2025.01.03[神戸S]チームと自らの野心を乗せて。松永貫汰が歓喜を運ぶ

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第3節(リーグ戦) カンファレンスA
2025年1月5日(日)13:00 味の素スタジアム (東京都)
東芝ブレイブルーパス東京 vs コベルコ神戸スティーラーズ

コベルコ神戸スティーラーズ(D1 カンファレンスA)

11番で出場予定の松永貫汰選手。昨シーズンに引き続き、今シーズンも好調を維持している

前節で今季初勝利を飾ったコベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)は今節、味の素スタジアムで東芝ブレイブルーパス東京と対戦する。キックオフは1月5日(日)13時。昨年度のリーグワン王者を破り、上昇気流をつかみたい一戦だ。

「得意な局面だったので、そこは駆け引きに勝てたなと思う」

前節、横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)戦の前半25分のこと。ボールを奪った神戸Sは素早く左へ展開し、大外で松永貫汰がパスを受けた。豪脚の回転速度をみるみる高めた松永貫汰に対し、ジェシー・クリエルが先に戻り、小倉順平の帰陣も早かった。

「外で勝負することだけは決めていた。そのまま走ったら『捕まる』と思ったので、内に入るフェイクだけしました。相手の足を止めるいいタイミングがあったので『ここや!』って」

緩急のランで相手の防御を無力化し、独走した距離はおよそ60m。沸き返ったスタジアム。勝利に至る上で重要すぎるトライだった。

昨季はチーム唯一の全試合フル出場を果たした松永貫汰。ラインブレイクなどのランキングで上位入りし、注目度を高めて臨んだ今季も開幕から印象的なプレーを続ける。昨年度王者との対戦という序盤戦の大一番を2日後に控え、「前節の横浜E戦ではチームとしてやれることはやれた。それをチャンピオンチームにしっかりぶつけたい」と腕を撫した。

その王者に在籍するのは兄・松永拓朗。昨年10月のニュージーランド代表戦で日本代表初キャップを飾った兄を家族の一員としてうれしく思うと同時に、羨望の思いも。自身は代表合宿に招集されたが、デビューは果たせず。「兄貴が試合に出ていてうらやましい気持ち、代表で試合に出たいという気持ちがやっぱりありました。スティーラーズで結果を残して、また呼ばれたときに日本代表で試合に出られるようにしたい」とあらためて自身の野心を育む契機になった。

タイトル奪還に燃える今季の神戸Sは攻撃的な守備も強みだ。「前に出てプレッシャーを掛けるというのが今年の神戸S。しっかりラインスピードを上げてやっていきたい」。タックルで体を張り、味方をサポートし、そして、しかけるは緩急自在のランニング。自らの野心もチームの野心も乗せて、25歳のランナーは左サイドからファンに歓喜を運ぶ。

(小野慶太)

2025.01.03[BL東京]自然体の努力を積み重ね、近くて遠い背中を追いかける

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第3節(リーグ戦) カンファレンスA
2025年1月5日(日)13:00 味の素スタジアム (東京都)
東芝ブレイブルーパス東京 vs コベルコ神戸スティーラーズ

東芝ブレイブルーパス東京(D1 カンファレンスA)

原田衛バイスキャプテン(右から2人目)。「ボールキャリーの回数も、ゲインメーターも伸ばしたいと思っています」

東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)は1月5日、味の素スタジアムでコベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)と対戦する。昨季は2回対戦し、第3節はBL東京が7点差で勝利、第13節は40対40の引き分けと、好勝負を繰り広げた相手だ。

BL東京でバイスキャプテンを務める原田衛は、自然体で努力を積み重ねてきた。21時にはベッドに入って睡眠の質を高め、オフであっても自主練習を行う。誰もが認めるストイックな姿勢は確かな成長につながり、昨季はリーグワンのベストフィフティーンを初受賞し、日本代表キャップも10まで伸ばした。

それでも、原田が「近づきたいですけど、遠いです」と語る選手がBL東京にいる。日本代表87キャップを誇るリーチ マイケルだ。

ハードな全体練習が終わったあと、リーチと原田の自主練習が始まる。レスリングのように相手を抑え込み、立ち上がって当たり、また抑え込む。荒い息遣いが響き、見ているだけで苦しくなるほどの動きが繰り返される。この自主練習は、原田が希望して行われている。

「昨季は毎週やっていて、今季も継続してやらせてもらっています。(リーチは)僕らでは考えられないぐらい早く動き出して、セットして、タックルして……というのを繰り返しています。みんなの手本になる選手です」

さらなる成長を目指す原田は、向上させたいポイントとしてボールキャリーを挙げている。

「ボールキャリーの回数も、ゲインメーターも伸ばしたいと思っています。フィジカルを増した上でスピードを上げることができれば、さらに良いプレーができると思うので」

苦しい状況があったとしても常に前を向き、近くて遠い背中を追いかける。誠実な努力を続ける原田が歩む道は、きっと輝いている。

(安実剛士)

試合詳細

見どころ・試合レポート一覧