2022.04.19NTTリーグワン 2022 D1 第13節レポート(SA浦安 5-35 横浜E)

NTTジャパンラグビー リーグワン2022 ディビジョン1(リーグ戦) 第13節 カンファレンスA
2022年4月15日(金) 19:00 秩父宮ラグビー場 (東京都)
 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安 5-35 横浜キヤノンイーグルス

横浜キヤノンイーグルスの沢木敬介監督(右)、庭井祐輔ゲームキャプテン

横浜キヤノンイーグルス
沢木敬介監督

「結果的にしっかりボーナスポイントを取って勝ったのは、次のワイルドナイツ戦に向けてチームのいい勢いにつながると思う。ただ、前半が良かったスクラムが、後半であまり優位に立てなかった。まだまだ個々のパフォーマンスにしっかりこだわっていかないと。
(残りの3節で対戦する)ワイルドナイツ、スティーラーズ、グリーンロケッツの3チームに対してしっかりしたゲームをしないといけないと思っている。勝ったが次の課題を見つめて、来週から1週間準備をしたいと思う」

──具体的にはどんな部分を向上させていく?

「流れを自分たちに引き寄せる時に個人個人がスイッチオンしていかないといけない。インディビジュアルのプレーのクオリティ、アタック・ディフェンス両方勝てる選手になっていかないといけない」

──ディフェンスの評価と今日田村選手が1カ月ぶりに復帰していいパフォーマンスをしていた。田村選手について。

「優は先週しっかり練習できていた。最近は、ナイターは雨っていうのが決まっていて(笑)、雨の試合もゲームコントロールがうまくできていると思う。優は後半しっかりテリトリーのコントロールをしてくれた。ただもう少しタックルしないといけない。
ディフェンスは佐々木コーチが自分たちのフォーカスをクリアにして、いい準備ができていると思う。今日はシステムよりは個人個人のタックルの精度はまだまだこだわっていかないといけないと感じた」

──イーグルスの戦いがシーズン序盤より安定してきている。例えばスピアーズに一度大敗した後に勝てた。このへんが変わったのでより安定感がでているとか、勝利を重ねていられるとか、どのあたりの変化が大きいか教えてほしい。

「勇気をもってチャレンジする所が一番変わったと思う。前回のスピアーズの試合でも自分たちがやろうとしていることを相手のプレッシャーとか、ミスを恐れてチャレンジしない。それが一番のミスだと思うので、そういう所のマインドが変わってきたと思う」

──今季のワイルドナイツの率直な印象と、どういった所で具体的に対抗していきたいか?

「ワイルドナイツのディフェンスっていうのはリーグで1番守りが堅いと思う。そこをどうやって崩すかのイメージはある。来週1週間しっかり準備をして、ゲームで掛かってくるワイルドナイツのプレッシャーに負けずにしっかりチャレンジできたらと思う」

横浜キヤノンイーグルス
庭井祐輔ゲームキャプテン

「チームとしてやろうとしていたことがポイントとして押さえられた。我慢強くいこうとチームで話していた結果がスコアに現れたと思う。監督の言った通り個々のスキル、パフォーマンス含め、上げていかないといけない部分はあると思う。次のワイルドナイツ戦がすごく大事な試合だとチームとしてとらえているのでもう一つ成長していかないといけない。今日は勝ってよかったと思っているし、勝って反省できることはいいこと。次に向けてしっかり準備していきたい」

──モールがうまく押し込めることが多かったと思う。相手をどういう風に見立てていて、実際どういうところが良くて押し切れた?

「モールは自分達の一つの武器で、そこが通用するのは予想の範囲内。今日の試合でもモールで前に出られていた。ラインアウトのコーラーとも話して、このコンディションもあり多く使った。それがいい方向に転がってスコアも取れた。ただ、もっとクリアに押していかないといけないと思った。
(オブストラクションの場面では)個人的見解では相手選手がリフターを押しているのが先だと思った。チームとしてはあまり悲観していない。相手はいろいろしてくると思うのでそれにも対応していかないといけない」

──スクラムは前半押せていたが、後半押せなくなった。途中レフェリーと話していたがどのような変化があった?

「あまり大きな変化はなかった。相手が組む前の所でかけてきていたのと、組むというよりかは下に飛び込んでくるような組み方をしていたので、その部分をレフェリーと話した。そこを理解してもらうまで時間がかかり、最後まで修正できなかった。試合後もレフェリーと話したが『ちょっと見てみます』とのことだった。客観的に見てどうというのは自分でもわからない。そういう部分も試合中に対応していかないといけない」

──イーグルスの戦いがシーズン序盤より安定してきている。例えばスピアーズに一度大敗した後に勝てた。このへんが変わったのでより安定感がでているとか、勝利を重ねていられるとか、どのあたりの変化が大きいか教えてほしい。

「個人的にはスピアーズとの試合で大敗してしまった所から変わったかと思う。一つの要因としてはブレイクダウンの部分。すごく意識レベルも上がったし、しっかりやれば勝てるという認識をみんな持てたと思うので、変化した部分だと思う」

