奪われるシーンもありましたが、中盤ではいい戦いができた場面も多く、残り3試合につながるゲームができたと考えています」
──後半に3トライを奪った流れについて、前半から何が改善されてあのような流れになったとご覧になりましたか。
「準備したプレーの精度が上がったことが一番の要因だと思います。前半も準備したプレー自体は出せていましたが、セットピースやバックスのミスなど、自分たちのミスで終わってしまう場面が多かったです。その点、後半のあの時間帯は最後までミスなく実行に移せたところが大きかったと感じています」
ヤクルトレビンズ戸田
土井將聖 共同キャプテン
「まずは、試合開催にあたりご尽力いただいた皆さまに感謝申し上げます。また、SA広島の皆さま、ありがとうございました。総括としてはヘッドコーチのコメントのとおりです。ただ、これまでは試合の中でなかなか修正できなかったことが、今日は修正しながら実行に移せた試合だったと思います。その点では成長できたと感じますし、次につながる試合になったと考えています。ただし、負けてしまっては意味がありませんので、残り3試合はしっかり勝ち切れるよう準備していきたいと思います」
──残り3試合に向けて、どういうゲームを表現して今季を締めくくりたいか教えてください。
「自分たちが準備したプレーの精度を上げていくことです。今日も前半から精度を上げていれば、こんな展開にはならなかったと思いますし、勝ち切れた試合だったと考えています。残り3試合は、前半の最初から自分たちのプレーの精度を高め、できればボーナスポイントを取って締めくくりたいと思っています」
マツダスカイアクティブズ広島
マツダスカイアクティブズ広島のダミアン・カラウナ ヘッドコーチ(右)、芦田朋輝キャプテンマツダスカイアクティブズ広島
ダミアン・カラウナ ヘッドコーチ
「今日のパフォーマンスはあまり良くありませんでした。特に前半の攻守の精度が低く、後半も全体的に精彩を欠いていました。それでもボーナスポイントを獲得して勝利できたことは、チームにとってプラスだったと思います」
──後半20分過ぎに劣勢に陥り、3トライを奪われましたが、あの時間帯に起きていたことをどうご覧になっていましたか。
「まず、オフロードパスをしようとし過ぎたところがありました。もう少しボールを大事に守るべきだったと思います。また、チームの規律が乱れてしまい、相手にラインブレイクを許したり、ペナルティを与えたりするプレーが続いてしまったと感じています」
マツダスカイアクティブズ広島
芦田朋輝キャプテン
「80分間をとおして、自分たちが用意してきたプレーをなかなか出すことができなかった試合だったと思います。ボーナスポイントを獲得できたことはチームとして良かったと思いますが、まだまだ修正すべき点が多い試合になりました」
──今日の勝利で開幕から12連勝となりました。昨季は12勝3敗でD2/D3入替戦に進みましたが、昨季からレベルアップできている点はどのあたりでしょうか?
「やはり、一貫性のある戦い方が開幕12連勝という結果につながっていると思います。ただし、自分たちが目指す『入替戦で勝利する』パフォーマンスにはまだ届いていないので、さらに積み上げていかなければならないと考えています」



























