2024.04.20NTTリーグワン2023-24 第14節 花園L vs BR東京-見どころ

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1(リーグ戦)第14節 カンファレンスB
2024年4月21日(日)14:30 東大阪市花園ラグビー場 (大阪府)
花園近鉄ライナーズ vs リコーブラックラムズ東京

花園近鉄ライナーズ(D1 カンファレンスB)

あの“痛恨”は忘れない。
“何かを起こす男”が初勝利に導く

花園近鉄ライナーズのセル ホゼ選手。セブンズ日本代表として東京オリンピックにも出場した

花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)が、4月21日のディビジョン1第14節でリコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)を迎え撃つ。

入替戦回避の可能性が残るBR東京には順位でも勝利の数でも劣る花園Lだが、得点数とトライ数ではわずかながら優位に立つ。

前節は横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)相手に33対52で敗れたものの、チームにとっては今季の最多得点数。向井昭吾ヘッドコーチも「昨季のトップ4に対してあれだけの試合ができたことは自信を持っていい」と前向きだ。

未だ勝利がない花園Lだが、日本国籍を取得したフィジー生まれのナンバーエイトが、成長中のチームを支えている。26回のオフロードパスを成功させ、リーグ3位に食い込んでいるセル ホゼである。

197cm、112kgの巨躯でピッチを駆けるセルの右腕にはカタカナで妻と3人の子供の名前がタトゥーとして刻まれている。取材対応中、セルが「これを見てよ」と言わんばかりに自ら右手首のテーピングを外し、誇らしげに示したのが『TOKYO 2020』の文字とオリンピックシンボルだった。

2020年に日本国籍を取得し、2021年の東京五輪ではセブンズ(7人制ラグビー)日本代表としてプレー。フィジー生まれの選手らしい豪快なオフロードパスは、持って生まれたフィジカルの強さだけでなく、「15人制のラグビーに移るまでは、何年もセブンズでやっていました。スキルが上がったのはその経験ゆえです」と胸を張る。

「強いチームや世界的に有名な選手を相手にチャレンジすることには面白みを感じます」。そんな言葉にリアリティーをもたせるのが、今季奪った4つのトライの内訳だ。第7節・クボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦に続いて、東芝ブレイブルーパス東京を一時追い詰めた第8節でも2トライ。そして前節の横浜E戦でも1トライを記録した。

ただ、そんなセルが悔やむ一戦がある。1点差で競り負けた第10節・三重ホンダヒート戦の後半24分、ウィル・ゲニアの同点トライをお膳立てしたかに見えたが、右サイドを駆け上がったセルの足がタッチラインを踏んでいたとして、痛恨のトライ取り消しとなったのだ。

「エッジのスペースは少ないので難しいところでもあります。ただ、仲間をがっかりさせてしまいました」と悔しさを隠さないセルだが、「彼にボールが回ればトライできる可能性がある。ウチの武器です」と向井ヘッドコーチからの信頼は揺るがない。

今季のビジターゲームでは41対14で敗れているBR東京を相手に「今回は違った試合になりますよ。リベンジします」(セル)と意気込む。

花園Lが今季初勝利を手繰り寄せたとき、必ずセルの輝きがあるはずだ。

(下薗昌記)

リコーブラックラムズ東京(D1 カンファレンスB)

花園に集う“マイキーファン”へ。
いまを全力で楽しむ姿を見せる

チームの誰よりも大きな声を出し、スクラムではフロントローの背中を叩きながら鼓舞するというリコーブラックラムズ東京のマイケル・ストーバーグ選手

リコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)は第14節、東大阪市花園ラグビー場で花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)と対戦する。

「知っている人たちと対戦するのは、いつも変な感覚」と率直な思いを口にしたのは、マイケル・ストーバーグ。2016年から2021年まで在籍した思い入れ深き古巣との対戦を心待ちにしていた。

「近鉄ライナーズ(当時)時代は花園ラグビー場の近くに住んで、自転車で通っていました。5年ほど過ごした場所なので、家に帰るような感覚でもあります」

BR東京にやってきて、早くも3年目のシーズンの最終盤。いまでは、ブラックラムズファミリーが「僕のすべて」になった。

「プレシーズン中に『なぜラグビーをするのか』をみんなで話し合ったんです。僕にとっては友情が大事。だからこそ、常に楽しんでラグビーができていますし、いまが一番、楽しめています。3年間なかなか結果を出すことはできていませんが、仲間と戦えることが本当に楽しいです」

チームの誰よりも大きな声を出すマイケル・ストーバーグ。スクラムではフロントローの背中を叩きながら鼓舞し、気持ちのギアを一段階上げる役目を担っている。

「僕にとっては自然なこと。無意識にやっていることもあります」と笑うが、その姿勢は幼きころから変わらない。「常に周りと会話をするように」という父の教えを、32歳になったいまでも忠実に守る。

若手も増えた近頃、練習の合間には通訳を交えながら、ごく小さな輪の中で細かくコミュニケーションを取ることが増えた。前節・埼玉パナソニックワイルドナイツ戦で初先発・初フル出場を果たした同ポジションのルーキー・山本嶺二郎からは“学びたい欲”を感じ取る。

「質問もするし、話も聞く。すぐ行動に移す姿も見てとれます。今後のキャリアが楽しみです」

兄貴分として、そう後輩の成長を見つめる。

花園ラグビー場には、多くの“マイキーファン”が集うことだろう。

「本当に楽しみです。しっかりと勝って、残り2戦に向けていい流れを作れるような試合にしたいと思います」

自身初の凱旋試合は4月21日(日)14時30分にキックオフを迎える。

(原田友莉子)

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