2022.03.18NTTリーグワン 2022 D1 第9節レポート(SA浦安 10-27 静岡BR)

NTTジャパンラグビー リーグワン2022 ディビジョン1(リーグ戦) 第9節 交流戦
2022年3月13日(日) 14:30 江東区夢の島競技場 (東京都)
 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安 10-27 静岡ブルーレヴズ

静岡ブルーレヴズの左から、堀川隆延監督、大戸裕矢キャプテン、鹿尾貫太選手

静岡ブルーレヴズ
堀川隆延監督

「今日のゲームの勝敗を分けたのは後半の自陣でのスクラムの攻防。伊藤選手がシンビンになったところで若い郭選手が入って、逆にスクラムペナルティをうちが取って、そこからゲームの流れがうちに来て、こういう結果になったと思います。伊藤平一郎はヤマハ時代からブルーレヴズのスクラムを支えてきた3番なんですけども、そのあと郭みたいな若い選手が入ってきて、自分たちのスクラムを支配する試合ができるようになったというのは本当にチームとしての成長を感じますし、今後も期待したいと思います。僕はコーチを始めて15年くらいになるんですけど、本当に不思議な感覚に襲われているというか、『こうなったらこうなるだろう』みたいな、これまでのセオリーを覆すような選手たちの判断力がすばらしく、選手を誇りに思いますし、僕自身まだまだ未熟だなと本当に考えさせられる試合でした。今日のこの勝利を自信に変えて、来週ホームで試合がありますけども、最高の準備をしてここから一歩一歩浮上していきたいと思います」

──さきほど、「こうなったらこうなるだろうということを覆す判断力が選手からみられた」と言っていましたが、具体的にどのあたりでそのように感じていましたでしょうか。

「後半ラスト10分10点差でまずはエリアを取ってディフェンスしていくということが我々コーチ陣のセオリーとしてあったんですけども、選手たちがそこを果敢に攻めて、トライまでつなげるという選手たちのフィールドにおける判断力というのが我々の想像を上回ったというところに関して言うと、本当に選手たちの判断が素晴らしかったと思いますし、僕はコーチとして学びを得たシーンだったと思います」

静岡ブルーレヴズ
大戸裕矢キャプテン

「今日はこのような状況の中で開催していただいて、本当にありがとうございます。たくさんのファンの方が来ていただいて、僕たちも試合をしていて楽しかったです。試合内容としてはお互いのスタイルが出たシーンがたくさんあって、観ている方もおもしろかったんじゃないかなと思います。そういった中で先ほど堀川監督からあったように、若い選手であったり、今までなかったようなプレーがたくさん出たので、確実にレベルアップしているなと感じています。特にディフェンスのところはかなりポジティブに捉えていますし、全然完成形じゃないですけど、まだまだ伸びしろがあると思うので、引き続きレベルアップしていって、来週の神戸さんを迎えうちたいと思います。来週ホーム戦なので、またしっかり良い準備をしてしっかり戦いたいと思います。本日はありがとうございました」

──最後逃げ切ろうとしているところでトライを取りに行った判断というのは?

「残り1分くらい、サム・グリーンの判断で。僕たちよりアタックマインドを持ちながら会話をずっとしていて、相手も真ん中のほうに寄って来ていたので、サム・グリーンがワイドのスペースを見てしっかり得点につなげたという感じ。バックスラインもしっかり準備していたと思いますし、いいアタックだったんじゃないかなと思います」

──スクラムのペナルティが続いた所で苦しかったと思いますが、そこでどのような声かけをしてペナルティを取り返したのでしょうか? また、フォワードの踏ん張りに対してバックスが耐えたところは、バックスの中でどのように意気を上げたのでしょうか?

「郭選手が入ってきたところですよね。郭選手はリーグワンがコロナからあけてずっと出ているので、彼も自信になっているところもあり、静岡ブルーレヴズの3番はスクラムをぶっちぎっていくというのが役割だと思うので、そんなに考えすぎないように、ただただまっすぐぶち抜けというのを言いました。そしたらやってくれました」

──スクラムの部分で郭選手が入る前、ペナルティトライにならなかったですけどペナルティが続いていて苦しい場面が続いていましたが、大戸選手はそこでどういう心境だったのでしょうか? フォワードとしてはかなりメンタル的にやられる場面だと思ったのですが。

「スキル的なことで言えば、ヒットして組めれば戦えるなという感触はあったんですけど、ヒットしてちょっとしたら落ちるという感じだったので、もちろん僕たちにも非があると思いますが、レフェリーとコミュニケーション取りながらもうちょっと経験と改善が必要かなと思いました」

──最後ペナルティトライの取り消しについて滑川レフリーからどういう説明を受けて、あのような感じになってどう思われましたか?

「ボールが入る前にペナルティになったので、投入される前に崩れたので、明らかな認定トライにはならない、という話でした。あそこはターニングポイントだったと思います。安心はしていないですけど、郭選手がプライドを持ってやってくれたので良い立て直しができたと思います」

静岡ブルーレヴズ
鹿尾貫太選手(プレーヤー・オブ・ザ・マッチ)

「今日の試合はディフェンスの所でプライドを持ってしっかり戦おうと試合前から決めていて、それが結果として繋がったのかなと思います。その中でディフェンスにプライドを持ったらブレイクダウンのところでもしっかり結果が出てきて、ターンオーバーも多く重なって、敵陣に多く攻め込むことができて、それがトライにつながり、今回の勝利に繋がったと思います。ディフェンスのところはまだまだ完成形じゃないですが、しっかりプライドを持ち続けて前に出て、相手をドミネイトし続けて、これからも勝利を重ねていきたいと思います」

──最後逃げ切ろうとしているところでトライを取りに行った判断というのは?

