2026.04.27NTTリーグワン2025-26 D3 第13節レポート(LR福岡 12-47 SA広島)

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第13節
2026年4月26日(日)13:00 小郡市陸上競技場 (福岡県)
ルリーロ福岡 12-47 マツダスカイアクティブズ広島

一瞬ではなく、80分で勝負する選手に。ひたむきな強度で、存在価値を刻む

80分間をとおして相手がイヤがる強度で動き続けることを自らに課しているというルリーロ福岡の金智成選手

今季、全試合に出場しているルリーロ福岡(以下、LR福岡)の金智成。ひたむきでアグレッシブなプレーが評価され、加入2シーズン目でポジションを勝ち取った。豊田将万ヘッドコーチは「タフに戦い、伸びシロも十分」と期待を寄せている。

今季は9試合で先発しているが、マツダスカイアクティブズ広島戦はリザーブに回った。負傷選手に代わって前半16分の早い時間帯での投入。3トライを奪われた直後だけに「悪い流れを断ち切りたかった。焦りもあり、ずるずるといってしまった」と悔しがった。

大量失点した前半とは打って変わり、後半だけを見ると7対5とリードする形となった。ハーフタイムにスクラムやディフェンスの修正点を選手たちで話し合った効果が出た。「前半はラックサイドで簡単にブレイクされた。後半は1対2と枚数を増やして押し返したり、ラックサイドを意識したりしたことがロースコアの要因だと思う」と振り返った。

14歳の時、福岡県から大阪府の中学校に転校したことをきっかけに、自分のすべてをさらけ出せるラグビーに魅力を感じて始めた。大阪朝鮮高級学校3年時にはナンバーエイトやフランカーとして出場した“花園”でベスト4入り。朝鮮大学校ではキャプテンを務めた。昨年4月、LR福岡に加入。銀行の窓口で働きながら、競技に打ち込む日々だ。

リーグワンの試合出場を通じて、自分の強みや、克服しなければならない課題が浮き彫りになったという。「ボールキャリーで前に出るところや、刺さるタックル、ブレイクダウンでいいファイトができていると思う。課題は経験の少なさによる一瞬の状況判断です」と自覚している。

一発で大きなインパクトを残すよりも、80分間をとおして相手がイヤがる強度で動き続けることを自らに課す。「一度グラウンドに立てば、それぞれの立場は関係ない。勝つか負けるか、勝負の世界にのめり込める。試合が終われば、チームの垣根を越えて仲良くなれる。試合を含めたすべてが好き」と目を輝かせる。

LR福岡で実現したいこと。個人的には今季、全試合出場。そして来季こそ、チームが目指すディビジョン2昇格に向け、「必要不可欠な選手になれるよう、先輩たちの背中を見ながら成長したい」。その視線は、どこまでも真っすぐだ。

(坂本陽子)

ルリーロ福岡

ルリーロ福岡の豊田将万ヘッドコーチ(左)、三股久典キャプテン

ルリーロ福岡
豊田将万ヘッドコーチ

「本日は足元の悪い中、多くの方々に会場に足を運んでいただき、感謝しています。小郡市長をはじめ、市民の皆さまからも支援をしていただき、試合ができたことをうれしく思います。ゲームは前半、今シーズンで一番悪い出来といっていい状態でした。しかし、選手はハーフタイムをきっかけに、後半は修正し、いい試合をしてくれました。それが今日の収穫です。今季もあと2試合です。次節は狭山セコムラガッツさんという強い相手なので、もてる力をすべて出して、勝ちにこだわっていきたいと思います」

──後半、かなり引き締まった内容になりました。ハーフタイムにどのような修正を指示したのかということと、今シーズン限りでの引退が発表された八文字雅和選手、長谷川寛太選手、竹内嘉章選手がチームにもたらしたことを教えてください。

「ハーフタイムに何が悪いという具体的なことは言わず、『このスコアで考えることがあるだろう。やらなければならない責任を果たしていない結果ではないか』と伝えました。

引退する3選手については発足間もないころからチームでの影響力が大きく、日々の練習や、ラグビー以外のところでも彼らを慕う人間がたくさんいます。チームを助けてくれた功労者です。そういう選手の引退はすごく寂しいです。これまでの功績に感謝しています」

ルリーロ福岡
三股久典キャプテン

「足元の悪い中、たくさんの方々に来ていただき、ありがとうございました。皆さまのルリーロコールの応援が80分間途切れることなく聞こえて、自分たちの力になりました。感謝しています。試合に向けて、しっかり準備してきたつもりだったのですが、前半はふがいない内容で相手にペースをつかまれてしまいました。後半に入って修正できましたが、結果は負けです。残り2試合は2勝できるように、しっかりと準備をして、みんなで勝利をつかみにいきます」

──残り2試合に向けて、今日の教訓をどう生かしていきますか。

「後半の引き締まった内容を、本来なら前半の入りからやっていきたいので、その入りの部分だったり、細かいところの精度だったりをしっかりと再確認します。チームとしてやるべきことは変わりません。一人ひとりが自分の役割を理解して体現していけば、勝機があると思います。80分間をとおして力を出し切れるようにやっていきます」

マツダスカイアクティブズ広島

マツダスカイアクティブズ広島のダミアン・カラウナ ヘッドコーチ(右)、井上陽公ゲームキャプテン

マツダスカイアクティブズ広島
ダミアン・カラウナ ヘッドコーチ

「前半はうまく戦うことができて、そのまま後半10分まで試合の流れをつかめました。しかし、それを80分間続けることができませんでした。そこが今回の修正点です」

──今シーズン全勝中という好調ぶりは充実した戦力と戦略があってのことだと思いますが、勝ち続けられるポイントと、D2/D3入替戦に向けてはどう考えているかを教えてください。

「同じスポーツを同じ人数で戦っています。勝つことができるのは、細かいところについても練習からうまくいっている証拠だと思います。今日のように50分間は勝てているが、最後の30分間はよくなかったというように、修正や課題はまだあります。次節以降も細かい部分を一つひとつ確実に遂行することで、勝利につなげたいと思います。ディビジョン2との入替戦については先のことなので、まずは目の前の試合についてしか考えていません。今日うまくいかなかったことを修正します」

マツダスカイアクティブズ広島
井上陽公ゲームキャプテン

「(ダミアン・カラウナ)ヘッドコーチが言われたように最初の40分から50分は勢いがあり、いいアタックができました。それを最後の80分までし続けることが課題だと思います」

──残り2試合ありますが、現段階で今シーズンを振り返り、プランどおりにできているところはどういうところでしょうか。

「今シーズンをとおして前半の入りは総じて良かったのではないかと思います。試合に向けての準備をする中でメンバーだけでなく、メンバー外の選手たちと試合形式で練習をするのですが、そういうところでしっかりとメンバー外からの圧力を受けることができます。それがシーズンをとおしていい入りができていることにつながっているのだと思います。残り2試合ですが、D3の優勝を含めて、試合の入りもそうだし、今回課題になったラスト30分のところを修正しながら、シーズンをとおしてマツダスカイアクティブズ広島らしくアグレッシブさを意識してやっていきたいと思います」

試合詳細

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