2024.04.19NTTリーグワン2023-24 第14節 三重H vs BL東京-見どころ

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1(リーグ戦)第14節 カンファレンスA
2024年4月21日(日)12:10 三重交通G スポーツの杜 鈴鹿 (三重県)
三重ホンダヒート vs 東芝ブレイブルーパス東京

三重ホンダヒート(D1 カンファレンスA)

入替戦への出場が確定も、
明るい材料は頼もしいキャプテンの先発復帰

三重ホンダヒートは古田凌キャプテンが本格的に復帰。2月の男子15人制トレーニングスコッド福岡合宿参加も刺激に

三重ホンダヒート(以下、三重H)は、前節の東京サントリーサンゴリアス戦(以下、東京SG)に10対60で敗れて10位以下が確定。ディビジョン1残留をかけたD1/D2入替戦への出場が決まった。

しかし、明るい材料もあった。強力なリーダーシップでチームをけん引する、キャプテンの古田凌が約2カ月ぶりに先発復帰を果たしたのだ。

前々節の静岡ブルーレヴズ戦は、アクシデントがあり、前半8分に急遽出番が回ってきた。それでも、「(けがからの)復帰初戦だったので、後半に20〜30分くらいプレーする心づもりでしたが、イレギュラーで70分くらいプレーすることになりました。暑かったこともあり、なかなかハードでしたね。でも、そのおかげもあって東京SG戦ではアジリティーや試合勘が戻ってきました」と手ごたえを感じている。

古田はけがをする前の2月の中断期間、男子15人制トレーニングスコッド福岡合宿に参加した。招集の報は、1月20日の埼玉パナソニックワイルドナイツ戦後のロッカールームで坂本雄大主務からもたらされた。

「社会人になってから1回も招集されたことがなかったので、『本当に僕で合っていますか?』、『誰かと間違っていないですか?』と何度も聞き返しました。それくらいびっくりしました」

代表合宿では「アタックの部分では、具体的な選手名を挙げて『こういう選手を目指してほしい』と言われました。ディフェンスではボールを3秒止めて、相手の攻撃をスローダウンさせてほしい」というような微に入り細を穿つ指導を受けた。

「本当に多くのことを学べたので、参加してよかったです。戻ってきてすぐにけがをしてしまったのは残念でしたが、その間にほかの選手のプレーを見たり、チームを客観的に分析することができました。ここからまた、合宿で言われたことに取り組んでいきたいです」

リーグ戦は残り3試合。2023-24 D1/D2入替戦出場が決まったあと、チームメートとどんな話をしたのかと問うと、「実はその話はしていません。入替戦が決まったのは事実ですが、残り3試合は消化試合ではない。しっかりと東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)戦に焦点を当てて、一戦一戦成長していきたいと考えています」と戦い方を変えるつもりはないと強調する。

「BL東京はモールディフェンスが強いので、モールからトライを取りたいですね。いまの課題である、(試合の)入りの20分で相手を圧倒できるように、僕が体を張って、チームに良い姿を示していきたいです」

頼もしいキャプテンが帰ってきた。

(山田智子)

東芝ブレイブルーパス東京(D1 カンファレンスA)

真っすぐにグングンと成長する26歳
“異色のプロップ”がチームを勢い付ける

「バックスからフォワードに移るのは信じられないぐらいにタフでハード」だという東芝ブレイブルーパス東京のタウファ・ラトゥ選手

東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)は4月21日、三重交通G スポーツの杜 鈴鹿で三重ホンダヒート(以下、三重H)と対戦する。

前節のコベルコ神戸スティーラーズ戦でプレーオフトーナメント進出を決めたBL東京。今節は負傷離脱していたリーチ マイケルが第7節の横浜キヤノンイーグルス戦以来のメンバー入りを果たした。スタンドオフの中尾隼太は今季初出場となる。

ここまで11勝1敗1分けと好成績を残しているBL東京の躍進は、原田衛バイスキャプテンを中心としたフォワード第1列の奮闘にも支えられている。レベルの高いポジション争いの中で、三重H戦の3番を背負うのはセンターから転向した“異色のプロップ”であるタウファ・ラトゥだ。

トンガ出身のタウファ・ラトゥは白鴎大学、社会人クラブチームの宇都宮ヴォルツを経て2022年8月にBL東京に加入し、本格的にプロップに挑戦すると、昨季は12試合に出場、今季も11試合に出場と驚異のスピードで成長している。

「学ぶことはたくさんあります。バックスからフォワードに移るのは信じられないぐらいにタフでハードなのですが、自分に対するチームの期待は接点で勝つことだと思うので、いつもコリジョン(衝突)、接点の勝負を大事にしています。(グラウンド外でも)栄養面やストレッチなど、自分のベストを尽くして準備しています」

経験を積むことが必要なスクラムにおいても、手ごたえを感じている。

「スクラムは上達しています。チームには素晴らしい選手がそろっているので、うまくいかないことがあれば聞いて、助けてもらうようにしています」

今節の三重H戦に向けては、「相手も大きな選手がいて、『フォワードから戦う』というマインドを持っているチーム。自分たちも接点で負けないようにやっていきます」と真っ向勝負を誓ったタウファ・ラトゥ。真っすぐに、グングンと成長する26歳が、激しく前に出ることでチームを勢い付ける。

(安実剛士)


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