2025.01.10[浦安DR]戦列復帰の田村煕が本当の意味での開幕へ。王者相手からの1勝をつかみ取る

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第4節(リーグ戦)カンファレンスA
2025年1月11日(土)12:00 Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu (神奈川県)
東芝ブレイブルーパス東京 vs 浦安D-Rocks

浦安D-Rocks(D1 カンファレンスA)

復帰の田村煕選手。「自分の中ではまだ試合をした感じもないし、やっと開幕したなという思いです。チームとはいい意味でちょっと違う感覚でやりたいですね」

早くディビジョン1初勝利が欲しい浦安D-Rocks(以下、浦安DR)は今節、昨年度王者の東芝ブレイブルーパス東京と対戦する。

浦安DRに頼もしい男が帰ってくる。開幕戦での脳振盪の影響で戦列を離れていた田村煕が今節で復帰。チームを司る10番として先発のピッチに立つ。

外から見ていた2試合を振り返り、田村は端的にその感想を口にした。

「まだ弱い」

短いながらに強烈なこのワードが一体何を指すのか。田村はすらすらと言葉を続ける。

「ゲーム中に自分たちで立て直せないところがまず弱さとしてありますし、1試合、2試合と負けたあとのトレーニングに影響が出てしまうことも弱さだと思います。ただ、これはある程度想定していたことでもあるので、今後、自分を含めてチームとしてどういう反応、態度を取っていけるかが大事だと思います」

課題や修正点はまだあるが、決して悲観的な意味での「弱い」ではない。D1の舞台でもしっかりと通用している部分もあるからこそ、田村が指摘するのはメンタル面、いわゆる心の持ちようである。

「スコアを見たらかなり厳しい結果ですけど、見ていて感じたのは、相手どうこうではなく自分たちから崩れているだけ。それを防げたらスコアは違うモノになってくると思うし、どれだけ自分たちで崩れないでできるかですよね。試合を重ねながら、『ただ負けました』ではなく、チームの全員が何かを感じているなら、これから伸びていけると思います」

開幕3連敗の状況で迎える昨年度王者との一戦を前に経験豊富なスタンドオフはリラックスした表情で話した。

「チームにスイッチを入れたいです。勝って喜んでD1に上がったはずなのに、そのD1で負け出したら弱そうな顔をしている……。そうじゃなくて、D-Rocksは乗り出したら強いチームだと思うから、僕がうまくゲームをコントロールしながら、その引き金をどこで引けるかですね」

アクシデントに見舞われ、わずか21分のみの出場に終わった開幕戦から3週間後、ようやく田村煕の今季が幕を開ける。「自分の中ではまだ試合をした感じもないし、やっと開幕したなという思いです。チームとはいい意味でちょっと違う感覚でやりたいですね」。ここで王者相手に特大の1勝を。その導き手になる準備と覚悟はできている。

(須賀大輔)

2025.01.09[BL東京]開幕4連勝へ。充実のときを過ごす“ニュータイプ”が示す成長の証

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第4節(リーグ戦)カンファレンスA
2025年1月11日(土)12:00 Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu (神奈川県)
東芝ブレイブルーパス東京 vs 浦安D-Rocks

東芝ブレイブルーパス東京(D1 カンファレンスA)

いざというときはスタンドオフやフルバックでもプレーできる身長180cmのスクラムハーフ、池戸将太郎選手

開幕4連勝を狙う東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)は1月11日、Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで浦安D-Rocks(以下、浦安DR)と対戦する。

BL東京は異色の大型スクラムハーフ、池戸将太郎が今節、スタメンデビューを果たす。23歳の池戸は明治大学ではゲームコントロール能力の高いスタンドオフやフルバックとして活躍。さらにチーム戦略においてスクラムハーフでもプレーし、高い万能性を発揮していた。

そして、BL東京では初めて本格的にスクラムハーフに挑戦。開幕からの3試合にいずれも途中出場で経験を積み、今節は先発としての役割が求められることになった。

「9番での(先発)出場では、『まずは前半40分の試合を作る』という今までとはまったく違う役割になります。僕にとってチャレンジですし、自分のいまの実力を知る良いチャンスだと思っています。僕自身も緊張しているのですが、緊張し過ぎても良くないので、どれだけ落ち着いてコミュニケーションを取ってプレーできるかがカギになります」

今節で対戦する浦安DRはここまで3連敗と苦しい戦いが続いているが、池戸は「モメンタム(勢い)を持ってくることができるチームなので、最初に呑み込まれたら80分間で取り返しがつかなくなることもあり得ます。いつもどおりのプランで自分たちのラグビーをすることが大事です」と気を引き締める。

他チームからの誘いもある中で、BL東京に入った決め手は「チームの雰囲気」だったと語る池戸。7日の全体練習後に杉山優平とパス練習をしていると、小鍜治悠太や木村星南がパスの受け手として参加する姿もあった。

「みんな仲がいいですし、練習もしっかりやって、楽しむところは楽しむ。僕に合っている、好きな雰囲気です」

いざというときはスタンドオフやフルバックでもプレーできる身長180cmのスクラムハーフ。日本ラグビー界でもユニークな存在となる万能選手は、チャンピオンチームで充実のときを過ごしている。

「すごく良い経験をしていて、学ぶことが多過ぎて『日々成長』です。先輩方からいっぱい学んでいます。キックという自分の強みを確立して試合に生かせたらと思っています」

ノビノビと成長を続ける新しいタイプの9番が、どんなプレーでチームを動かすのか。BL東京の4連勝を懸けた一戦は興味深いものになりそうだ。

(安実剛士)

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