2024.03.01NTTリーグワン2023-24 第8節 日野RD vs 中国RR-見どころ

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン3 第8節
2024年3月2日(土)13:00 AGFフィールド (東京都)
日野レッドドルフィンズ vs 中国電力レッドレグリオンズ

日野レッドドルフィンズ(D3)

アーリーエントリーから二人の若武者が
出陣。勇気あるチャレンジを見せられるか

メンバーについては「チームの勢いを失わないようアグレッシブにプレーする選手を選んだ」と日野レッドドルフィンズの苑田右二ヘッドコーチ

日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)は3月2日(土)、AGFフィールドで中国電力レッドレグリオンズ(以下、中国RR)と対戦する。中国RRとは第4節の試合が中止となったため、今季初の顔合わせとなる。

苑田右二ヘッドコーチはこの試合のメンバーについて、「3月は連戦も続くので、チームの勢いを失わないようアグレッシブにプレーする選手を選んだ」と初スタメンやアーリーエントリーの選手を積極的に起用する。さらに「中国RRさんは真面目に80分間ハードワークするチーム。われわれはそれ以上にディテールにこだわり、相手以上にハードワークして、自分たちのエキサイティングなラグビーを遂行していきたい」と言葉を続けた。

中でも注目は、アーリーエントリーで2月初旬にチームに合流したばかりの床田淳貴と玉木皓盛のイキのいいフォワード二人。今季の日野RDはリザーブを含めた全員がピッチに立つことも多く、二人がリーグワン初キャップとなる可能性は濃厚だ。

アーリーエントリーでリザーブから出場予定。右が玉木皓盛選手、左が床田淳貴選手

東海大学で活躍した玉木は「合流したらすぐ試合に出られるように準備はしてきた。チームのみんなの協力があってこそいまがある、と思っているので、できる限り100%以上のプレーを見せたい」と意気込む。「フッカーなので、スクラムでは中心となってコントロールする部分をぜひファンの方には見ていただきたい。フィールドでは特にディフェンスで泥臭くプレーして貢献したい」と熱く語った。

明治大学からアーリーエントリーで加わった床田淳貴も「いろいろな巡り合わせがあってファーストキャップがつかめると思っている。チャンスをいただいたので全力でアピールします」と気合いは十分。「硬くならずに、いつもどおりにプレーすれば結果は付いてくる。ハンドリングも自分の強みなのでそこもぜひファンの方に見ていただければ」とホストゲームでのリーグワンデビューを見据える。床田淳貴は先発メンバーに入っている兄・聖悟との同時出場の可能性がある。「実は過去にも同じジャージーを着て戦った経験はない」とのことで、リーグワンを舞台に初競演が実現するかにも注目したい。

「自分の強みを最大限に出して、ミスを恐れずに勇気を持ってチャレンジしてほしい」と苑田ヘッドコーチも若武者二人に大いに期待を寄せる。フレッシュな二人のプレーぶりに注目だ。

(関谷智紀)

中国電力レッドレグリオンズ(D3)

ヒーローは遅れてやってくる。
「主役になる」と誓った男の今季初先発

中国電力レッドレグリオンズの呉山聖道選手。「『主役になる』と言ったにもかかわらず、あまり試合に出られなかったので、後半戦はしっかりチームに貢献したい」

「今シーズンは僕が主役になる」。シーズン開幕前、呉山聖道は力強く宣言していた。

中国電力レッドレグリオンズはプレシーズンにけが人が続出し、練習や試合もままならない苦しい時期があった。そこでチームを救ったのが呉山だった。学生時代のキャプテン経験で培ったリーダーシップを発揮してチームをけん引。開幕直前のプレシーズンマッチでは、21年に加入した若手ながら初めてゲームキャプテンも務めた。

岩戸博和ヘッドコーチも「チームが一番つらい時期に呉山が中心になってやってくれて、一番頑張っていた。チームにエナジーをもたらしてくれるし、苦しいときでもブレないので信頼している」と期待を寄せている。

プレシーズンに評価を上げた呉山は開幕戦もスタメンの予定だったが、直前の練習で無念の負傷。当初は途中出場で試合に絡めていたが、先発の機会が巡ってきたときにはチーム内で新型コロナウイルス感染症が流行ったり、別の箇所を負傷したりと不運が続いて試合から遠ざかっていた。

「最初はすごく落ち込みました」と振り返るが、そこで挫ける25歳ではなかった。「シーズンは長いし、僕も選手としてまだまだ長いと思っているので、狭い視野ではなく長い目で見ると、これからだなと思えた」とポジティブに切り替え、「準備がすべて」という初心に立ち返って体の見直しや試合の分析に取り組んできた。

そして、今節の日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)戦でスタメン入りを果たした。中5日のビジターゲームで、相手は5試合無敗で首位を走る強敵だ。厳しい試合になるが、そんなときこそ呉山が輝く。

「日野RDはディビジョン3で頭が一つ二つ抜けているチーム。そこで僕の存在価値を示せたら自分の価値を上げられると思う。きつい時間のほうが多いと思うけど、そこで『頼れるのは僕だ』という思いでやりたい。チームのエナジーを上げられるように、タックルを突き刺します」

中国RRはシーズン前半戦の6試合を終えて最下位。中止になった第4節の日野RD戦を除く5試合は善戦したものの1勝のみ。後半戦で一つでも多くの勝利をつかむために呉山が再びチームを救う。若手ロックの決意は固い。

「『主役になる』と言ったにもかかわらず、あまり試合に出られなかったので、後半戦はしっかりチームに貢献したい。ヒーローは遅れて登場するって言うし、残りの6試合で自分のプレーを見せてやります」

中国RRがシーズン後半戦で巻き返すために。呉山は主役になる準備ができている。

(湊昂大)


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