2025.01.02[埼玉WK]来日中の家族のために。静かな闘志を燃やすディラン・ライリー

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第3節(リーグ戦) カンファレンスB
2025年1月4日(土)13:00 駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場 (東京都)
リコーブラックラムズ東京 vs 埼玉パナソニックワイルドナイツ

埼玉パナソニックワイルドナイツ(D1 カンファレンスB)

日本代表でも欠かせない存在、ディラン・ライリー選手。「3年ぶりの優勝が目標だが、自分自身は1試合1試合をしっかりと戦うことだけを見て戦っている」

埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)が1月4日のディビジョン1第3節のビジターゲームでリコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)と対戦する。前節で東京サントリーサンゴリアスに勝利したBR東京を相手に、埼玉WKが開幕3連勝を狙う。

孤高のウルフ、ディラン・ライリーが、来日している家族に2試合連続のトライを贈るために静かな闘志を燃やしている。

オーストラリア出身の27歳。パワフルなステップで相手のディフェンスラインを崩してトライに絡むリーグ屈指のセンターだ。2018年に練習生として加わり、今季で7シーズン目を迎えるが、その進化は止まらない。現在のリーグワンキャップ数は49、日本代表としても昨秋でキャップ28まで伸ばすなど、揺るぎないキャリアを積み上げてきた。

いまは“特別”な時間だ。家族が年末に来日し、平日にはチームトレーニングを見学。前節のホストゲームは、熊谷スポーツ文化公園ラグビー場のスタンドで観戦した。そのゲームでディラン・ライリーは今季初トライを挙げ、チームは劇的な逆転勝利を決めた。今節のビジターゲームも観戦予定だという。

「両親の前でプレーして活躍できたことをうれしく思う。自分自身を応援してくれているし、ワイルドナイツのファンでもある。今週も試合を観に来てくれるので、個人的にもチーム的にも良いパフォーマンスを見せて両親を喜ばせたいと思う」

埼玉WKは昨季までの主力が抜けた中で開幕2連勝スタートとなっているが、ディラン・ライリーに慢心はない。

「(経験のある選手が昨季終了後にチームを離れたが)それを補える若い世代の選手たちが出てきている。3年ぶりの優勝が目標だが、自分自身は1試合1試合をしっかりと戦うことだけを見て戦っている。長いシーズンになるが、先を見据えてセーブしていくのではなく、目の前のゲームにすべてのエネルギーを注ぐだけ」

今季のリーグワンは、「下位と呼ばれるチームが存在しない」(ロビー・ディーンズ監督)と群雄割拠の戦国時代の様相を見せている。簡単なゲームは1試合もない。家族のため、チームのため、自分のためにディラン・ライリーは駒沢の地で疾走する。

(伊藤寿学)

2025.01.02[BR東京]様変わりした雰囲気。より対応力を求める新体制

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第3節(リーグ戦) カンファレンスB
2025年1月4日(土)13:00 駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場 (東京都)
リコーブラックラムズ東京 vs 埼玉パナソニックワイルドナイツ

リコーブラックラムズ東京(D1 カンファレンスB)

センターの池田悠希選手。187cm・100kgのサイズは魅力的だ

リコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)が東京サントリーサンゴリアスに対して20年ぶりの公式戦勝利を挙げた2024年ラストゲーム。昨季3位のチームに対し、同10位のチームが1点差を守り切っての大金星は、観る者に大きな感動と笑顔をもたらした。

タンバイ・マットソン ヘッドコーチも、笑顔を見せたうちの一人。「試合後、ロッカールームでクラブ全員を褒めました」と破顔した。

マットソン ヘッドコーチは、選手との距離感が近い。

練習終わりには、大きな円陣を組む選手たちの肩を一つひとつ叩きながら、その円陣の外側を1周して回る。

「みんながとっても良い練習をしたことを分かっているよ、と伝えたいんです」

そしてそのあとは、選手たちが個人練習に打ち込めるよう、率先して備品の片づけにも勤しむ。

首脳陣が変われば、練習風景も大きく変わる。

「昨季までは、決まったことをしっかりとプレーするスタイルでした。今季はより、その場での状況判断とエリアマネジメントが求められています」と話すのは、開幕から2戦続けてフル出場中の池田悠希。チームとしてより攻撃的にボールを動かしプレーする、その術に対応する練習が砧のグラウンドでは繰り広げられる。

池田は昨年、日本代表活動に参加した。だが代表キャップを得られず「悔しかった。その思いが、いまは一番強いです」と口にする。

フィジカルレベルが高く、どの局面でも強いプレッシャー下での練習が続いた代表合宿では、驚くことばかりだったが、187cm・100kgの体躯を生かしたボールキャリーやフィジカルは通用することも知った。だからこそ、勝負できるポイントを、誰にも負けない武器へと昇華させたい。

「リーグワンでのプレーを通じて、向上していることをアピールしていきたいです」

覚悟をもって楕円球を握る。

ホストゲーム連勝が懸かる第3節は、開幕2連勝中の埼玉パナソニックワイルドナイツが相手。会場となる駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場では、毎年恒例となった『世田谷パン祭り』とのコラボレーション企画を実施する。また、新春特別企画として『2025福袋』も90袋限定で発売予定。ぜひ新年のラグビー初めを、世田谷で、BR東京とともに。

(原田友莉子)

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