2022.02.13NTTリーグワン 2022 D1 第5節レポート(RH大阪 3-22 東京SG)

NTTジャパンラグビー リーグワン2022 ディビジョン1(リーグ戦) 第5節 カンファレンスB
2022年2月6日(日) 14:30 ヨドコウ桜スタジアム (大阪府)
 NTTドコモレッドハリケーンズ大阪 3-22 東京サントリーサンゴリアス

東京サントリーサンゴリアスのミルトン・ヘイグ監督(左)、中村亮土キャプテン

東京サントリーサンゴリアス
ミルトン・ヘイグ監督

「きょうはミスが多くなってしまって自分たちの勢いが作れずに戦うことになった。自分たちのスキルをしっかり遂行するところとプレーの選択でミスや悪い選択があった。ドコモはシンプルな戦術だった。ラックでしっかりプレッシャーをかけ、我々はブレイクダウンでボールを奪われたり、キックを後方に蹴られてプレッシャーをかけられドコモのボールにされこちらを苦しめた。きょうはサンゴリアスとして求めているパフォーマンスができず、通常のハイスタンダードなプレーと比較すると足りない部分があったと感じている。結果として勝ち点5点を獲得でき首位をキープできたが、内容としては自分たちが求めているような内容ではなかった。誰も満足していないと思うのでこれからハードワークしていかないといけない」

──サム・ケレビ選手やダミアン・マッケンジー選手らキープレーヤーの強み、ストロングポイントは最低限出せた試合か。

「サム・ケレビはいいラインブレイクをしてトライにつなげたし、ダミアン・マッケンジーは後半途中からの出場だったがトライにつながるプレーもあった。2人だけでなく全員がしっかり自分の役割でいいプレーをするのがきょうは足りなかった」

──自分たちのラグビーができなかったにしても勝ち切れた。良かった点は?

「ディフェンスのところがよかったと感じている。プレッシャーのかかった局面でもチームでしっかりディフェンスできていたのでトライを許すことなくペナルティの3点だけに抑えきれたのは勝因の一つと思う。勝ちは勝ちで首位をキープできしっかり5点を取れたのはよかった。チームとしてバイウイークに入る前までに全勝で終えることを目標にしていたので達成でき満足している」

東京サントリーサンゴリアス
中村亮土キャプテン

「監督と同じことを思っていた。付け加えることはない」

──ハンドリングエラーなどサントリーらしからぬミスの原因は。

「風が強く、いつもと違う状況だったのと、全員が同じ絵が見えていなかった。お互い次のプレーの共有や認識が少しずつズレていたと思う。グラウンド上で感じていたのでそこを良くしようとコミュニケーションをとっていた」

──きょうの課題の対処は。

「練習の中でコミュニケーションをとっていい準備をするだけ。ただ、今週も準備の段階で悪かったかといえばそうではないし、試合を重ねるにつれてコンビネーションの部分はあるし、それを少しずつ積み重ねればいいと思う」

──自分たちのラグビーができなかったにしても勝ち切れた。良かった点は?

「セットプレーが安定していた。バックスとしてはフォワードに助けられた」

東京サントリーサンゴリアス
垣永真之介選手

──自分たちの良さが出せたという部分は。

「しっかり守り抜いたことは評価できる。結果を見てもPG1本だし、取られるチャンスもあったがノートライに抑えられたのはよかった」

──きょう出た課題の改善点は。

「ミスや相手陣に入ったら取り切るところはチームとしてしっかりやっていきたい」

──セットプレーが安定していたのでバックスが助けられたということだが、手ごたえは。

「いい場面でペナルティーを取れた部分もあり、取られた部分もあった。もっと強みにできるようにしたい」

──監督の58歳の誕生日。チームのみんなは知っていたか。

「試合後みんなでお祝いした」

──開幕5連勝だが、チームの雰囲気は。

「チームの雰囲気は非常にいい。先を見ずに目の前の相手を倒すためにチーム一丸になっている雰囲気はとても良い」

NTTドコモレッドハリケーンズ大阪のヨハン・アッカーマン ヘッドコーチ(右)、フランコ・マレー ゲームキャプテン

NTTドコモレッドハリケーンズ大阪
ヨハン・アッカーマン ヘッドコーチ

「残念な結果ではあったが、チームの戦いを誇らしく思う。スタートは良かったがディフェンスのエラーにより2本のトライを取られた。チャンスを作っていて、ボールのつながりなどパスが一つつながっていたら状況が変わっていたと思う。ハーフタイムで17-3で折り返した前半で見せられたチームの色をしっかり出してファイトしていこうと伝えた。その結果後半は5-0で抑えたがチャンスをものにできなかったのが残念だった。スクラムのペナルティーに関しては、何点か疑問に思うところがあった。我々が取られて相手が取られていなかったところもあり、残念ながらレフリーの解釈によって我々がスクラムからモメンタムを作ることができなかった場面があった。しかし選手たちの戦いを誇らしく思える内容だった」

