NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第12節
2026年4月11日(土)13:00 Balcom BMW Stadium (広島県)
中国電力レッドレグリオンズ 17-29 ルリーロ福岡
楽しむ準備は、もうできている。ぶつかる歓びとともに
「出たら全力で楽しむだけですね」。負傷離脱していた東将吾は、4カ月ぶりの復帰を前に心躍らせていた。
「これだけ期間が空いて、試合を見ている間はずっと出たかったので、もう楽しめるマインドにはなっています」
2023年4月に中国電力レッドレグリオンズに加入した東は、1年目こそ6試合の出場にとどまったが、2年目の昨季は全試合に出場し、対人の強さやボールキャリーの持ち味を発揮して活躍。今季も3年連続の開幕スタメンで好調ぶりを見せていたが、ひざの負傷でシーズン開幕直後に無念の離脱を余儀なくされた。
それでも、「最初の1カ月ぐらいはもうラグビーを忘れて、ウェイトトレーニングばかりやっていました。割り切れていたのでショックもそんなになかったですね」と潔く切り替えた。離脱中は焦りやもどかしさもあったが、「メンバーを全力で応援しつつ、自分が出たらどうするかも考えながら、しっかり試合を俯瞰して見て準備はしていました」と復帰に目を向けた。
大学時代以来の長期離脱を乗り越えた東は、今節のルリーロ福岡戦で4カ月ぶりにメンバー入りを果たした。負傷者続出の厳しいチーム状況もあって、復帰戦はいきなりのスタメン。久しぶりのフィールドに立つと、「気持ちがフワフワして、それが緊張なのか分からないですけど、自分でも落ち着きがなかったなと思いました」と普段と違う感情も湧いていた。
ただ、「自分にしかできないプレーでチームを引っ張っていきたいです」と意気込んでいたセンターは、試合が始まれば持ち味のパワフルなボールキャリーで存在感を発揮。ラグビーを楽しむ東が帰ってきた。
「自分にとってボールキャリーはラグビーの醍醐味です。コンタクトが好きでラグビーをやっているし、自分の中ではそこを楽しめないとラグビーをする意味があるのかなと思っています。やっぱりキャリーやタックルは、相手がでかくても強くても楽しいです」
味方が負傷した影響もあって、復帰戦ながらフル出場。「めちゃくちゃしんどかったです」と試合後に笑ったが、けがをしたひざを気にする間もなく戦い抜き、「残り3試合に向けて自信にはなったので、あとは体力を戻していけば、まだまだいけます」と力を込めた。
ぶっつけ本番の復帰戦でリスタートを果たし、ここから25歳の本領発揮が始まる。「もっとやれたし、もっと楽しめると思います」。全力でラグビーを楽しむ東が、シーズン終盤にチームを前進させる。
(湊昂大)
中国電力レッドレグリオンズ
中国電力レッドレグリオンズ
岩戸博和監督
「ルリーロ福岡(以下、LR福岡)の皆さま、ならびにリーグ運営関係者の皆さま、ありがとうございました。
総括としては、LR福岡との試合はこれまでもヒリヒリする展開が続いており、今日も同様のゲームになると想定して臨みました。その中で、最終的には我慢比べで後手に回ったという印象です。また、プレー選択の部分でやや弱気な判断が見られました。より強気に仕掛けていれば新たな展開を生み出せた場面でも、横にボールを動かしたりキックを選択したりと、我慢できずに逃げるようなプレーが目立ったと感じています。ああいった場面で攻め切る、やり切るという姿勢があれば、ゲームの流れも変わっていたと思います。いくつかあったターニングポイントで踏み込み切れなかった点は、反省すべき部分です。一方で、復帰した東(将吾)をはじめ、ゲームを動かすプレーやチャンスを生み出す場面も見られたので、メンバーがそろわない中でも、次につながる兆しは感じています。今回の5連戦は非常にタフでしたが、得られたものと課題の両方がありました。このバイウィークで各自がプレーやチーム状況を見直し、次節に向けて準備していきたいと考えています」
──LR福岡とは過去2試合とも劇的な展開で1勝1分でしたが、3戦目で勝利を引き寄せられなかった要因を教えてください。
「選手たちには『攻めればやれる』という自信はあったと思います。今回は初めて追い掛ける展開となって、最後(後半39分の)の失点後はハドルを組んだ場面で攻めるマインドに切り替わっていたと思います。そこから数分間は攻め続けることができましたが、結論としては我慢強く攻め切ることができませんでした。やはり弱気な選択や、ボールを横に動かすプレーは相手にとってラクになります。相手も苦しい状況だったはずですが、自分たちがそれを上回るワークレートと覚悟が必要でした。今週の練習でもハーフタイムでも『相手を上回る努力をしよう』と話していましたが、その点が足りなかったと感じています。より強気に、逃げずに前へ出ていれば、違った展開になっていた可能性はあったと思います」
