2024.05.03NTTリーグワン2023-24 第16節 BR東京 vs トヨタV-見どころ

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1(リーグ戦)第16節 カンファレンスB
2024年5月5日(日)14:35 秩父宮ラグビー場 (東京都)
リコーブラックラムズ東京 vs トヨタヴェルブリッツ

リコーブラックラムズ東京(D1 カンファレンスB)

大事なのは、やり切れるかどうか。
BR東京らしく、プレーで結果と気持ちを示す

ファンの方々に恩返ししたいと言うリコーブラックラムズ東京の武井日向キャプテン。「僕たちは、プレーで伝えます。グラウンドに立つ選手は、責任を持ってプレーしてきます」

前節の三菱重工相模原ダイナボアーズとの直接対決で勝ち点5を獲得できず、D1/D2入替戦出場が決定したリコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)は、今週末のリーグ戦今季最終節でトヨタヴェルブリッツと対戦する。入替戦に向けはずみをつけるためにも、リーグ戦最後のホストゲームで成長した姿を見せたい。

キャプテンの武井日向は言う。「自分たちのゲームプランをやり切れている試合と、やり切れていない試合がある」。シーズンをとおして一貫性をもてなかったことが、結果に表れてしまった今季だった。

BR東京らしくないゲームのときには、共通点がある。プレッシャーを受けたときに、自分たちの軸から外れてしまう。本来であれば、プレッシャーを受けたぶんだけ、一つにならなければいけなかったが、実際は各々が軸から逸れていってしまい、自分たちで自分たちを苦しめることにつながった。「そこがいま一番、成長しなければいけないポイント」だと、武井は続ける。

入替戦前のホストゲーム最終戦。BR東京として、多くのファンの前で果たして何を見せられるか。

「僕たちのゴールは、プレーをとおしてみなさまに活力と感動を与えることです。だからまずは、そういうプレーを見せたい」

当初掲げていた“トップ4入り”からは遠い位置にいるが、大事なのは終わり方である。

「“どう終わるか”。それが次につながります。意味のある試合、“ブラックラムズらしいラグビー”を見せたいです」

そして、日頃の応援に感謝の気持ちを口にする。

「これだけ結果が出ていない中でも、こんなに熱心に応援してくださるファンの方々には、申し訳ない気持ちしかありません。一番の恩返しは、結果。『もっと現地で応援したい!』『みんなを連れて応援に行きたい!』と思ってもらえるようなチームになりたいと思います。僕たちは、プレーで伝えます。グラウンドに立つ選手は、責任を持ってプレーしてきます」

選手たちの“気持ち”を受け取りに、ぜひ秩父宮ラグビー場へ。5月5日(日)14時35分にキックオフを迎える。

(原田友莉子)

トヨタヴェルブリッツ(D1 カンファレンスB)

髙橋汰地、最多トライゲッターへの道。
「トライを取れる状況をみんなで作りたい」(姫野和樹)

リーグ戦最終節。トヨタヴェルブリッツの髙橋汰地選手は今季13トライで、最多トライゲッターを狙える位置にいる

プレーオフトーナメント進出とはならなかったトヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)にとって、今節は早くも今季最終戦。リコーブラックラムズ東京とのビジターゲームに臨む。

この1週間、キャプテンの姫野和樹は「ストロングフィニッシュで締めくくろう」とチームメートに呼び掛けた。前節・横浜キヤノンイーグル戦はまさに『パロマ瑞穂劇場』と呼ぶにふさわしい白熱した戦いの中で劇的な逆転勝利を収めた。その勢いを保ったままオフシーズンに入ることが、トヨタVの未来につながると考えている。

そして、この最終戦にはもう一つの大事な目標がある。それは“トライ王”の個人タイトルだ。フルバックを務める髙橋汰地のトライ数は現在13で2位タイ。トップのマロ・ツイタマ(静岡ブルーレヴズ)を2トライ差で追っている。姫野も「汰地はまだタイトルを獲ったことがないので、トライを取れるような状況をみんなで作って、汰地を押し上げていきたい」と、チーム全体でサポートをしたいと語った。

「手の届かない数字じゃない。最終戦も変わらずにトライを狙っていきたい」と、髙橋自身も最多トライゲッターになりたいと意欲を見せる。昨年、ラグビーワールドカップ2023フランス大会の日本代表にはギリギリで漏れてしまったが、世界の一流選手で編成されるバーバリアンズでプレーし、屈強な外国籍選手への対応が磨かれた。そして「毎試合、ラグビーがうまくなること、必ずどこかを成長させよう」と、意識したことで、最多トライゲッターを狙える位置にまで自身を高めた。

タイトルを狙うラストチャンスのリーグ最終戦。ただ髙橋は「トライを意識し過ぎて、いつもどおりのプレーができなくなってしまうのはダメだと思う」と、普段どおりのプレーをしたいと強調する。アーロン・スミスもボーデン・バレットも「ゴールの近くに来たらパスをするから」と言ってくれてはいるが、自分のことよりも何よりもチームの勝利が優先だ。

「フォワードの選手も内側にいるバックスの選手も、みんながスペースにボールを運んでくれているし、全部が僕個人で取ったトライじゃないですから」と髙橋。『ONE FOR ALL,ALL FOR ONE.』のラグビースピリットが詰まった最終戦。髙橋がつかみ獲る最多トライゲッターのタイトルは、チームとしてつかみ獲るタイトルでもあるのだ。

(斎藤孝一)

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