2025.05.28[花園L]「華やかでなくてもいい。泥臭くいく」。花園Lを背負ってきた男ならではの覚悟

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
D1/D2入替戦[D1 11位 vs D2 2位]第2戦
2025年5月30日(金)19:00 三重交通G スポーツの杜 鈴鹿 (三重県)
三重ホンダヒート vs 花園近鉄ライナーズ

花園近鉄ライナーズ(D2)

第1戦ではリザーブからの出場だったが、今週末の第2戦では7番で先発する花園近鉄ライナーズの野中翔平選手

試合終了間際に痛恨の逆転を許し、D1/D2入替戦の第1戦を落とした花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)が運命の第2戦に挑む。三重ホンダヒート(以下、三重H)戦で求められるのは5点差以上の勝利だが、チームの立ち位置をクウェイド・クーパーはこう言い切った。

「負けは負けですが、(入替戦の)結果が出たわけじゃない。負けではなく、ハーフタイムだと捉えています」

引き分けも許されない崖っぷちの状況ではあるが、アキラ・イオアネがナンバーエイトで先発に復帰。そして、精神的支柱の一人である野中翔平も先発に返り咲いた。

昨季のD1/D2入替戦をチームキャプテンとして戦い、無念の降格を味わった野中だが、「十字架を背負っている悲劇のヒーローみたいなのは好きじゃないんです」と、過去には目を向けようとしなかった。

ただ、ラグビー選手として限られた時間の一部をディビジョン2で戦う悔しさはいまもかみ締めている。

「できるならいますぐにでもD1でプレーしたいし、若手にもできるだけ長くD1でプレーしてもらいたい、願わくば、D2の経験はしてほしくないですから」

戦うカテゴリーを軽視しているわけではないが、古豪でもある花園Lでキャプテンを務めた男ならではの本音である。

敵地で行われる第2戦も雨中でのゲームが予想される。向井昭吾ヘッドコーチは勝敗のポイントをこう話した。「第1戦は相手よりもペナルティが多かったので、そこを相手よりも少なくできれば結果は出ると思います」。

野中に託されるのは、規律を背中で示すことである。「チームが厳しいときに声を掛けられる選手です。ディフェンスの規律を守り、ブレイクダウンで激しくいくことを彼には期待しています」(向井ヘッドコーチ)。

結果的に競り負けたものの、第1戦では三重Hに対して互角以上に渡り合う時間帯が多かった花園L。昨季のD1/D2入替戦で敗れ、降格した直後のミックスゾーンではチームに対してあえて苦言も呈した野中だが「まだ成長の余白はありますけど、積み上がってきていると思います」とこの1年間の戦いぶりに手ごたえも口にする。

泣いても笑っても今季最後の大一番。気負いも焦りもない野中だが「ウチにはすごい選手がいっぱいいます。僕は華やかでなくてもいいので、泥臭くいきます」。

“向井ライナーズ”が大団円を迎えるときがやってきた。

(下薗昌記)

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