2025.01.17[静岡BR]日本代表選出で凄みを増す最多トライゲッター。マロ・ツイタマのトライは好循環の表れ

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第5節(リーグ戦) カンファレンスA
2025年1月18日(土)13:00 ヤマハスタジアム (静岡県)
静岡ブルーレヴズ vs 東芝ブレイブルーパス東京

静岡ブルーレヴズ(D1 カンファレンスA)

トライ量産中、マロ・ツイタマ選手

前節の横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)戦で今季初黒星を喫したが、まだ3勝1敗の3位と上位につける静岡ブルーレヴズ。今節は、昨年度のチャンピオンチームで今季も開幕4連勝(2位)と強さを見せる東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)との直接対決だが、今まで以上に自信を持って練習を重ねている。

特に攻撃に関しては、総得点が152点(1試合平均38点)でリーグ首位。敗れた横浜E戦でも5トライを挙げ、好調を維持している。その原動力の一人として注目したいのが、昨季のディビジョン1最多トライゲッターのマロ・ツイタマだ。昨季からカテゴリAになったツイタマは、7月に日本代表にも初招集され、初キャップ(パシフィックネーションズカップのカナダ戦)で初トライを決めるなど結果も出して、10月に行われたニュージーランド代表との試合(リポビタンDチャレンジカップ2024)にも先発出場した。

今季のリーグワンが開幕してからも、第2節・浦安D-Rocks戦と第3節・三菱重工相模原ダイナボアーズ戦で2試合連続ハットトリック(3トライ)を達成し、第4節・横浜E戦でも2トライを挙げて3試合で合計8トライ。昨季は15トライで最多トライゲッターになったが、すでにその半分以上の数字を叩き出している。

また個人スタッツでも、ゲインメーターが1位、ラインブレイク数が3位タイと出色の内容だ。ただ、ツイタマ本人は、そうした数字にもチームの力が大きいと強調する。

「フォワードから全員がしっかりと良い仕事をしてくれて、インサイドバックスも各自が自分の仕事を忠実に果たして、自分がアウトサイドのスペースでボールをもらうことができています。全員の働きでチームとしてのアタックが良くなっているおかげで、自分がトライを取れていると思います」

チームとしても「トライを取る嗅覚がある選手なので、われわれも彼をどう生かすかを考えていて(今季は)うまくスペースを作れている。そうして彼のトライが増えてくると、チームの調子も上がってくると思います」(藤井雄一郎監督)と好循環が生まれている。

念願だった日本代表に選ばれたことで、ツイタマ自身の意識やモチベーションもより高くなっている。

「すごく良い学びが多くて、良い経験になりました。自分がどういう選手であるべきか、どういうスキルを上げていかなければいけないのかということも分かりました。ボールを持ってないときの動きや、前節で多くミスしてしまったハイボールの対応といったベーシックなスキル、コミュニケーションといったところをもっと修正して、スキルを上げていきたいと思っています」

約1カ月ぶりのホストゲームでBL東京から勝利を挙げるためにも「1週間掛けて練習してきたことを、自分たちらしくしっかりと遂行することが大事」と語るトライキング。チームとして攻撃の時間を増やし、彼が良い形でボールを受ける回数が増えれば増えるほど、価値ある勝利を挙げる可能性も高くなっていくはずだ。

(前島芳雄)


2025.01.16[BL東京]ファンとチームと一つにする、スタンドからの“スクラムコール“

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第5節(リーグ戦) カンファレンスA
2025年1月18日(土)13:00 ヤマハスタジアム (静岡県)
静岡ブルーレヴズ vs 東芝ブレイブルーパス東京

東芝ブレイブルーパス東京(D1 カンファレンスA)

東芝ブレイブルーパス東京の3番、小鍜治悠太選手

開幕4連勝でリーグ2位の東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)は1月18日、ヤマハスタジアムでリーグ3位の静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)と対戦する。

BL東京のスクラムの際に、フォワード第1列の選手の名前を呼ぶ「きむら!はらだ!こっかっじ!」というコールが日に日に存在感を増している。もともとは関西大学リーグで親しまれた掛け声だったが、小鍜治悠太の天理大学の仲間たちがBL東京の試合でも一生懸命に声を張り上げ、そのリズムがファンの中で広まったのだ。

「きむら!はらだ!こっかっじ!」のコールは18日の試合でも聞けるか

第2、3節に来場したアイドルグループ『私立恵比寿中学』もスタンドで楽しげに声を合わせ、ラグビースクールの子どもたちは小躍りして大声を出す。このスクラムコールはBL東京の試合を楽しむための魅力の一つになりつつある。

互いにスクラムに自信を持つ静岡BRとの一戦を前に、小鍜治が笑みを浮かべる。

「静岡までスクラムコールの仲間も来てくれるので。良いスクラムを組んで、コールしてくれるみなさんを沸かせたいですね」

天理大学では「スクラムの強いフッカー」(小鍜治)であり、応援団長もしていた西田蓮さんがコールの中心。小鍜治が最上級生になった際にコロナ禍で大声を出せなかったことで、BL東京の応援に来てくれているのだという。

昨季にはこのスクラムコールを気に入ったリーチ マイケルが、大阪在住の西田さんらの遠征費の一部をサポートしたこともあったそうだ。

小鍜治は『私立恵比寿中学』が応援していたことについて「めっちゃうれしいです」と顔をほころばせ、「関西の伝統が広がっているのもうれしいですし、フロントローに注目が集まって良い文化になってくれれば」とうなずいた。

静岡BR戦でも、両チームのプライドであるスクラムは勝敗のポイントになるだろう。

「負けられないです。相手がやりたいことをやらせずに、自分たちの型を貫いて押したいと思います」

フォワード8人の後ろから聞こえるスクラムコールを受けて、小鍜治は力強く前進する。

(安実剛士)

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