2025.01.10[東京SG]渇望する初勝利へ。改造中の体を駆使し、オレンジの壁を突破する

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第4節(リーグ戦) カンファレンスB
2025年1月12日(日)14:05 秩父宮ラグビー場 (東京都)
東京サントリーサンゴリアス vs クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

東京サントリーサンゴリアス(D1 カンファレンスB)

今シーズンここまですべて先発で出場を続けているイザヤ・プニヴァイ選手。「少しずつ疲労も溜まり始める時期なので、コンディションをしっかり保って、チームにできるだけ貢献できる体を維持していきたいです」

3試合を終え、1分2敗。いまだ勝ち星のない東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)は、今季初勝利をかけた第4節、秩父宮ラグビー場でクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)と対峙する。リーグ戦での対戦成績は直近5試合で1勝4敗と苦戦しているだけに、いま一度気を引き締めなければならない。

チームとして結果は出せていないものの、選手個々では支配的な結果をグラウンドで残せている。ここまで全試合センターでスタメン出場。今節も13番で出場するイザヤ・プニヴァイもその一人だ。

今季、相手を押し込んで前進する「ドミナントキャリー率」は、ディビジョン1で堂々のトップとなる69%(※キャリー数20 以上の選手)。チームの推進力となっているのは間違いない。

「チームの結果だけを除いたら、個人的にもいい積み上げができています。いろいろなスタッフにサポートしてもらい、プレシーズンからいい準備ができたからこそ、いいコンディショニングを維持できているのかなと思います」

ボールを持てば支配的な活躍を見せるプニヴァイではあるが、実は意外な課題も抱えていた。チームでもトップクラスに体が硬いというのだ。その弱点克服への取り組みが、より強い体を生むことにつながった。

「日ごろから関節のトレーニング、ストレッチをするように意識しています。コーチやトレーナーもみんな、僕の体の硬さを知っているから、僕のストレッチに付きっきりです(笑)。あとは筋肉の質を高めるためにも食生活を見直しています。その結果として、試合でしっかり走り切れる体に、当たりにも耐えられる体になってきたのかなと思います」

2022年に東京SGに加わり、今年で来日3年目。このプレーを続けていけば日本代表への道(※5年以上国内チームのみで継続的にプレー)もいつか拓けてくる。

「日本代表入りは、長い目で目標にはしています。でも、いまは目の前の試合で100%出せるように意識するだけ。少しずつ疲労も溜まり始める時期なので、コンディションをしっかり保って、チームにできるだけ貢献できる体を維持していきたいです」

立ちはだかるのはリーグ屈指の巨漢フォワード陣をそろえるS東京ベイ。プニヴァイの突破力でオレンジの壁を打破できれば、今季初勝利への道も拓けていくはずだ。

(オグマナオト)

2025.01.10[S東京ベイ]ニュージーランド仕込みの肉体を武器に、いざ、S東京ベイのボムスコッドが出動する

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第4節(リーグ戦) カンファレンスB
2025年1月12日(日)14:05 秩父宮ラグビー場 (東京都)
東京サントリーサンゴリアス vs クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(D1 カンファレンスB)

左プロップの紙森陽太選手。オフにはニュージーランドのチームへの期限付き移籍を経験した

ボムスコッド──。

直訳すると「爆弾処理部隊」。南アフリカ代表の当時のヘッドコーチ、ラシー・エラスマス氏がラグビーワールドカップ2019日本大会で通常の5人よりも多い6人のフォワード選手をリザーブに置き、その破壊力から「ボムスコッド」と呼んだことに由来するという。

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)でその任務を託された男がいる。高校時代に片手でリンゴを握り潰した怪力プロップ、紙森陽太である。

「前半のメンバーが生んでくれた勢いをボールキャリーやブレイクダウン、セットピースでさらに加速させるのが僕らの役割です。開幕戦では(ボムスコッドとして)いい内容を残せたと思っています」

昨年夏、紙森は加藤一希とともにニュージーランドでの武者修行を経験。多くのニュージーランド代表オールブラックスを輩出している強豪チーム、ウェリントン・ライオンズに期限付きで移籍し、同チームのニュージーランド地区代表選手権優勝に貢献。現地で日本とは異なるラグビー文化に触れた。

「例えば4日間練習があるとすると(3日目の)中日は休日になるのですが、その中日にもグラウンドに出て、疲労が残らない程度のスキル練習を行うんです。ウエイトトレーニングのセット間のインターバル中にもパスを回すなど、ハンドリングスキルをとても大切にしている印象を受けました。僕も帰国して以降、練習の中日もグラウンドに出てボールを触るようにしています」

また、自分よりも一回り巨大な選手たちと骨がきしむようなコンタクトを繰り返したことで得た自信もある。

「コンタクトの衝撃が(国内の試合とは)まったく違いました。ただ、そうした衝撃にも慣れたと言いますか、怖がることなくタックルにもいけるようになりました」

今節、1月12日に秩父宮ラグビー場で行われる東京サントリーサンゴリアス戦。紙森はこの一戦にリザーブとしてメンバー入り。ボムスコッド出動のときがきた。

「インパクトを与えて、いい形でフィニッシュできるよう、自分の役割をしっかりと遂行したいと思います」

今季のS東京ベイの戦いで特に目を引くのが後半戦の破壊力と得点力。ニュージーランドで体得した学びと強度を高めた肉体を武器に、紙森は粛々とミッションを遂行する。

(藤本かずまさ)

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