NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第11節
2026年4月5日(日)13:00 久留米総合スポーツセンター陸上競技場 (福岡県)
ルリーロ福岡 34-44 クリタウォーターガッシュ昭島
目指すのは最高峰のステージ。人との出会いによって導かれてきた「挑戦」のラグビー人生
12点リードされて迎えた後半のスタート、ルリーロ福岡(以下、LR福岡)はスクラムの最前列で体を張るフロントロー3人を総入れ替えした。当初からのプランどおり。途中出場した延田朋樹は負けん気の強さを前面に出し、フォワードに勢いをもたらした。
ただ、後半も前半同様、立ち上がりにトライを奪われる苦しい展開となった。延田は「何もする間もなく失点してしまいました。そこがチームとしての課題です。でも、フォワード、バックスに特長のある強い選手がいるし、一人ひとりにしっかりと役割があります。(フルタイムの仕事があるため)ほかのチームよりも合わせる時間は少ないですが、言い訳はできません。自分たちのラグビーを完璧に遂行することが大切だと思います」と力を込めた。
大阪府出身。中学では柔道部だったが、2年時にラグビー部顧問から見いだされ、転向した。高校卒業後は働こうと考えていた矢先、先生から「日常生活で褒められるのはグラウンドの中のことだろう。ラグビーを続けたほうがいい」と勧められ、大学進学を決意した。大学では「負けたくない」という一心で競技を続け、大学4年時に転機が訪れた。
大阪府警への就職を目指すか、釜石シーウェイブスRFC(当時)に加入するかの選択だった。延田にとって釜石シーウェイブスRFCは「挑戦」、大阪府警は「安定」だった。高校時代からお世話になったラグビー経験者の飲食店店長からの「高校、大学と逃げていたように見える。何がしたいのか。ラグビーをやりたいのではないか」という助言が胸に刺さり、挑戦する道を選んだ。
ポテンシャルだけでラグビーに取り組んできた延田にとって、釜石での3年間は厳しい日々だった。試合で最大限のパフォーマンスを発揮するための準備がどれだけ大切か。多くのことを先輩から学び、いまに生かしている。ニュージーランドとオーストラリアで計2年間、武者修行をしたあと、昨季からLR福岡に加入した。病院に併設された高齢者施設で働きながら、「ディビジョン1のチームに入る」という目標に向かい、真摯に取り組んでいる。
ファンには「ぜひスクラムに注目してください」と言う。重圧を掛け、相手がたまらずスクラムペナルティの判定を受け、レフリーの手が上がる。「その場面でもっと盛り上がってほしい。自分たちの仕事はそこなので」。チームのため、未来のため、忍耐強く相手を押し込む覚悟だ。
(坂本陽子)
ルリーロ福岡
ルリーロ福岡
豊田将万ヘッドコーチ
「本日はクリタウォーターガッシュ昭島の皆さま、久留米市までお越しいただき、ありがとうございました。また、『久留米市民応援デー』ということで多くのボランティアスタッフの方々、子供たちに来ていただきました。
試合に関してはわれわれが崩されたというよりは自分たちのミスで相手を勢い付かせてしまったという印象です。ここ数試合、同じような流れになってしまっているので、何を変えるのかというところは具体的にはまだ分かりませんが、試合に向けての姿勢や自分たちの甘さが出ているのではないかと思っています。順位を入れ替えるチャンスだったのですが、簡単には3位にさせてもらえないという課題をしっかりと持ち帰って、修正していきたいです」
──すでに昨季と同じ3勝を挙げていますが、昨季に比べてチームが伸びたところ、足りないところを教えてください。
「成熟してきたところは、やりたいこととやれることの区別が付いたところです。いろいろなキャリアの選手が集まっている中で、このチームで何ができるのかというところが昨季はあまり明確ではありませんでした。今季はプレシーズンの試合が多くできて、どうすれば自分たちがやりたいラグビーができるのかということを、地に足を着けて考える時間が多くありました。結果だけを見るとまだ勝ち星は昨季と変わっていませんが、内容としては大差で負けるゲームはほとんどありません。より自分たちにベクトルを向けて、反省ができる試合が多いことが違います」
