2025.01.02[東京SG]初夢代わりの初勝利へ。満を持してチェスリン・コルビが帰ってくる

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第3節(リーグ戦) カンファレンスB
2025年1月4日(土)14:30 味の素スタジアム (東京都)
東京サントリーサンゴリアス vs トヨタヴェルブリッツ

東京サントリーサンゴリアス(D1 カンファレンスB)

チェスリン・コルビ選手げけがから戻ってくる。南アフリカ代表の卓越したパフォーマンスを堪能したい

各国代表クラスを数多くそろえるチーム同士ながら、まさかの開幕2連敗での対決となってしまったNTTジャパンラグビー リーグワン2024-25 第3節・東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)対トヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)。1月4日、味の素スタジアムで行われる新年ファーストゲームで、ファンに初夢代わりの初勝利を届けるのはどちらになるのか。

両チーム、ここまでのつまずき要因の一つに、本来チームの軸となるはずの世界的プレーヤーが不在という影響もあるだろう。なにせこの2チームには国際統括団体であるワールドラグビーが選ぶ年間表彰、ワールドラグビーアワード2024における最高の栄誉、男子15人制年間最優秀選手を争った選手がいる。ともに南アフリカ代表で、東京SGのチェスリン・コルビと、トヨタVのピーターステフ・デュトイだ。

結果的に、男子15人制年間最優秀選手に選ばれたのはデュトイ。ただ、コルビもデュトイとともに世界ベスト15に当たる男子15人制ドリームチーム入りを果たした。文字どおり、世界最高峰の選手たちが普段から鎬を削るのがリーグワンという舞台なのだ。

そのデュトイは開幕から欠場が続き、残念ながら今節もメンバー外。一方のコルビは、開幕戦で先発出場したものの、開始早々に負傷して途中交代。東京SGの小野晃征ヘッドコーチも開幕戦の黒星について「前半でいろいろとワーストケースなシナリオが起きた。準備ができないシナリオ」とコルビの負傷交代の影響について語ったほど。さらに、第2節のメンバー入りも叶わなかったが、今節で無事に先発復帰。これは東京SGにとって連敗脱出への明るい材料だ。

南アフリカ代表のラグビーワールドカップ連覇にも貢献するなど、まさに世界を知るコルビだからこそ、いまのリーグワンのレベルの高さを理解し、侮ってもいない。

「リーグワンは毎年コンペティション(競争)が激しくなっていますし、どのチームも強くなっています。昨季の3位という結果より上を目指すために、一番大事なことは、一つひとつ、目の前の試合を大切にすること。それを繰り返していくことがチャンピオンを目指すことにつながります」

その言葉は、目の前の一つひとつの事象に打ち勝つ『WIN THE ONE』を掲げる小野ヘッドコーチの姿勢とも重なる。そして、その一挙一動を心待ちにしているのは、世界レベルのプレーを見たいラグビーファン全員の願い。『ドリームチーム』メンバーの大活躍こそ、新年の初夢代わりにふさわしい。

(オグマナオト)

2025.01.02[トヨタV]ジャパニーズスタイルにもすぐにフィット。スコットランドの貴公子は、学びと挑戦を止めない

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第3節(リーグ戦) カンファレンスB
2025年1月4日(土)14:30 味の素スタジアム (東京都)
東京サントリーサンゴリアス vs トヨタヴェルブリッツ

トヨタヴェルブリッツ(D1 カンファレンスB)

スコットランドからやって来たリッチー・グレイ選手。今節も4番で先発予定だ

まさかの連敗スタートとなってしまったトヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)だが、意外なほど選手たちの表情に暗さはない。今節は同じく未勝利の東京サントリーサンゴリアスとの対戦となる。難しい試合になることは間違いないが、ここまで準備してきたものを疑うことなく、初勝利の先に光があることを信じて自分たちのラグビーを貫いていくだけだ。

「もちろん改善が必要なところも課題もあるけど、常にチームのために継続して自分の役割を遂行したい」と語るのは、新加入のリッチー・グレイ。クラブ初のスコットランド国籍の選手で、同国の代表キャップ79を誇る35歳は、208cmの高さとパワーあふれるプレーでチームに新風を吹き込んでいる。

「リーグワンのゲーム展開が速いということは分かっていましたが、期待どおりでした。日本のラグビーはボールインプレーの時間も長いし、そのぶん、アタックが多くて、観客から見ても面白いゲームができていると思います」と、日本のラグビースタイルに好印象を持ったようだ。

グレイがトヨタVへの加入を決めたのは、スティーブ・ハンセン ヘッドコーチ/ディレクターオブラグビーとイアン・フォスター 共同コーチが指揮を執っていたことも理由の一つ。スコットランド代表として出場したラグビーワールドカップ2015イングランド大会では、敵将として二人が世界一に輝く姿を見ていた。

「ラグビーのスタイルに関してもスコットランドとはまったく違いますし、コーチングスタイルも全然違いますね。私自身、新しい考え方や、新しいスキルセット、新しい練習について学ぶことができています」

前所属のグラスゴー・ウォリアーズ(スコットランド)では通算100試合以上出場。ある種の慣れが生まれかけていたところで届いた日本からのオファーに、「新たな挑戦が待っている」と思い切って飛び込んだ。チームは開幕連敗という厳しいスタートで、「思ったとおりにいっているわけではないけど、自分としては先に進む上でいいチャレンジだと思っているよ」と貫禄を見せる。

何歳になっても学びと挑戦を止めないスコットランドの貴公子。われわれが彼から学ぶべきものも多くありそうだ。

(斎藤孝一)

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