2025.01.10[静岡BR]2シーズンぶりの出場へ。特別な思いを胸に臨む2選手

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第4節(リーグ戦)カンファレンスA
2025年1月11日(土)14:30 ニッパツ三ツ沢球技場 (神奈川県)
横浜キヤノンイーグルス vs 静岡ブルーレヴズ

静岡ブルーレヴズ(D1 カンファレンスA)

出場すれば、2023年4月8日の対東芝ブレイブルーパス東京戦(写真)以来の復帰となる、スクラムハーフの田上稔選手

開幕3連勝と最高のスタートを切った静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)。今節はリーグワンで初の4連勝に向けて昨季4位の横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)と対戦する。

この試合は藤井雄一郎監督も「この先のシーズンに向けてもすごく大きな試合。絶対に勝ちたい」と気合い十分。メンバー構成も「横浜Eに勝つための選手を選んだ」と語る。そんな中でリザーブには、昨季負傷に泣いた二人の選手が今季初めてメンバー入りした。

田上稔と郭玟慶。どちらも出場すれば2シーズンぶりとなる。

特に田上は、2023年の夏から負傷が続き、11月には左大胸筋腱停止部断裂という重傷を負い、復帰したのは昨年7月。そこから徐々にコンディションを上げ、着実にプレーのクオリティーを高めてついに今季初のメンバー入りをつかんだ。

田上自身も「今回チャンスをもらいましたが、メンバー選びにも藤井さん(藤井監督)の意思が伝わってきますよね。テンポを上げてアタックし切って勝つという。だから僕の役割は明確で、とにかくボールを動かして、チームを前進させることだと思うので、そこで(期待に)応えたいですね」と意気込みを語る。

ほぼ1年離脱したのは非常に苦しい経験だったが、その中で得たものもあると言う。

「僕は性格的に負けず嫌いで、プレーでも『自分で何とか』という部分があったんですが、いまは本当にチームのために動けるようになったと思います。年齢的に(チームの)スクラムハーフで一番上になったのもありますが、本当にチームファーストというか、自分がボールを持たずにいるときも自分のベストを出し続ける意識でやっている結果、パフォーマンスも上がってきたという感覚はあります」

また横浜Eには世界的なスクラムハーフのファフ・デクラークがいて、尊敬している存在でもある。

「アタック、ディフェンスともに特徴のあるオンリーワンの選手で、常に首を振って相手のイヤがることを探して、それを遂行できるスキルもある。本当に何でもできるすごい選手だと思うので、攻守ともにターゲットにしながら持ち味を出せないように、彼のことを周囲に伝え続けたいと思っています」

もちろんデクラークをリスペクトしつつも負けるつもりはなく、「彼にどう勝つかというより、僕がチームのためにできることを全部やって、チームで勝てばいいと思っています」と好調なチームメートの力に絶対の信頼を置いている。

一方、郭は今季、故郷である台湾でのリーグワンの放送が始まっている。

「家族が僕の出場を本当に楽しみにしてくれていますし、家族も含めて今までお世話になった方々への恩返しになるようなプレーをしたいと思っています。つらい時期もありましたが、それを力に変えてこの試合でしっかりとインパクト(途中出場でチームに与える力)を出したいです」と大いに燃えている。

今季はインパクトメンバーが流れを変えるシーンが目立つ静岡BRだけに、彼らのプレーからも目が離せない。

(前島芳雄)

2025.01.09[横浜E]「スクラムは誰にも負けない」。FW自慢の静岡BRにしかける真っ向勝負

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第4節(リーグ戦)カンファレンスA
2025年1月11日(土)14:30 ニッパツ三ツ沢球技場 (神奈川県)
横浜キヤノンイーグルス vs 静岡ブルーレヴズ

横浜キヤノンイーグルス(D1 カンファレンスA)

杉本達郎選手。静岡ブルーレヴズには「フロントローに強力な選手が多い」が「3番の選手として、スクラムで真っ向勝負をして勝ちたい」

前節の浦安D-Rocks(以下、浦安DR)戦で今季初勝利を挙げた横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)が2連勝を目指す今節。静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)と対戦する横浜Eにとって、3試合ぶりとなるホストゲームは、1月11日(土)14:30にニッパツ三ツ沢球技場でキックオフの笛が鳴る。

勝利が最大の良薬──。前節、浦安DRから奪い取った今季初勝利を経て、チームの雰囲気はガラリと変わった。全体練習に入る直前、梶村祐介キャプテンが「メンバー、ライザーズ(ノンメンバーの選手たち)全員がハイレベルな準備をしていこう」と声を掛けると、「3、2、1、ゴー、イーグルス!」という声のトーンがいつもと違った。「勝利のあとは流れが良くなるもの。自然とイキイキしています」と杉本達郎。静岡BR戦を控えた練習場のキヤノンスポーツパークは活気に満ちていた。

それでも、妥協を許さない沢木敬介監督は、チームの変化にアンテナを張っている。ラインアウトからのワンプレーでライザーズに主導権を渡すと、全体練習の合間のハドルで警鐘を鳴らした。

「また自分たちから崩れるのか。一つのミスから相手に流れを全部持っていかれている。それはイーグルスのラグビーではない。メンタルで先手を打ち、しっかりマインドセットしないと、誰も助けてはくれない。今日学んだことを実際の試合で生かしていこう」

指揮官からのゲキに対して、杉本は「沢木監督が指摘することを信じてやれば勝利につながる」とうなずいた。

「フロントローに強力な選手が多い」静岡BR戦に向けて、杉本が掲げる試合のポイントはスクラム。「3番の選手として、スクラムで真っ向勝負をして勝ちたい」とは杉本の言葉だ。

静岡BR戦での2連勝は絶対の使命だ。「臨場感がある」“三ツ沢”でのホストゲームに向けて、杉本は力強くこう言った。

「スクラムは誰にも負けない」

自身のプライドを、結果で証明してみせる。

(郡司聡)

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