NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第14節(リーグ戦)カンファレンスA
2026年4月5日(日)13:00 大和ハウス プレミストドーム (北海道)
東芝ブレイブルーパス東京 40-24 浦安D-Rocks
1cmでも前へ。愚直な前進を貫いた先にあった、8試合ぶりの勝利
左プロップとしてスクラム、モールを支え続けた東芝ブレイブルーパス東京の小鍜治悠太選手東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)は4月5日(日)、大和ハウス プレミストドームで浦安D-Rocks(以下、浦安DR)を40対24で破り、連敗を7で止めた。
試合終了のホイッスルが鳴り、悪夢の連敗が止まると、リッチー・モウンガは一瞬、グラウンドに大の字になり、リーチ マイケルは片ひざをついた。1月24日(土)以来の勝利を、選手たちは静かにかみしめた。
試合が終わり片ひざをつく、リーチ マイケル キャプテンこの日のBL東京はスクラム、ラインアウトモールでじりじりと、我慢強く前に出た。1mでも、1cmでも前へ──。赤いジャージーの塊が前進する度に歓声は大きくなり、8人のフォワードは体を張って相手に圧力を掛け続けた。
右プロップとして先発出場した小鍜治悠太は、8試合ぶりの勝利に「やっと自分たちのやりたいことができたかなと思います」と振り返った。
結果が出なかった期間も黙々と努力を続けた小鍜治は、じっくりと考えながら言葉を紡ぐ。
「連敗していた時期も常にやろうとしていたことがあって、そこを意識していたのですが、結果が出ませんでした。今日は相手どうこうではなく、自分たちのやりたいことをしっかり体現することができました」
接点を制することで連覇を果たした王者は今季、セットピースに苦しんできた。
「詳細は言えませんが、自分の中でもチームの中でも正さないといけないことがありました。そこを毎試合毎試合、スクラムだけではなくフィールドプレーも、少しずつ、ホンマに少しずつ、成長してきました。それが今日の結果につながったと思います」
勝利でプレーオフトーナメント進出圏内の6位を死守したが、これからも厳しい戦いは続く。小鍜治は「もちろん優勝したいです」と屈託なく笑ったあとに、表情を引き締めた。
「これまでと一緒で、目の前の一戦一戦をどれだけ本気で戦っていくかが大事だと思うので、あまり先を見ず、目の前のものをつかんでいきたいと思います」
3連覇という大きな目標を追いつつ、重要になるのは目の前の一日、一瞬をどう過ごすか。小鍛冶はスクラム、モールと同じように、どっしりと地に足を着け、一歩一歩、前に進んでいく。
(安実剛士)
東芝ブレイブルーパス東京
東芝ブレイブルーパス東京
トッド・ブラックアダー ヘッドコーチ
「北海道の地で試合ができて、地元のファンだけではなく、普段のファンも駆け付けてくださって、そのみなさんの前で勝利できたことをうれしく思います。リーチ(マイケル)をはじめとしたチーム全員の働きと、この1週間の準備を誇らしく思っています。
試合は序盤から良いスタートを切ることができて、プレッシャーを掛け続けようとしました。浦安D-Rocks(以下、浦安DR)さんも素晴らしいチームなので、逆にプレッシャーを掛けられることもありましたが、その中でもスクラムとラインアウトモールで主導権を握ることができ、自分たちを誇りに思えるパフォーマンスだったと思います。しばらく勝利から遠ざかっていたので、今日はみんなでしっかり喜びを分かち合いたいです」
──この勝利はチームにとって、ポジティブな変化になるのではないでしょうか?
「ラグビーというスポーツは、一人ひとりのキャラクターや、チームの性格、準備などが試されるスポーツだと思っています。なかなか勝利がなくても自分たちを見つめ続けて、自分たちから目をそらすことなく、プロセスを信頼してきました。その結果として勝利を得ることができて、自分たちの姿に戻れたことをうれしく思います。
この1週間は、週の最初から試合を見過ぎることなく、日々の練習に集中してきました。ただ、良い準備ができていても試合は簡単ではなく、連敗中のような局面もありましたが、最終的に勝利を収めることができました。試合後にみんなの笑顔を見ることできましたし、今後に向けた課題も浮かび上がってきたので、実りのある試合となりました」
東芝ブレイブルーパス東京
リーチ マイケル キャプテン
「札幌ドームで試合ができたことをうれしく思います。さまざまな方の協力があってのことなので、感謝しています。連敗を北海道で止めたことがうれしいですし、久しぶりにチームメートの笑顔を見ることができてホッとしています。バイウィーク(試合がない週)に入りますが、この勝利の勢いと、この1週間の準備をベースにして、次の三菱重工相模原ダイナボアーズ戦に向けてチームを作り上げていきたいと思います」
──リーグワンの札幌開催では最多の9,058人の観客が集いましたが、どのような印象ですか?
「去年より多いな……と感じていました。この試合を開催すると決まってから、いろいろな方々が宣伝などで協力してくれました。北海道で毎年試合ができるようにしたいと思っています。みなさんからの『リーチコール』はめちゃくちゃ力になります。大和ハウス プレミストドームはグラウンドも素晴らしいし、気温も安定していて風もないので、フラットな状態でラグビーだけの判断ができて良かったです」
──札幌山の手高校の後輩が見に来ていて、その中には甥のキャメロン選手もいましたが、いかがでしたか?
「僕はタックルしかできないので、タックルだけはすべて決めようと思っていました。常に誰かに見られていると思ってプレーしているのですが、今日は後輩たちがいたので、ちょっとだけ意識しました。 (キャメロン選手とは)昨日会って、彼の今後の目標を再確認しました。『もっとご飯を食べろ』と伝えました(笑)」
浦安D-Rocks
浦安D-Rocks
グラハム・ラウンツリー ヘッドコーチ
「勝利した東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)さんに『おめでとうございます』と伝えたいです。浦安DRとしても良いラグビーを見せた時間帯もありましたが、勝利には至りませんでした。今日、特筆すべきことはこの素晴らしい会場で試合ができたことです。こんなにも素晴らしい場所でプレーをしたことはなかったので、感謝しています。試合では自分たちのミスや規律の乱れから相手にトライを与えてしまい、チャンスを生かせなかったところがあったので修正したいと思っています」
──ゲインメーターでは相手を上回っていましたが、それでも試合に勝てなかったのはどのような問題点があったからでしょうか?
「コンタクトしたあとにゲインできたのはポジティブだと思います。課題はラストパスの精度やモールで最後まで押し切れるかどうか、といった点があります。また、キックで簡単に相手にボールを渡してしまったことも課題として残りました」
浦安D-Rocks
オテレ・ブラック選手
「自分たちは相手にプレッシャーを掛けることはできていました。勝てるチャンスを作りながらも、最後の20分で規律の乱れから流れを渡してしまったことが残念で仕方ありません。気のゆるみからソフトなトライを取られたこともあり、BL東京さんのような質の高いチームはそうしたところをうまく突いてくると思いました」
──大和ハウス プレミストドームで実際にプレーをしてみていかがでしたか?
「普段は野球をやっている場所だと思いますが、素晴らしいスタジアムだと思います。私も東京ドームに何度か行ったことがあるのですが、入ってみると似た感覚がありました。実際にプレーしてみても素晴らしいスタジアムだと感じましたし、ほかの選手たちも楽しんでプレーしていたと思います」



























