コベルコ神戸スティーラーズ(D1 カンファレンスB)

復帰戦がデビュー戦で古巣戦。北出卓也、「勝手に気持ちが上がる」一戦へ

2連勝中のコベルコ神戸スティーラーズの第4節は、今季唯一の開催となるノエビアスタジアム神戸でのホストゲーム。フィールドと観客席が近く、臨場感をストレートに抱かせる興奮必至の会場を舞台に、強敵・東京サントリーサンゴリアスを迎え撃つ。

「狙っていたわけじゃないけど、復帰戦が東京サントリーサンゴリアス戦になった。勝手に気持ちも上がりますね」

そう口にしたのは今季、コベルコ神戸スティーラーズに移籍加入した北出卓也。昨季まで東京サントリーサンゴリアスでプレーしていた熟練のフッカーだ。覚悟をこめて新天地での戦いを選んだ30歳は今節、コベルコ神戸スティーラーズでの初キャップを先発で飾ることになる。

開幕当初はケガに苦しんでいた。「いろいろですね。首の痛みや、肉離れとか、結構続いてしまっていた」と悩ましい状況にあったことを明かしたが、先週始めにフル合流を果たし、「ケガの治りを考えてターゲット(試合復帰)がその辺(今節)になるかなと思っていた。間に合ってよかったです」と安どの笑み。長く所属した古巣との初めての対戦が復帰戦、かつ、新たなチームでのデビュー戦。百戦錬磨のプレーヤーでも心を高ぶらせるシチュエーションを迎えた。

コベルコ神戸スティーラーズ、東京サントリーサンゴリアスはともにアタックを持ち味とするチームだが、北出はマッチアップで大切なことに言及する。「コベルコ神戸スティーラーズはアタックチームですけど、ディフェンスの時間というのは絶対にくる。ディフェンスのところをいま、チームとしても良くしていこうという話がある中で、そこは自分の得意なところでもある」と組織の修正点を共有し、自らの力を落とし込むイメージを育む。

それを体現する舞台は、“ノエスタ”だ。

「芝の状態など、すごく良いグラウンドだなと思う。お客さんと距離が近く、スタジアムの一体感がとても良い印象が残っているので、そこで神戸のユニフォームを着て戦うのはすごく楽しみ。僕がチームに入ったことで『神戸、また強くなったな』って思ってもらえるように、しっかりチームに貢献していきたい」

優勝争いのライバル撃破へ。黒黄から赤に戦闘服を着替えた北出は今節、チームメートと最高強度のスクラムを組む。

(小野慶太)

コベルコ神戸スティーラーズでの初キャップとなるフッカー、北出卓也選手


東京サントリーサンゴリアス(D1 カンファレンスB)

トライランキングトップを走る尾崎晟也
ライバルに差をつけるプレーを

1月14日のNTTジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン1第4節。3連勝を狙う東京サントリーサンゴリアスは、兵庫県・ノエビアスタジアム神戸を舞台に今季初のビジターゲームとなるコベルコ神戸スティーラーズ戦を迎える。ともにここまで2勝1敗同士の負けられない一戦だ。

前節、60分以上にわたって14人でプレーする苦しい試合を制した東京サントリーサンゴリアスは、どの選手、首脳陣に聞いても「大きな自信をつかむことができた」と口をそろえる。そして今、チームでこの「自信」にもっともあふれている選手といえば、ここまで5トライを決め、トライランキング1位を走る尾崎晟也ではないだろうか。

開幕から3試合連続トライ中で、第2節、第3節はともに1試合2トライ。いずれも試合終盤の追加点が欲しい場面で決めた貴重なトライとあって、勝利への貢献度も大きい。

「プレシーズンからステップやスピードの部分を強化してきたので、そこが出せていると思います」

こう語る尾崎は、トライを奪うためにもう一つ意識していることとして「コミュニケーション」を挙げる。

「周りの選手との連係や自分の欲しいタイミングはどこか、普段の練習から意識してコミュニケーションを図っています。それがゲームにもつながっていると思うので、より一層磨きをかけていきたいです。(前節で)トライに限らず、14人でも勝利できたのは、より密の濃いコミュニケーションをとって、全員が一人分以上のハードワークをしようと意思統一できたから。その点は良かったと思います」

第3節で劇的勝利を収めた翌日は、同じ帝京大学OBの流大、堀越康介らとともに大学選手権決勝を現地観戦。圧倒的な強さで日本一に輝いた後輩たちの勇姿からも大きな刺激を受けたという。

「前半からフィジカルの部分で圧倒しているなと、安心して見ていました。後輩たちの活躍を見ると、アジリティー(俊敏性)を上げるために厳しいフィットネスに取り組んだ学生時代を思い出します。その蓄積があるからこそ、今季も試合終盤までフィジカルの部分で落とさずプレーできています」

対する神戸には4トライでランキング2位につける中嶋大希がいる。チームの順位も、トライ数でも、ライバルに差をつけるプレーを期待したい。

(オグマナオト)

松島幸太朗選手とコミュニケーションをとる、東京サントリーサンゴリアスの尾崎晟也選手(左)

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