NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1(交流戦)第6節
2024年1月27日(土)14:10 ニッパツ三ツ沢球技場 (神奈川県)
横浜キヤノンイーグルス vs コベルコ神戸スティーラーズ
横浜キヤノンイーグルス(D1 カンファレンスB)
「ジェシーの真似ではなく、自分にできることを」。
“ラッキーボーイ”田畑は5連勝に導けるか
ホストゲーム連戦を戦う横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)は現在4連勝中。5連勝を目指す今節、立ちはだかる相手がコベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)だ。キックオフは1月27日(土)14:10。試合会場は「観客席と距離が近い」(田畑凌)ニッパツ三ツ沢球技場だ。
公式戦がなかった先週の1月20日、横浜Eからあるリリースが届いた。昨年、ラグビーワールドカップの連覇を経験した南アフリカ代表のファフ・デクラークとジェシー・クリエルがけがの治療ため、チームから一時的に離脱することが発表された。
目下4連勝中のチームに訪れた“試練”。それでもチームを離れることに心を痛めているはずのジェシー・クリエルは前向きだった。けがの治療のため母国に帰国する際、選手たちに日本語でこんなメッセージを投稿したという。
「横浜Eを一時的に離れることは残念だけど、いつもチームのことはサポートしている。できるだけ早く帰ってきます」
世界的名手からのメッセージが選手たちの琴線に触れた。ジェシー・クリエルと同じポジションであり、代わりに神戸S戦で13番を背負う田畑は「シーズン終盤、彼らが復帰したときに、良いチーム状態と良い順位で迎え入れたい」と力強く語った。
ファフ・デクラークとジェシー・クリエルの思いも背負って戦うチームメートたち。田畑はこう心に誓っている。
「僕にできなくてジェシー(・クリエル)にできることがあるように、ジェシーにできなくて、僕ができることはある。たとえばアタックでもディフェンスでも周りとコミュニケーションを取ってボールを動かすラグビーについては、僕のほうが体現できる自信もあります。確かに(ジェシー・)クリエルはランニングスキルが高いけれど、僕は周りを生かせるパスを出せると思っています。自分の良さを出して、チームの勝利に貢献したいです」
前節のリコーブラックラムズ東京戦での田畑は、リーグワン初先発という緊張の舞台に臨んだものの、初先発でトライも記録。イーグルスの“ラッキーボーイ”的存在が、チームを5連勝に導く。
(郡司聡)
コベルコ神戸スティーラーズ(D1 カンファレンスA)
サウマキ アマナキの“いま”を作るは、
沢木敬介監督との出会いとFWへの転向
コベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)は1月27日、ニッパツ三ツ沢球技場で横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)と対戦する。直近3連敗と勝ち星から遠ざかっているが、持ち前のアタックや粘り強さを随所に見せ、チームとして着実な前進を示している。今節は山中亮平が先発復帰し、小瀧尚弘、林真太郎、マイケル・リトルが今季初先発。自慢の攻撃的スタイルで勝利に挑む。
サウマキ アマナキが、6シーズン在籍した横浜Eとの思い入れある一戦に臨む。
「旧友がたくさんいますし、そういう選手たちと一緒にプレーできることはとても楽しみ。気持ちも昂っています」
今季は開幕から全試合に先発出場し、フォワードとして攻守に欠かせぬ存在感を示している。ただ、横浜E時代は必ずしも順風満帆な日々を送っていたわけではない。バックスでプレーした3シーズン目まで「練習試合でも満足のいくプレータイムを確保できなかった」と難しい時期を過ごしたという。そんな彼の転機は翌シーズンのことだった。
「沢木(敬介)監督から『フォワードをやってみないか』と。そこから徐々に試合に出るようになって、最終的には公式戦にも出られるようになっていました。(出身地の)トンガではどちらかというとフォワードをやっていました。フォワードのほうがボールも扱えるし、コンタクトもできるし、プレーに絡むことができるので、フォワードになれて良かったと思います」
昨秋には日本代表のフォワードとしてラグビーワールドカップ2023フランス大会に出場するなど、一気に活躍の場を広げている26歳は、「自分のことをちゃんと見ていてくれて、こういう能力や素質がある、というのを見抜いてくれていた」と、きっかけを与えてくれた沢木監督に感謝。横浜E時代は自身のキャリアにとってとても大切な時間だったようだ。
フェードカットした凛々しさ抜群のヘアスタイルで登場した25日、取材中の彼に近づいたチーム最年長の山下裕史は「髪型、かっこいいね」と絶賛。照れたような笑顔を見せた今節の6番は神戸S加入2シーズン目、試合で中心的な活躍を見せると同時に、愛されキャラとしても大活躍中だ。
「神戸のためにしっかりプレーして勝ちにいく。自分の仕事をするだけです」
進化する神戸Sのサウマキが、かつてのホームで最高のパフォーマンスを披露する。
(小野慶太)