2025.01.10[神戸S]チームの強みにつなげる、23歳の鋭利なジャッカル

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第4節(リーグ戦)カンファレンスA
2025年1月12日(日)14:30 相模原ギオンスタジアム (神奈川県)
三菱重工相模原ダイナボアーズ vs コベルコ神戸スティーラーズ

コベルコ神戸スティーラーズ(D1 カンファレンスA)

「ジャッカル(スティール)を自分の強みにしてきました」と語る、ヴィリー・ポトヒエッター選手

コベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)は1月12日、相模原ギオンスタジアムに乗り込み、三菱重工相模原ダイナボアーズと対戦する。ここまで1勝2敗と黒星先行も、チームの戦うマインドは旺盛だ。2戦ぶりの勝利ヘ、一丸で挑む。

23歳の俊英が先発メンバーに戻ってきた。南アフリカ出身、神戸Sで3季目を迎えているヴィリー・ポトヒエッター。第2節に先発出場したが、脳振盪のため前節を欠場。「症状がなくなったのを確認できた。プレーできるのが楽しみです」と闘志を燃やす。

第2節の横浜キヤノンイーグルス戦は圧巻の出来だった。その象徴となったのが、ジャッカル(スティール)だ。ボール争奪戦の最中、巧みに、かつ力強くボールを奪い取り、守備から素早い攻撃に転じる起点に。その先には味方のトライ、ファンの歓喜が待っていた。

「ジャッカル(スティール)を自分の強みにしてきました」

そう自信に胸をふくらませる今節の7番。南アフリカ時代から持ち味として習得してきた。

「今まで教えていただいた方が、すごく熱心に指導してくれました。昨季は(神戸Sに)アーディ(・サベア)もいましたし、アーディから大きく学ぶことができましたね」

ジャッカル(スティール)は簡単な仕事ではない。相手にペナルティを与えることと表裏の関係にあるが、ポトヒエッターは冷静だ。リスクを受け止め、虎視眈々と手を伸ばす。

「不安感がないわけじゃないです。ただ、ルールを頭に入れて、やっていいこととやってはいけないことのすみ分けができれば自信をもってプレーできます。『ボールを放しなさい』とレフリーからコールが掛かればボールを放さないといけませんから、しっかりと耳を開いて、手を放せるような準備もできています」

過去2シーズンは思うように出場機会を得られなかった。それでも、「国に帰るんじゃなくて、ここで長くラグビーを続けられたら(いい)という強い思いがありました」。悔しさは反骨のバネ。自らのやるべきことに挑み続けてきた。

「与えられた機会に対して自分は真摯に応えるだけ。自分の全力を尽くしたい」

ターンオーバーからの攻撃は今季の神戸Sの強みの一つ。その起点を担うことは役割として極めて重要だが、「プレッシャーが掛かれば掛かるほど絶対に面白くなる。武者震いしているくらいです」と堂々宣言。台頭してきた新鋭が、鋭利なジャッカル(スティール)の牙をむく。

(小野慶太)

※1月9日付けで、日本ラグビーフットボール協会から発出された「用語の変更」https://www.rugby-japan.jp/news/53049 を受け、『ジャッカル』に関して『ジャッカル(スティール)』と補足しています。

2025.01.10[相模原DB]日本代表で学んだオンとオフの使い分け。3度目の兄弟対決は、成長を見せる舞台

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第4節(リーグ戦)カンファレンスA
2025年1月12日(日)14:30 相模原ギオンスタジアム (神奈川県)
三菱重工相模原ダイナボアーズ vs コベルコ神戸スティーラーズ

三菱重工相模原ダイナボアーズ(D1 カンファレンスA)

「自分はずっとオンでしたが、続けるとつぶれてしまう。オフのときはしっかりとオフにする」ことを学んだという李承爀選手

三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)が、相模原ギオンスタジアムにコベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)を迎える。キックオフは1月12日の14時30分だ。

前節は僅差で敗れたものの、セットピースを強みとする静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)に真っ向勝負を挑んだ。

ラインアウトモールからトライを決めた李承爀は「静岡BRの強みにアタックしていこうと意識したプレーが結果に出て良かったです。チームは試合を重ねるごとにコネクションが良くなっていると感じます」と手ごたえを明かす。

昨年11月には日本代表としてイングランド戦に先発出場し、初キャップを刻んだ。「自分の力不足を痛感」したが、大きな財産になったという。

「今までだったら、『ここまででいいやろ』と自分で決めていたリミッターを外さないと世界には勝てないと感じました。どんどん自分を追求して満足しないこと、チームのためにどれだけ動けるかが重要だと学びました」

日本代表のチームメートからも多くを学んだという。

「日本代表の選手はトレーニングでオン・オフをしっかり切り替えます。自分はずっとオンでしたが、続けるとつぶれてしまう。オフのときはしっかりとオフにする。自分が考えていたことをいったん空っぽにして、自分の体と相談しながら新しい取り組みをやったら、もっと違うパフォーマンスが出せるのではないかと気づきました」

開幕から3試合連続先発出場中で、神戸S戦も先発メンバーに選ばれた。神戸Sの弟・承信とは3回目の兄弟対決になりそうだ。

「三男(李承信)は、昔から自由気ままに機敏に動いて、末っ子らしいプレーヤーです。(次男の)私に続くために帝京大学に入学したと話しているそうですが、早々に退学したので、『なんでー』と自分の中では、いまだに“はてなマーク”です」とつぶやきつつ、「スキルと責任感がすごく高いのでリスペクトしています」と兄弟の絆をほのめかす。

「周りからは、『兄弟対決ですね』と言われますが、僕自身はあまり意識していません。ただ、上の舞台で兄弟対決をできるのはありがたいことですし、父にプレーしているところを見てもらえたらうれしいです」

兄弟で桜のジャージーをまとう日が来るかもしれない。「弟は絶対に選ばれるので、僕が頑張るしかないです」と新天地での成長を誓う。

(宮本隆介)

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