NTTジャパンラグビー リーグワン2025ー26
プレーオフトーナメント3位決定戦
2026年6月6日(土)13:30 秩父宮ラグビー場 (東京都)
東京サントリーサンゴリアス vs 埼玉パナソニックワイルドナイツ
埼玉パナソニックワイルドナイツ(D1)
「僕は、このチームが好き」
坂手淳史はそう言うと、込み上げる感情と向き合った。
誰もが認めるリーダーである坂手が仲間から信頼を得るには、理由がある。
たとえば、選手入場時。メモリアル出場の選手がいれば、記念撮影の真ん中に必ず誘導する。ハーフタイムには、可能な限りレフリー団とコミュニケーションを取る。グラウンドを退いたあとには、ベンチに座らずそのまま声を張り上げ続けることも少なくない。
愛情の注ぎ方は十人十色である。だが坂手が示すチームへの愛情は、これでもかというくらい真っ直ぐに突き刺さる。
「選手みんなのことがすごく好き。ゲームに出ている選手も、出ていない選手も、けがをしている選手も。一人ひとりが自分の置かれている立場で努力をしています。僕にはその努力が見えているので、それに応えないといけない。毎年立場が変わっていく中でもみんながすごく努力してくれているので、『このチームのメンバーと勝ちたい』というのが一番にあります」
そう言葉を紡ぐ最中、たまらず感情はあふれた。
去る5月31日。埼玉パナソニックワイルドナイツは2季ぶりのプレーオフトーナメント決勝進出を目指し、クボタスピアーズ東京・船橋ベイとの準決勝に挑んだ。
結果は24対26。途中で14点のビハインドを背負いながらも試合終盤の猛攻で2点差まで迫ったが、ついに追い越すことはできなかった。
「点差が開いて、時間がなくなったときでも『イケるぞ、まだあきらめるな』という観客席からの声がたくさん聞こえていました。その声に押されて、グラウンドに立っている選手たちは良いプレーを選択できたと思いますし、思い切ってプレーすることができたと思います」
鳴り響いたファンの声援は、選手たちの勇気につながった。
それでも届かなかった2点。選手たちはそれぞれに、消化する時間を送った。
週が明け、火曜日。チームは再び動き出した。
「今季の締め括りとして、どういうメンタリティーをもちたいか」
坂手は、その思いをチームに伝えた。
今季の開幕。金沢篤ヘッドコーチは「ワイルドナイツの文化を深めたい」と口にしていた。
19試合を戦い抜いたいま、坂手は言う。
「ボールが動いたとき、ボールを奪ったとき、全員が同じイメージをもって、アタックでもディフェンスでも呼吸を合わせるように動ける。それが自分たちの強みです」
今季のメンバーで深め、つないだワイルドナイツの文化は形となった。その文化を表現する今季最終戦の舞台は、3位決定戦となる。対するは、東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)だ。
「自分たちの今季の戦いを最後にどう示すか。そういう思いで東京SGも向かってくると思うので、すごい試合になるんじゃないかと思っています」
それは激闘を予感させる言葉だった。そして、続けた。
「自分たちは何を示したいのか。それが一番出る3位決定戦になると思います。ワイルドナイツのラグビーや強度、やってきたもの。このチームの強さを示したいです」
そしてその想いを一言に集約するならば。
「“プライド”という言葉になると思います」
(原田友莉子)




























