九州電力キューデンヴォルテクス(D3)

「九州に一つ」ではなく「九州は一つ」。多くの人の思いを背に迎えるホスト開幕戦

シーズン初勝利を懸け、九州電力キューデンヴォルテクスがホスト開幕戦に臨む。舞台はベスト電器スタジアム、12月24日のクリスマスイブマッチだ。

シーズン開幕戦となったNTTドコモレッドハリケーンズ大阪戦は、ラストプレーで逆転トライを許すという悔し過ぎる敗戦となった。それでも、「勝利に値するだけの実力は見せることができた」とゼイン・ヒルトン ヘッドコーチが話したように、試合内容は充実したものだった。その確かな自信を胸にホストゲームで白星をつかむ。

今季の九州電力キューデンヴォルテクスには例年以上に強い思いがある。同じ福岡県に本拠地を構えていた宗像サニックスブルースが、昨季限りで活動を休止。これにより、九州電力キューデンヴォルテクスはジャパンラグビー リーグワンに参加する唯一の九州チームとなった。

「九州で一つの、リーグワンのチームとして九州のラグビーを支えて、盛り上げていくという使命も果たしながら、当然、勝ってみなさんに応援されるチームになっていかないといけない。そういう意味ではいろいろな覚悟を持って戦わなければいけない立場になった」

赤間勝監督がこのように話せば、キャプテンの高井迪郎もチーム内の決意を明かす。

「責任をかなり持つようになった。九州のラグビー発展のためには自分たちが頑張るしかない。自分たちがやるしかない。九州のラグビーファンの方々がうちに注目するしかない状況にあると思うので、それをポジティブにとらえようという話はしている」

クラブの応接室には宗像サニックスブルース、21年末で活動休止となったコカ・コーラレッドスパークスのジャージーが飾られている。九州のラグビー界に関わってきた人々の思いを背負って九州電力キューデンヴォルテクスは戦う。

「九州に一つ」はネガティブではない。九州電力キューデンヴォルテクスを旗頭に「九州は一つ」になって戦う。クリスマスイブ、そして、九州のラグビーを熱くする男たちの姿は必見だ。

(杉山文宣)

九州のラグビー界に関わってきた人々の思いを背負って

クリタウォーターガッシュ昭島(D3)

合宿最後のスクラムで涙。熱いチームを引っ張る若手キャプテン3人衆

クリタウォーターガッシュ昭島のシーズンが、いよいよスタートする。

12月24日、開幕戦の相手は、昨季の最終戦だった4位~6位順位決定戦の第3節で、24対36と敗れた九州電力キューデンヴォルテクス。会場はベスト電器スタジアムだ。ディビジョン3最下位からの巻き返しへ、はずみをつけたい今季初戦となる。

昭島の寒い夜、仕事を終えた選手たちは疲れを見せずにラインアウトやスクラムなど勝利のポイントとなる部分の細かい動きを確認。いい緊張感の中で調整は進んでいる。

ワイクリフ・パールー ヘッドコーチは「自分たちのランニングラグビーにフォーカスをしてプレーしたい」と、強い思いをもって開幕戦に臨む。勝利のカギとなるのは、フォワード陣のプレーだ。いかに相手にペナルティーを与えずに、自分たちのペースで試合を支配するか。「特定の選手ではなく、フォワード陣全員がキープレーヤー。彼らがハードワークできれば、思いどおりに試合を運べる」と、指揮官が選手たちに懸ける期待は大きい。

今季、クリタウォーターガッシュ昭島は石井洋介キャプテン、小山翔也クラブキャプテン、林田拓朗バイスキャプテンと、3人の若手キャプテンがチームを引っ張る。3人ともほぼ同世代であり、キャプテン同士のコミュニケーションも積極的に図っている。

開幕戦に向けて、石井キャプテンが「ランニングラグビーの確立を目指してきた。それを体現するシーズンにしたい」と話せば、「九州電力キューデンヴォルテクスはキックが多いチームなので、どれだけ自分たちのランニングラグビーができるかが、すごく重要になってくる」と林田バイスキャプテンも続いた。二人とも同じマインドをもって開幕戦に臨む。

また、「鹿児島キャンプの最終日、最後のスクラムはフォワード陣みんなで涙した」と語ったのは小山クラブキャプテン。スクラムに対する熱い思いを胸に開幕戦のピッチに向かう。スクラムに関しては「ほかのチームより思いは強い」と3人とも口をそろえているだけに、注目だ。

勝利するに越したことはない。ただ、負けても自分たちのラグビーは貫き通す。それぞれの『思い』を乗せて、最高の笑顔で開幕戦を飾る。

(匂坂俊之/Rugby Cafe)


石井洋介キャプテン



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