中国電力レッドレグリオンズ
青木智成副将
「僕らは6位という現状ですが、チームとしてトップ2を目標に掲げていた中で、4位のLR福岡さんに対して勝ちは絶対必要でしたし、ボーナスポイントも取りにいくという強い気持ちをもって取り組んできました。前半のミスについては試合中やハーフタイムで修正できていましたが、今週のフォーカスであった規律や敵陣でプレーする意識の部分で、スコアにつなげ切れませんでした。結果としてペナルティが重なり、我慢し切れなかった点が敗因だと感じています。ただ、5連戦で負傷者が多い中でも、チーム全体として非常にポジティブに取り組めている点は、これまでで最も良い部分だと思います。シーズンは残り3試合ありますので、そこは前向きに捉えていきたいと思います」
──スクラムやラインアウトの数が多かったですが、セットピースの評価を教えてください。
「(直接対決は)3戦目ということで、サインの駆け引きが重要になる中で臨みました。ラインアウトは木村(勇大)を中心にディフェンス面でのコミュニケーションやスティールを意識し、スクラムもフッカーの岩永(健太郎)を中心に押すベクトルを整理してきました。しかし、結果として取ったり取られたりの状態になってしまった点は課題です。マイボールは絶対に確保し、ディフェンスでは相手ボールをマイボールにすること。その徹底ができなければ意味がありません。そうした場面で自分たちのプライドや強気を出し切れず、ネガティブな反応が出たことが、バックスにも影響したと感じています。ラグビーはフォワードが前に出ないと勝てないと思っているので、そこで受けに回ってしまったことが結果に表れたと考えています。修正はしてきたつもりでしたが、結果で示せなかったことが現実です。課題は明確なので、コーチや選手と話し合って、残り3試合に向けて修正していきます」
ルリーロ福岡
ルリーロ福岡
豊田将万ヘッドコーチ
「本日は素晴らしいグラウンドで試合をさせていただき、ありがとうございました。今季まだ一度も勝てていない相手との対戦ということで、自分たちが積み上げてきたものと、やるべきことを明確にした上で、この1週間準備してきました。
試合は想定どおり非常にタフな展開となり、選手たちもその点を理解して臨んでくれました。取って取られての展開にはなりましたが、最終的に勝利を手繰り寄せた選手たちを誇りに思います。残り3試合となり、D2/D3入替戦進出の可能性はなくなりましたが、自分たちがさらに成長するために、どの試合も無駄にはできません。選手とともに成長を続けていきたいと考えています」
──中国電力レッドレグリオンズ(以下、中国RR)とは3試合とも劇的な展開でしたが、3戦目で勝利を手繰り寄せられた要因を教えてください。
「プレシーズンから一度も勝てていなかった相手であり、非常にタフなチームだという認識はありました。一方で、どこかで『勝てるのではないか』と思ってしまうような相手でもあったと思います。だからこそ、自分たちは地に足を付けて戦うこと、やるべきことをクリアにして遂行することにフォーカスしたことで勝利を手繰り寄せられたと思いますし、過去2試合との違いはそうした部分にあったのではないかと思います」
ルリーロ福岡
三股久典キャプテン
「本日は暑い中、多くの方にご来場いただきありがとうございました。今週はショートウィークということもあり、限られた時間の中でプレーの質やセットピースの安定性を細かく修正して試合に臨みました。前半は中国RRさんのプレッシャーを受け、セットピースが安定しない場面もありましたが、キックを効果的に使って敵陣に入り、自分たちの強みであるディフェンスで80分間粘り続けられたことが、結果につながったと感じています。次はバイウィークですが、チームとしてさらに成長していくために、あらためて自分たちがやるべきことを再確認し、次戦に向けて準備していきたいと思います」
──中国RRとは過去2試合も劇的な展開で1分1敗でしたが、勝てていなかった相手に最後勝てた心境を教えてください。
「自分たちにとって一試合一試合の勝利は重みがあります。厳しい環境の中でも言い訳をする選手は一人もいませんでしたし、その中でつかんだ勝利は本当に大きいものだと思います。今回の勝利によって昨季の成績を上回ることができた点からも、チームとして成長できていると感じています」



