「いつでもアタックに行ける準備はしていましたし、その中で空いたら呼ぶというふうにしていたので、サムが行ってくれてサポートしてそれがトライに繋がったという感じです。良いマインドセットで臨めた結果がこのスコアに繋がったと思います」

──スクラムのペナルティが続いた所で苦しかったと思いますが、そこでどのような声かけをしてペナルティを取り返したのでしょうか? また、フォワードの踏ん張りに対してバックスが耐えたところは、バックスの中でどのように意気を上げたのでしょうか?

「バックスからはフォワードがこれだけがんばってくれたから、人数が少ないので、我慢するところは我慢して行くところは行こうと声をかけて、それが結果的にピンチを脱出してスコアに繋がったと思っています」

──前半攻めている時間が長く、3点だけ取って帰らなくてはならないという場面もあった。仕留めるという精度は現状ではどうですか?

「徐々に良くなってきていると思います。その中で仕留められるところは仕留めていますし、仕留められないところは改善しないといけないと思っているので、仕留めの部分は今後レベルアップするのでご期待ください」

──後半始まってすぐにトライを取られて、しかもシンビンが続いて少ない人数が続いていましたけど、それでも勝てたという勝因はなんだと思いますか?

「シンビンで人数が少なくても慌てず自分たちのレヴズスタイルをやり続けた結果が、勝因だと思います。もちろん慌てた場面もあったんですけど、リーダー陣含めみんなで声をかけて、ここは落ち着いて、まずはスコアされないように、と声をかけた結果、(失点は)シンビンがでた最初のワントライだけで済んで、大怪我にならずに自分たちのペースに持っていけました」

──今季初トライだと思うんですけど、これについて?

「今日はアタックで目立ってやろうと内心思っていて、いつもはディフェンスにフォーカスされていたので、今日はアタックでもオプションになろうと自分の中で決めていて、その結果がトライに繋がって自信にもなりますし、これから試合でもそこを出していこうと思います。みんなで取ったトライです(笑)」

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安の左から、ロブ・ペニー監督、ジミー・トゥポウ ゲームキャプテン、庵奥翔太選手

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安
ロブ・ペニー監督

「ブルーレヴズさん、勝利おめでとうございます。かなりクロースゲームでどちらに転んでもおかしくない試合だったと思います。最後の後半のペナルティトライの所で判断が覆り、その後青12番のイエローカードといった判定があり、試合が終わったという形になりました」

──防げるペナルティが増えてしまうことや、あともう少しでパスが繋がらないこと、それぞれ何が要因で起きていると感じますか?

「レフェリーの判定でペナルティカウントが増えていったというように感じている」

──良いアタックのできる時間を持つ一貫性をもつにはどうすればいいとお考えですか?

「基本的な判断の部分や、プレッシャーがあったときにスキルを遂行するといった能力などの基本的な部分が、常に一貫性を持ってできないといけない。私達は、局面的にできている部分もありますが、フィジカルの部分でゲインラインをいつも取りに行けるわけではないので、ゲインラインが切れているとき・切れていないときにどうやってボールをリサイクルしていくのか、すぐにボールを出して残りの選手がポジションを早く取ってアタックをし続けることによって、いずれは(相手の)ディフェンスが我慢できなくなってペナルティをしたりミスを犯すというということを待ち続けないといけない。それを一貫性を持って自分たちが忍耐強く遂行し続けるということが、今の所、自分たちに足りないことだと思います」

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安
ジミー・トゥポウ ゲームキャプテン

「重要な局面がいろいろあったんですけど、静岡さんは伝統的にフィジカルなチームとして知られていて、自分たちもフィジカルで負けていない戦いをできていたと思います。規律の部分でペナルティが増えすぎてしまうと勝てる試合も落としてしまう、と考えます」

──防げるペナルティが増えてしまうことや、あともう少しでパスが繋がらないこと、それぞれ何が要因で起きていると感じますか?

「ゲームの序盤でペナルティが重なってしまうとゲームの流れが掴みづらいので、自分たちとレフェリーとのルールの認識の相違をゲームを通して埋めていかなくてはいけないと思います」

──ペナルティトライの所はシャイニングアークスのペースで続いていたと思いますが、あれが覆ってしまったことで、動揺や心の揺れなど、チームにどういう影響が出てしまったのでしょうか?

「もちろん失望はしてはいたが、その後ペナルティで再開ということで、スコアまで持っていけるチャンスがあったのに、精度を欠くプレーでチャンスを無駄にしてしまった。ラグビーは計画通りに物事が運ぶものではない。その中でチャンスのときにどれだけ正確なプレーができるか、という点で自分たちはまだ課題として持っているということ」

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安
庵奥翔太選手

「二人のいったとおりですが、後半の入りの勢い、ああいう脅威のあるアタックができるというのが証明できているので、それを1試合通してどれだけあの脅威のあるアタックを見せられるのかというのが今後戦っていく上での課題です」

──スクラムを組んでプレッシャーをかけられる所とかける所が両方あったと思いますが、どのような感触を持っていましたでしょうか? また、齊藤選手が1番に代わって入ったあとスクラムを組んだ場面はどのように見えたでしょうか? 何かアドバイスはありましたでしょうか?

「自分たちがやってきたことを出したスクラムというのは良いスクラムを組めていた。自分たちがやってきたスクラムが組めていないときは相手にプレッシャーをかけられていたと思います。齊藤選手が代わるときに、十秒ぐらいしかなかったが短い時間で相手の特徴を伝えるようにしました。そういうコミュニケーションは大事にしていきたいと思います」

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