2026.05.31NTTリーグワン2025-26 D1/D2入替戦[D1 12位 vs D2 1位]第2戦レポート(相模原DB 52-28 S愛知)

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
D1/D2入替戦[D1 12位 vs D2 1位]第2戦
2026年5月30日(土)13:00 厚木市荻野運動公園競技場 (神奈川県)
三菱重工相模原ダイナボアーズ 52-28 豊田自動織機シャトルズ愛知

勝利の先にあった、もう一つの物語。最後に託されたキック

三菱重工相模原ダイナボアーズの一員としての最後の試合に臨んだジャクソン・ヘモポ選手

三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)がディビジョン1残留を決めた一戦。そのグラウンドには、勝利とは別の意味をもつ時間が流れていた。

後半11分。ジャクソン・ヘモポがグラウンドに立つ。負傷からの復帰戦であり、そして、この日でチームを去る男の最後の試合でもあった。スタンドからは大きな拍手が送られる。それは、チームとともに戦い続けた時間への賛辞でもあった。

「よく聞こえました。みなさんの声援は体の奥まで響いています」

その言葉に応えるように、ヘモポはグラウンドでの役割を果たしていく。ラインアウトではジャンパーとして安定したボール確保に貢献し、守備でも前に出て相手の前進を止める。本来の役割は試合の流れを引き寄せるインパクトプレーヤーだが、この日は試合を落ち着かせる役割を担った。その存在感が、後半無失点の流れを支えていた。

ニュージーランド代表5キャップ。サイズと運動量を兼ね備え、トップリーグ時代から攻守にわたりチームに貢献してきた。その働きは指揮官から「レジェンド」と称されるほどであり、チームの中核として確かな足跡が残っている。

大勢が決まりつつある状態で試合終盤に差しかかったとき、その瞬間は訪れる。

後半38分。マット・ヴァエガのトライのあと、本来であれば別の選手が担うはずのコンバージョンキック。そのボールは、自然とヘモポのもとへわたった。

それは、偶然ではない。

この日でチームを去る男へ──仲間たちが託した、ささやかなフェアウェルだった。

「まったく予想していなかったが、考え過ぎないように」

静かに構え、振り抜いたひと蹴りはゴールを捉える。歓声が広がる中、その瞬間にあったのは勝敗とは別の意味だった。

チームが作り、チームが託し、そしてチームで見届けた一つのプレー。そのキックは、この日を象徴する場面となった。

レギュラーシーズン最終戦セレモニーでは、日本語で思いを伝えようとした。

「ファンのみなさんの前に立った瞬間、頭が真っ白になってしまって…。準備していた内容の半分くらいで終わってしまいました」

それでも、その姿はチームの歩みとともに、確かに人々の記憶に残っている。進路は未定ながら、日本でのプレー継続に意欲を見せている。

勝利とともに迎えた一つの区切り。だが、それは終わりではない。

ジャクソン・ヘモポの歩みは、相模原DBで果たした役割とともに、新たな舞台へと続いていく。

(宮本隆介)

三菱重工相模原ダイナボアーズ(D1)

三菱重工相模原ダイナボアーズのグレン・ディレーニー ヘッドコーチ(右)、吉田杏キャプテン

三菱重工相模原ダイナボアーズ
グレン・ディレーニー ヘッドコーチ

「今日のわれわれのパフォーマンスを誇りに思います。選手たちは本当に素晴らしいラグビーを見せてくれました。非常に難しいディフェンスもあり、風も強かったですが、本当に素晴らしかったです。後半はわれわれの努力とエネルギーもすごく、最後の最後まで戦い抜いて勝利を収めることができました。このシーズンの終わりを勝利で飾れてよかったです。また来季に向けて頑張ります」

──慣れ親しんでいないグラウンドでの開催でしたが、ファンの声援などはいかがでしたか。

「ファンは本当に素晴らしいです。彼らはわれわれと一緒にどこへでも来てくれます。今日は新しい場所での試合でしたが、エネルギーに満ちた素晴らしいスタジアムでプレーできてうれしかったです。サポーターの皆さまには本当に感謝しています。この4、5年でファンの数もエネルギーも増え、サポートの仕方も進化しています。われわれがここにいられるのもファンの皆さまのおかげです」