横浜キヤノンイーグルスの五十嵐優選手(左)、アマナキ・レレイ・マフィ選手

横浜キヤノンイーグルス
五十嵐優選手(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)

「フォワード戦になるというプランが元々あった。その中でスクラムとモールのプレッシャーを前半からかけていくことを言われていたので、そこにフォーカスして臨んだ。結果的に前半プレッシャーをかけてペナルティも取れたので、ゲームプラン通りに運べたと思う」

──プレイヤー・オブ・ザ・マッチ獲得は初めて? 率直な気持ちを教えてください。

「初めて。うれしかった。フォワードの誰かが選ばれたらいいなと思っていたので、本当によかった」

──身長171cm。対面が自分より大きなプロップが多いと思うが、小さな体でどういうスクラムで組んだら勝てるのか。

「相手がデカくて、自分のほうが低いので、低い所から持ち上げたりとか。フッカーの庭井選手も強いので味方を信じているし、あと後ろから押してくれるコリー選手もすごくいい押しをしてくれるので、チームとしてスクラムにフォーカスして今年取り組んできたので、チームの武器として出せて良かったと思う」

──普段は途中から出場することが多いと思うが、今日は先発で起用。どういうところを期待されていると理解して、どういう思いでピッチに立ったか。

「シャイニングアークスのスクラムは今リーグワンの中で一番強いという話をゲームプランでしていて、そこでやられたら今日のゲームは厳しいと話していた。自分はスクラムに自信をもっていて先発で使ってもらえたので、期待に応えるべく、自分の仕事をしようと思って先発に臨んだ。自分の強みはセットプレーなので、今日はそこの勝負だと沢木監督から言われていたので、そこだけにフォーカスして臨んだ」

──試合全体のディフェンスと、ディフェンスのブレイクダウンで五十嵐選手がいいジャッカルをする機会があったと思うが、そこの意識づけと実際やってみてどうだったか。

「味方がいいタックルをしてくれていた。あとブレイクダウンの寄りが自分たちのほうが早かったので、チャンスがあったら取りに行こうとしていた。雨なのでボールがスリップするので、ブレイクダウンがかけやすいかなと思い、チャレンジしてみた」

横浜キヤノンイーグルス
アマナキ・レレイ・マフィ選手

「チームメイトのプレーを誇りに思っている、特に五十嵐選手のプレー。今日の試合でチームは5ポイントを獲得したが、チームワークで獲得できた5ポイントだと思っている」

──後半のスタートでいいトライが取れた。あのトライはアドバンテージが出てからどういう判断で行ったのか、サインだったのか。

「あれはモールから始まったプレーだった。みんなが自分を犠牲して、いいモールを組んでくれたおかげでアドバンテージが出た。その後のプレーは準備していたサインプレー。みんなが頑張ってくれてお膳立てしてくれたおかげで、自分がいいプレーをしたように見えたが、それまでのプレーで関わったみんなで勝ち取ったトライだったと思う」

──次のワイルドナイツとの試合について、前回悔しい負け方をしたと思うが、どういう形で次の試合に挑む?

「パナソニックはチャンピオンチームなので我々にとっては大きなチャレンジになると思う。前回の試合結果が残っているが、全力を尽くして、一矢報いるような試合をしてしっかり勝ちたいと思っている。非常に楽しみにしている」

──試合全体のディフェンスと、ディフェンスのブレイクダウンで五十嵐選手がいいジャッカルをする機会があったと思うが、そこの意識づけと実際やってみてどうだったか。

「今週準備の段階でシャイニングアークスについて非常にディフェンスが強く、ブレイクダウンでもいいプレッシャーをかけてくるチームだと話していて、それと同じことをこちらからやろうと話していた。特にプロップの選手がジャッカルというのは素晴らしい。私もプロップの選手がブレイクダウンでボールに絡んでいるのを見るのが大好きなので、みんな頑張っていたが、ここ何週間かブレイクダウン周りでいい仕事をしているプロップの選手たちを誉めてあげてほしいと思う」

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安のロブ・ペニー監督(右)、シェーン・ゲイツ キャプテン

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安
ロブ・ペニー監督

「スタートがかなりスローでがっかりなゲームの立ち上がりだった。一貫性のないパフォーマンスが続いているシーズンの中、先週はワイルドナイツ相手にいいパフォーマンスができて、今週かなり期待をして挑んだ試合だったが、イーグルスがコンディションの中で効果的な試合をして結果、彼らのほうが上だった」

──アタックのラインアウトでスティールされることが多かったことや、アタックのブレイクダウンで絡まれたところをどう見ていた?

