2026.05.03NTTリーグワン2025-26 D1 第17節レポート(トヨタV 38-54 東京SG)

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第17節(リーグ戦)カンファレンスB
2026年5月2日(土)14:30 パロマ瑞穂ラグビー場 (愛知県)
トヨタヴェルブリッツ 38-54 東京サントリーサンゴリアス

努力へのご褒美は、“新瑞穂”での初トライ

トヨタヴェルブリッツの加藤竜聖選手。「今季は結果に一喜一憂しないと決めたんです。目の前のやるべきことを100%頑張る」

トヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)のホストゲーム最終戦で、後半37分に地元出身の加藤竜聖が意地のトライを決めた。プレーオフトーナメント進出には勝つしかないゲームで、追い付くには残り時間で28得点、つまり4トライ4ゴールが必要という絶望的な状況。それでも加藤は最後まであきらめず、目の前の仕事を淡々と遂行した。

2019年の加入以来、加藤はフッカーの主力である彦坂圭克を支えてきた。ただ、今季は若手の台頭に加え、同ポジションに外国籍選手が加入したこともあり、チーム内競争はさらに激化。メンバー入りできない試合も増えた。それでも、焦るのではなく、加藤はあえて平常心を貫いた。

「今季は結果に一喜一憂しないと決めたんです。目の前のやるべきことを100%頑張る。『チャンスが来たときにチームの勝利に貢献できるように』と、ずっと意識していました」

この日は本職のフッカーではなく、急きょフランカーとして出場。本人は「トライはその副産物」と振り返ったが、目の前の役割を全うし続けた結果が、リニューアルされたパロマ瑞穂ラグビー場での初得点につながった。

今季のトヨタVは7連敗というどん底を経験しながらも、そこから這い上がり、プレーオフトーナメント進出を狙える位置まで浮上。ファンに夢を抱かせた。その背景には、加藤のように苦しい時期を耐え、巡ってきたチャンスで力を示した選手たちの存在があった。スティーブ・ハンセン ヘッドコーチも「2、3年掛けて構築してきた成長プログラムはまだ完成形ではないが、今季は確かな成長が見られた。磨き続ければ成果が出るまでの時間は短い」と来季への期待を口にする。

加藤にとって“新瑞穂”での初トライは、ひたむきな努力へのご褒美だったのかもしれない。「いい選手がたくさん入ってきて、自分も一段成長できた。みんな仲が良く、試合に出ていなくても心から応援できた。その関係性も良かったと思います」。クラブ初のプレーオフトーナメント進出には届かなかった。それでも、このシーズンでつかんだ成長と手ごたえがある。夢の続きは、来季へとつながっていく。

(斎藤孝一)

トヨタヴェルブリッツ

トヨタヴェルブリッツのスティーブ・ハンセン ヘッドコーチ(右)、彦坂圭克バイスキャプテン

トヨタヴェルブリッツ
スティーブ・ハンセン ヘッドコーチ

「結果は残念ですし、今日の敗戦でプレーオフトーナメント進出の可能性がなくなりました。試合を振り返ると、前半は戦えていた時間帯もありましたが、簡単に得点を許した場面があり、さらに前半終盤から後半立ち上がりの約15分間は、アタックでもディフェンスでも相手に圧倒されました。ただ、それ以外の時間帯は非常に良い戦いができていたと思います。その中で、チームのプライドや意思、メンタルの強さを示せたことが、最後の10分から15分のパフォーマンスにつながりました。結果は残念ですが、チームの努力には満足しています。来週の今季最終戦で良いパフォーマンスを見せたいです」

──出場機会の少なかった選手たちの活躍について。

「これは今季だけの話ではなく、2、3年掛けて構築してきたプログラムの成果です。まだ完成形ではありませんが、その中でもチームとして成長が見られたシーズンだったと思います」

トヨタヴェルブリッツ
彦坂圭克バイスキャプテン

「結果は残念ですが、スティーブが話したとおり、最後の10分から15分で全員がしっかりエフォート(努力)し、トライを取り切れたことは良かったと思います。リーグ戦はまだ残っているので、次に向けて良い準備をし、自分たちの良いパフォーマンスを出せるよう頑張ります」

──東京サントリーサンゴリアスの堅いディフェンスについて。

「相手がどうこうというより、自分たちがもっと速く動けていればと思います。相手の良さもあったかもしれませんが、まだ映像を見ていないので正確には分かりません。ただ、自分たち自身がもっと頑張らなければいけないと感じています」

東京サントリーサンゴリアス

東京サントリーサンゴリアスの小野晃征ヘッドコーチ(左)、サム・ケイン キャプテン

東京サントリーサンゴリアス
小野晃征ヘッドコーチ

「まず、両チームの関係者、そしてファンのみなさんに感謝しています。満員のスタジアムでプレーできることは選手たちにとって幸せなことですし、非常にタフでフィジカルな戦いだったと思います。その中で、大事な時間帯に得点できたことで相手にプレッシャーを掛けることができました。最後は失点しましたが、良いディフェンスの場面も多くありました。今後も80分間戦い抜けるよう、引き続き準備していきたいです」

──フォワードの先発を入れ替えた狙いについて教えてください。

「ノンメンバー練習で非常に良いパフォーマンスを見せていたので、良い入りをしたいという思いで先発を選びました。特にフロントローには経験豊富な選手を配置し、試合を締めくくる力やセットピースの安定感を期待しましたが、狙いどおりのパフォーマンスを見せてくれたと思います。今後もタフで競った試合が続くと思うので、セットピースの部分ではフォワードに引き続き期待しています」

東京サントリーサンゴリアス
サム・ケイン キャプテン

「楽しい試合でした。スタジアムの雰囲気も素晴らしく、ファンのみなさんの存在、そしてグラウンドコンディションもラグビーをするには完璧な状態でした。パフォーマンス面では、前半終了と後半最初の大事な時間帯でしっかりプレーできたことが勝利につながったと思います。一方で、最後の10分で失点を重ねてしまったことは改善点です。ただ、全体としては誇れるパフォーマンスだったと思います」

──フォワード陣の出来についていかがでしょうか。

「とても良かったと思います。タフな試合で、特に前半はフォワード同士の激しい攻防が続きました。両チームに流れがある中で、我慢しながらチャンスを待ち、それをつかもうと話していました。コンタクトの高さ、ブレイクダウンでの低さ、タックルでも一人目が低く、二人目が高く入るなど、良い形を出せたと思います。フォワードは層の厚さが強みですし、先発した選手たちもしっかり役割を果たしてくれました」

試合詳細

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