ルリーロ福岡
三股久典キャプテン
「本日は暑い中、たくさんの方々に応援に来ていただき、ありがとうございました。試合に関しては自分たちが準備してきたことを出そうとしていたのですが、自滅で相手に勢い付かせてしまいました。そこが一番の課題と思っています。細かい修正点をしっかり分析して、次の試合に向けて準備したいと思います」
──試合に向けて選手間で準備した内容を教えてください。
「相手がどうこうではなく、まず自分たちにベクトルを向けようということです。同じチームとの対戦が3ラウンド目になりますので、一気に変えることはありません。質をどれだけ上げていけるのかというところを準備してきました。
今季はアナリストが加わってくださったことで、毎週やることが明確になり、メンバーの意思統一につながっています。今日は強みであるディフェンスの規律の部分でうまくいかず、修正が必要だと感じました」
クリタウォーターガッシュ昭島
クリタウォーターガッシュ昭島
内山将文ヘッドコーチ
「ルリーロ福岡の皆さま、会場を設定していただいた関係者の皆さま、素晴らしいゲームをありがとうございました。強風になりましたが、試合をすることができて私たちもうれしく思います。
試合の内容に関しては前半、後半で大きく風の影響を受けて、なかなか難しい時間帯もありましたが、選手たちがやるべきことに集中し、遂行してくれました。ただ、失点のところで少し課題が出てしまいました。セルフジャッジを含めて、そういうところをつぶしながら練習していきたいです」
──今季1勝1敗の相手に対し、どのようなゲームプランで臨みましたか。
「ルリーロ福岡さんはフォワードも強く、外国人選手もいるので、まずはそこに対してどれだけプレッシャーを掛けられるかということを意識しました。われわれも自滅するパターンが多かったので、自分たちにフォーカスしようというのは日ごろから言っています。
(ここ4試合で3勝と上向きの理由は)何が課題かというのを自分たちで見つめ直し、何ができて何ができていないかを確認しました。自陣の戦い方、中盤の戦い方など、どういったラグビーをわれわれがしていくのかというところを一つひとつつぶしています。それが少しずつ形になり始めたかなと思っています。
次節の狭山セコムラガッツさんも強いフォワードがいるので、そこに対してわれわれがどれだけ粘り、プランニングを遂行できるか。ボールキープというところを意識しながら戦いたいです」
クリタウォーターガッシュ昭島
中尾泰星キャプテン
「前半は逆風の中でのゲームでした。キックでエリアを取っていくのは厳しいと思いましたので、ハイボールで攻めていきました。全体としてディフェンスができて、マイボールにしてボールを継続できたところが前半の良かったところだと思います。ただ、風上になった後半にボールキャリーでほころびがあり、失点につながってしまいました。勝ち切れたことは大きいですが、まだ次節にもつながっていきますので、そういうベーシックなスキルのところを修正したいです」
──敗れれば順位が入れ替わる対戦でしたが、勝利して3位を守りました。今後の目標を教えてください。
「前節のヤクルトレビンズ戸田戦は後半に逆転を許してしまい、『このままではいけない』と選手で話し合い、修正点を確認しました。今日も良いところもありましたが、できていない時間帯もあります。D2/D3入替戦に進むのは厳しい状況ですが(*)、次のシーズンに向けて全員のレベルアップができるようにやっていきます」
(*)同日同時刻開催の狭山セコムラガッツ 対 ヤクルトレビンズ戸田の結果しだいで可能性はあったが、狭山セコムラガッツが勝利したので、クリタウォーターガッシュ昭島のD2/D3入替戦出場はなくなった。



