「ラインアウトの所は、コンテストはイーブンでスティールが両チームで起きている状況だった。レフェリーのところで一貫性がない部分がかなり影響したと思う。例えばシャイニングアークス側がラインを越えてコンテストをしに行くプレーヤーがペナルティである一方で、イーグルス側がラインを越えてコンテストしてくるのはプレイオンということで一貫性のなさを感じた。また、ジャッカルに関してもタックルされた選手は、ボールをリリースしなければいけないが、リリースをしているようには見えなかった。それに加えて、アレックス・マッケンジーのトライシーンの所はクリアにボールをおさえているように見えたが、トライがなくなり、逆に中島進護がラックの中に引っ張り込まれてその間にイーグルスがビッグトライを決めたり、そういった部分がかなり試合の流れに影響を与えたと思う」

──2月下旬以降、監督自身を含めて来シーズンの見通しが立ちづらい状況でゲームのマネジメントをしているかと思うが、どのようなことを意識して臨んでいる?

「再編にむけて内部でもかなりプレッシャーが掛かっている部分はある。そんな中で準備を進めていくのは簡単ではないし、決断を受け入れがたいのもある。自分は白髪も増えてきて年をとればこういうことも受け入れやすくなるが、チームのマネジメントスタッフや選手にはかなりきつい状況ではあると思う」

──先週からグレイグ・レイドロー選手がスタンドオフで出ている理由と飯沼選手のデビュー2戦目での評価は。

「レイドロー選手は汎用性の高い選手で9番10番両方経験が豊富な選手。先週は10番で先発起用して、今週はベンチで9番、10番どちらでもカバーできるというのが今週の彼の起用の理由。試合の状況でどちらのほうがインパクトを与えることができるかという理由を元に判断している。
飯沼選手は若く、才能のある選手だと思う。日本のラグビー界で長期的にいいインパクトを残していける選手だと信じている。今日はフォワードで負ける展開が多かったが、その中で彼自身はいいパフォーマンスを残していた。フォワードで負けていても9番としていいパフォーマンスを残すのは難しく、そういった部分が彼の良さを物語っていると思う」

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安
シェーン・ゲイツ キャプテン

「勢いをつけたかったが、勢いがチームにつかず、それ以外はロブ監督が話したことに100%同意します」

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安のオテレ・ブラック選手(左)、グレイグ・レイドロー選手

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安
グレイグ・レイドロー選手

「厳しい展開だった。序盤で自信を少し失って、イーグルスにペナルティを与え続けしまい、自分たちが勝つ可能性をつぶしてしまった」

──ペナルティから自分で速攻していた場面が多かったと思うがその狙いは? スコットランドの試合で雨には慣れていると思うが、どのように自分の経験とチームの戦術を合わせたか?

「シンプルにゲームのテンポを上げたかった。負けている展開の中でリズムを変えたいというのがあった。理想はタッチに蹴りだしてアタックをしたかったが、ラインアウトで苦しんでいた。そして負けている状況からリズムを変えたかった。
オテレが言ったように自分たちはコンディションにはうまく対応できなかった。イーグルスはキックをうまく使っていた。自分たちももっとキックゲームを展開してエリアを取りに行くべきだった」

──先週かなりいいゲームができて今週も準備を進めていたと思う。チームとしてシーズン通しての一貫性を持つためにはどうしたら良いと思うか。

「シーズンも深まってブラックラムズ戦にいい形で勝利して、ワイルドナイツ戦でいい形で試合を運べていいパフォーマンスができた。そういった中でこういった結果となった。一貫性を持つためには基礎的な部分を突き詰めてやっていく。例えば一つ一つのコンタクトで負けていたら、球出しも遅れてしまって、アタックリズムに入るのが難しい。どういった部分が自分たちに欠けていたのかを突き詰めて前に進むしかない」

──先週からルーキーの飯沼蓮選手が試合に出ている。彼のパフォーマンスやキャラクターについて。

「彼の一番のキャラクターの部分で突出しているのは競争心、勝つ意欲がすごく高い選手。そういったマインドをもった選手をこの先リクルートしていくことがチームとしてすごく重要。ただ単にラグビー能力だけではなく、性格の部分で勝つ意欲が誰にも負けないのが、もしかしたらラグビーの能力よりも大事かもしれない。もちろん彼はラグビーの能力が高いものをもっている。素晴らしい未来が待っている選手なので彼と一緒に働くことができて光栄」

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安
オテレ・ブラック選手

「グレイグが言ったことに同意する。あとは天候の中、自分たちのラグビーをうまく調節して効果的なラグビーができなかった。その点はイーグルスのほうがうまく天候に対応できていた」

──自分自身が蹴ったボールが相手の正面につくような場面があった。その後も蹴りに行こうとしてなかなかうまくいかなかった。どのように感じていた?

「キックは遂行力が重要。遂行していく上で、ボールがバウンドしてどちらがとるか分からないイーブンボールの部分で、クロスキックから相手のトライにつながってしまいアンラッキーだった。イーグルスのように、うまく地面にバウンドするようなボールをもっと蹴っていくことができれば良かったかもしれない」

──先週からルーキーの飯沼蓮選手が試合に出ている。彼のパフォーマンスやキャラクターについて。

「エキサイティングなプレーヤー。体は大きくないが、学ぶ姿勢も素晴らしいものがある。向上心があってグレイグにいつもアドバイスを聞きに行っている。練習中でもいい姿勢で取り組んでいる。この先残る数試合、そしてこの先数年かなり楽しみな選手」

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