──昨年シーズンはスタートがよくいい形でシーズンに入っていけたが、今シーズンは5試合で勝ち点も取れていない状況だが違いは。

「一つ挙げられるのは大幅に選手が変わったこと。今季のメンバーからいくとリーダーが不足している。昨シーズンは経験値の高いリーダー陣にチームを引っ張ってもらった。今季に入って、佐藤太朗、ヴィンピー・ファンデルヴァルト、ローレンス・エラスマス、エルトン・ヤンチースらがケガで離脱してしまったので、今は新しいリーダーたちでチームをけん引してもらっているのが昨シーズンとの違い。新しいリーダーとしてフランコは、毎週毎週体を張ってチームを引っ張りいい仕事をしている。バックスでケガ人が出て、コンビネーションを合わせることができないのが現状。パフォーマンスに関しては、一貫して安定したパフォーマンスができていない。アタックがよかったとしてもディフェンスがよくなかったり、ディフェンスがよくてもアタックがよくない、一つ一つの状況判断がずれている、セットプレーがうまくいっていない。80分間全面で安定したパフォーマンスができていない。
昨シーズンのパフォーマンスがよかったという評価だが、2試合は最後の最後でいい判断をして何とか勝ち取った勝利だった。もしそこで判断を誤っていたらその試合に勝てていなかったので、そこまでいいシーズンだったとは言えなかった。一つ一つの判断で大きくゲームが変わっていたところがあった。そこがいい風に転がって勝利を手に入れていたから自信をつけることができていた。今シーズンは5試合を重ねてまだ勝てていないが、自分たちがやっていることを信じてやり続けるしかない。他チームも強く、成長しているので我々もしっかりそこで戦えるように取り組まないといけない。レベルが上がるからこそ細かいミスは許されないと思っている」

──いい時間帯があったが取り切れない原因は。何が変われば取り切れるか。

「キャッチやパス、接点に持ち込んだ時にボールをこぼしたり、パスすべきところをパスしなかったり、持ち込むべきところをパスしてしまうなど、プレッシャーのかかった中での判断力だと思う。チャンスは作れているがいい判断ができないとフィニッシュまで持っていけない。嗅覚が足りていない。昨シーズンも1本2本のトライで勝利をつかめたが、大事な絶対取らないといけない場面で、(昨年の)キヤノン戦は一人の選手がTJ(ペレナラ)にパスしてトム・マーシャルにつながってトライが取れたが、マジックのようなトライだった。そこまで持っていく力はあるが、仕上げまで持っていけていないのが現状で、原因は冒頭で述べた通りだ。セレクションのところもケガ人や大きなケガでなくても不調を抱えていたりして安定したメンバーをそろえることができていない。新しいコンビネーションになってしまうのも要因。セットプレーが安定せず昨シーズンに比べてパーセンテージも落ちているので修正していかなければならない。トップレベルで戦うためにはセットプレーが安定しないと常に後手になってしまうと感じている」

──ケガ人の復帰の見込みは。

「名前を挙げることはできないがすぐに復帰できる選手もいれば、今シーズンは無理な選手もいる」

NTTドコモレッドハリケーンズ大阪
フランコ・マレー ゲームキャプテン

「前回の試合から大きくステップアップが図れたと思う。80分間しっかりと戦い続けることができ、チームの良い個性を出すことができた。フィニッシュまでもっていけないところにいら立ちを感じた。特に後半の序盤は大きなプレッシャーをかけてチャンスを作っていながら得点につなげることができなかった。スクラムに関しても非常にフラストレーションをかかえていた。ラインアウトも精度が高くなかった。セットプレーで安定したボールを供給できないとチーム全体を前に持っていけないということが自覚された。しかしチームのいい個性を出せたし、いい課題も出てきたので今後取り組んでいきたい」

NTTドコモレッドハリケーンズ大阪
安田司選手

──チーム全体としてセットプレーが安定していないが、ラインアウトの改善点は。

「準備してきたことはやったが、サインを読まれてき始めたときに修正できなかった。修正力がきょうの課題」

──次節に向けて具体的なポイントは。

「細かい部分で、すぐ置く、次の意思統一など基本的なところがうまくできておらずミスにつながっていることが多かった。そういった細かいところから修正して次の試合に向け準備していきたい」

──22mライン付近まで持っていっても最後の一歩が乗り越えられないというところでチームとしてできる部分、足りない部分で感じるところは。

「前半同じところでミスし、後半のチャンスでも同じサインをしてしまった。前半で起きたミスを後半で修正できなかったのが反省点」

──勝てないままでのバイウイークだが、チームはどんな雰囲気で練習しているか。

「負けが続いている中で、サントリー戦は全員で準備してきた。前の試合までは準備してきたことがなかなか出せないことが多かったが、今回は自分たちがやってきたこと、準備してきたことが出せた。細かいミスやディテールができず、うまくかみ合わずスコアにつながらず敗因につながっていた。細かいところから修正していきたい」

──デビュー戦でブレイクダウンのところで何度もいいプレーが出ていたが、自分のプレーの出来はどう考えるか。

「サントリー戦に向けて、ブレイクダウンや自分の強みであるボールキャリーのところを全面的に出してこうとした。目標とするところは手ごたえがありよかったが、相手がミスしてマイボールになってからのアタックで自分が間違った判断をしてミスにつながってピンチを招いた時があった。強みが通用することがわかったのできょう出た反省点を次につなげていきたい」

──2本のいいジャッカルがあったが。

「前後半で1本ずつあった」

──ケガ人は多い状態でインパクトプレーヤーという存在になるための意気込みは。

「負けが続いており、スタンド見ていて試合に出られない悔しさや試合に負けている悔しさの両方を目の前にしていた。今回チャンスをもらって『絶対自分が行く』という強い気持ちで自分の強みを前面に出していこうと臨んだ」

──大阪出身だが、スタンドに家族とかは来ていたか。

「両親や高校時代の同級生が来てくれていた」

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