三菱重工相模原ダイナボアーズ
吉田杏キャプテン

「今日の試合はこのチームで戦える今シーズン最後のゲームでした。これまでチームを支えてくれた退団する選手もいたので、『勝っていい形で送り出そう』と試合前のハドルで伝えました。結果として、全員が1年間積み重ねてきた三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)のDNA、ハードワークの部分が80分間出た試合だったと思います。今日のプレーの結果については満足しています。ですが、シーズン中の課題や学び、悔しさをしっかり来シーズンにつなげたいと思います」

──キャプテンとして、チームをまとめるのは難しかったですか。

「自分は言葉よりもプレーでリーダーシップを執るタイプなので、試合中にチームに何が必要か迷う部分もありました。シーズン中なかなか勝てず苦しい時期もありましたが、いま振り返ると自分にとってもチームにとっても必要なレッスンだったと感じています。来シーズンまで時間があるので、全員で話し合ってこの学びを生かしていきたいです」

豊田自動織機シャトルズ愛知(D2)

豊田自動織機シャトルズ愛知の徳野洋一ヘッドコーチ(右)、鄭兆毅 共同キャプテン

豊田自動織機シャトルズ愛知
徳野洋一ヘッドコーチ

「まずは、このD1/D2入替戦に勝利し、ディビジョン1への残留を決められた相模原DBのみなさん、そしてファンのみなさん、おめでとうございます。チームを代表してメッセージをお伝えさせていただきます。 また、今シーズン、このリーグワンという素晴らしい環境の中でラグビーができたことに対し、リーグを運営されている関係者の皆さまに、チームを代表して御礼申し上げます。ありがとうございました。

ゲームとしては、望んでいた結果が得られなかったことは非常に残念というのが率直な感想です。ただ、この1シーズンをとおして、リーダーを中心にチームが成長してきたことは間違いなく手ごたえとしてもっています。結果は残念ですが、チームが成長を遂げていく過程を確認できたという意味で、本当に充実したシーズンだったといまは思っています。

この結果を踏まえ、われわれが来シーズンに向けてどうつなげていくのか、それがラグビー界に貢献していくためにも必要なことだと思っています。また立ち上がって、成長した姿をお見せしたいと思っております。本日はありがとうございました」

──第1戦ではなかなか実力を出し切れないまま敗れてしまったというお話がありましたが、今日の試合に関しては、選手たちの働きや1年間積み上げてきたパフォーマンスをどう捉えていますか。

「1戦目はプレッシャーもあったのか、われわれが本来もっているパフォーマンスを発揮できなかったという反省がありました。それを踏まえた2戦目の今日は、前半から選手たちが自信をもって、自分たちのもっているスキルやパフォーマンスを発揮してくれた部分が多くありました。彼らの勇気あるプレーに対しては、本当に素晴らしいものがあったと思っています」

豊田自動織機シャトルズ愛知
鄭兆毅 共同キャプテン

「相模原DBのみなさん、おめでとうございます。そして豊田自動織機シャトルズ愛知のファンの皆さま、関係者の皆さま、応援いただきありがとうございました。

今日は自分たちの望んでいた結果ではありませんでしたが、最後までみんなあきらめずに戦い抜いたと思います。今シーズン出た課題や学んだことを次のシーズンに生かして、より良いシーズンに向けて準備し、頑張りたいと思います。本日はありがとうございました」

──2試合、そして1シーズンをとおして、相模原DBとの差はどこに感じましたか。

「敵陣に入ってからフィニッシュまで行けずにボールを奪われるシーンが多くありました。相手の22mライン内に入ったときに、しっかり取り切るという部分が自分たちの課題だと感じましたし、逆に相模原DBはそこでしっかり取り切る場面が多かったです。そこが差だったと思います」

試合詳細

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