2024.12.30NTTリーグワン2024-25 D3 第2節レポート(WG昭島 16-29 L戸田)

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン3 第2節
2024年12月28日(土)12:00 厚木市荻野運動公園競技場 (神奈川県)
クリタウォーターガッシュ昭島 16-29 ヤクルトレビンズ戸田

初参入クラブが開幕2連勝で“ゼッコー腸”。加入発表4日後の選手も活躍

12月24日に入団が発表されたばかり、ヤクルトレビンズ戸田のジェームス・タッカー選手。ポジションはロック

クリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)が、ヤクルトレビンズ戸田(以下、L戸田)を厚木市荻野運動公園陸上競技場に迎えた一戦は、後半に入って一気に勢いを付けたL戸田が29対16で勝利し、開幕2連勝を飾った。WG昭島は新規参入の2チームに敗れて開幕2連敗と、苦しいスタートとなった。

この試合でリーグワン初キャップを得たのが、L戸田のジェームス・タッカーだ。12月24日に入団が発表されて、わずか4日後の公式戦出場となったが、197cm・112kgのビッグサイズを生かしたプレーで勝利に大きく貢献。河野嵩史ヘッドコーチも、「コンタクトエリアでどんどん前に出てくれたのは大きい。まだチームに合流して日が浅く、すべてを理解しているわけではない中で、いい働きをしてくれたと思います」と評価した。

ニュージーランド出身の30歳。2018-19シーズンには東芝ブレイブルーパス(当時)に所属した。再び日本でプレーする道を選んだ理由を尋ねると、「日本に住んでみたいという家族の希望もあったし、東芝でプレーしたときのようにまた日本でラグビーをしたかった」。L戸田の一員としての初キャップには、「フィジカルで速いラグビーで、すごく楽しかった。ボールキャリーは良かった。ディフェンスもハードワークできた」と、満面の笑顔。その一方で、早くもチームの課題に目を向ける。

「フォワードのプレーはすべてのところで、改善できると思います。モールでいうと最初のインパクトの部分はもう少し強くできるかな。あとは、今日もトライするチャンスがたくさんあったのに、そこを逃してしまった。今後はどうやってトライにつなげていくのか、チームで話していきたいです」

ラインアウトからのモールでトライ──。得意のアタックの形が見えてきたチームに、頼もしいビッグマンも加わって、次節は待ちに待ったホストゲーム開幕戦。勢いに乗る“ゼッコー腸”のヤクルトマンたちが狙うのは、もちろん開幕3連勝だ。

(匂坂俊之/Rugby Cafe)

クリタウォーターガッシュ昭島

クリタウォーターガッシュ昭島のワイクリフ・パールー ヘッドコーチ(左)、中尾泰星キャプテン

クリタウォーターガッシュ昭島
ワイクリフ・パールー ヘッドコーチ

「残念な試合でした。ターンオーバーで再び苦しんだ試合でした。試合の中で自分たちがプレッシャーを掛け続けることが足りなかったと考えています。開幕戦と同じように自分たちのチャンスをつかみ切れませんでした」

──リーグワン初トライの細元亮選手の評価を教えていただけますか。

「細元は若くてポジティブな選手です。若い選手特有の、ミスを恐れずにプレーしている姿が見られました。考え過ぎずに、自由にプレーできているときが、選手は一番輝きます。(杉山)祐太が抜けていったシーンなどを見て、ただラグビーを楽しむというか、もっとゲームを楽しむことが大切だと思いました」

──けが人が多い中でも勝っていくために必要なことは何でしょうか。

「言い訳はしたくありません。どういった状況でもベストなパフォーマンスをするという気持ちが必要です。今日プレーした選手には、単純にそこが足りなかったです」

──次節のマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)戦に向けて。

「相手ではなく、自分たちにフォーカスすることが大事だと思います。正直に話をして、みんなが同じ方向を向いているかどうか話していきたいです」

クリタウォーターガッシュ昭島
中尾泰星キャプテン

「今日の試合はアタックを継続しようということで試合に臨みましたが、継続したところでノックオンしたり、ボールが出てこなかったりと、ミスが多かったです。そこでヤクルトレビンズ戸田にプレッシャーを掛けられて、自分たちが慌ててしまいました。最後のほうも我慢し切れず、ペナルティが多くなって規律も乱れてしまい、このような結果になってしまいました」

──次節・SA広島戦に向けて。

「開幕2連敗で始まってしまいましたが、これはもう変えられません。『ここから自分たちにフォーカスして、ここからの試合を全部勝ちにいくぞ』とチームメートには伝えました。ディビジョン3で優勝するという目標を掲げている中で、もう負けられないという強い気持ちを持って臨みたいです」

ヤクルトレビンズ戸田

ヤクルトレビンズ戸田の河野嵩史ヘッドコーチ(左)、多田潤平 共同キャプテン

ヤクルトレビンズ戸田
河野嵩史ヘッドコーチ

「まずは、いい環境で試合ができたことに感謝しています。試合に関してですが、コンタクトエリアでどれだけ勝っていくかを重視して、今日の試合に臨みました。出場したすべての選手が80分間、それを実現でき、ハードワークができたことが勝利につながりました」

──前半はけが人が多く出たが、その中でも戦い抜けた要因は何でしょうか。

「交代はイレギュラーでしたが、ある程度予想はしていました。今までもそういった中で戦ってきたチームなので、そこまでメンタルに影響がなく戦えたのが良かったと思います」

──次節はホストゲームの開幕戦となります。どのような試合にしたいですか。

「多くのファンの皆さまが駆け付けてくださると思うので、よりエキサイティングなゲームができるように準備します」

ヤクルトレビンズ戸田
多田潤平 共同キャプテン

「前半はタイトなゲームになるということを、選手全員が理解して試合に臨みましたが、予想どおりの展開でした。後半は得点できるエリアに入ったときに、自信を持って攻められたのがトライにつながったと思います。次に向けて、さらに上のレベルでチャレンジできると実感した試合でした」

──気持ちの部分で、相手よりも勝っているように見えました。

「一番は、ラグビーが好きで集まってきている選手が多い、ということですね。仕事もしながらの厳しい環境ですが、それでもこのチームで勝ちたいという気持ちが前面に出たのかなと思います」

──開幕2連勝です。その中でも改善点はありますか。

「前半からペナルティが多く、クリタウォーターガッシュ昭島のほうにもフラストレーションが溜まる試合になってしまって申し訳ない気持ちがあります。そういったところを改善して、規律のいいディフェンスを継続していきたいです」

──次節はホストゲーム開幕戦です。どのような試合にしたいですか。

「2連勝でチームとしては波に乗っていると思いますが、常にチャレンジャーという気持ちをもってプレーしたいです」

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