2025.01.18[浦安DR]“あと少し”を埋めるために。初勝利へ怪力プロップが最前線で体を張る

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第5節(リーグ戦) カンファレンスA
2025年1月19日(日)12:05 ノエビアスタジアム神戸 (兵庫県)
コベルコ神戸スティーラーズ vs 浦安D-Rocks

浦安D-Rocks(D1 カンファレンスA)

3番で先発する金廉選手。今回はメンバー外となったがコベルコ神戸スティーラーズの李承信選手とは、いとこ同士だという

開幕5連戦の5試合目となる今節、浦安D-Rocks(以下、浦安DR)はビジターゲームでコベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)と対戦する。今度こそ、ディビジョン1初勝利を飾り、それを今季の初勝利としたい。

東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)に挑んだ前節は、過去4試合で最も勝利に近づいたゲームとなった。後半35分の時点でビハインドはわずか5点。逆転勝利の可能性を十分に感じさせた。しかし、最後は力尽き、14対22のスコアで敗戦。あと一歩が届かず、全員が唇をかんだ。

それでも、昨年度の王者に対して堂々と渡り合えた自信や手ごたえは間違いなくあり、金廉もそう感じている内の一人である。

「BL東京戦は自分たちがやりたいことが少し形となり、やるべきことがちょっとずつ身に付いて自信になってきて、勝利に近づいていると思います。ただ、それを逃しているのも自分たちです。全員がやっていることを信じて遂行していくことが一番のキーになります」

そんな金廉にとって、今節の神戸S戦は地元・神戸でのゲームとなる。

「中学から大阪の学校に通っていたのであまりノエビア(スタジアム神戸)でプレーした思い出はないんですけど、神戸Sの李承信は従弟なんですよ。お母さんの妹の子どもです。だから、(三菱重工相模原ダイナボアーズの)李承爀もそうですね」

3人とも同じ大阪朝鮮高校に通っていたこともあり、これまで“従弟対決”が実現することはなかったが、来たる初対戦に向けてひと足先に家族たちは白熱しているという。「親戚同士のグループLINEは盛り上がっていました」と金廉はうれしそうに笑い、19日の対戦に向けて意気込みを語った。

「(李承信は)日本代表でもバリバリ活躍していて、従弟だけど遠い存在というか、すごく目標にしている一人です。もちろん尊敬もしています。ただ、勝負となれば手は抜かず勝ちにいきます。少し変な感じもありますけど、対戦できるのはすごく楽しみですね」

今節、李承信はメンバー外となったが、勝ちたい思いは変わらないだろう。

手が届きそうなところまで来ている初勝利をつかむべく、怪力プロップが最前線で体を張り、相手を押し、“金ファミリー”と浦安DRに歓喜を届ける。

(須賀大輔)

2025.01.17[神戸S]阪神・淡路大震災から30年。「誰を代表し、誰のために戦うのか」

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第5節(リーグ戦) カンファレンスA
2025年1月19日(日)12:05 ノエビアスタジアム神戸 (兵庫県)
コベルコ神戸スティーラーズ vs 浦安D-Rocks

コベルコ神戸スティーラーズ(D1 カンファレンスA)

19日の試合では、特別仕様のメモリアルジャージーを着用。モデルは3番で先発する山下裕史選手

19日にノエビアスタジアム神戸で浦安D-Rocks(以下、浦安DR)を迎え撃つコベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)。開幕以降、1勝3敗と波に乗れていないが、今節のホストゲームを反転攻勢のきっかけにしたい。

神戸Sは今季、特別なシーズンを戦っている。

1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災。あれから30年のときが経ち、神戸Sは全選手やスタッフが3班に分かれ、『阪神淡路大震災1.17のつどい』に参加。1月16日夕刻、1月17日早朝と夕刻、それぞれ追悼と未来への思いを胸に刻んだ。

チームを率いるデイブ・レニー ヘッドコーチは言う。

「あの場には実際に自分の家族、親族を亡くされて来られている方も多くいらっしゃると思います。自分たちの行動が少しでも、一つでも助けになればと思っています。この街にとってとても大切な行事だと思いますし、参加できたことは本当に素晴らしいことです」

その思いは神戸Sの門をくぐったすべての選手が共有する。神戸出身者も、長く在籍するプレーヤーも、ルーキーも、外国から来た選手たちも──。今節の先発メンバーに入った今村陽良も思いを一つにする。

「1月17日は自分の誕生日ですし、震災があったことはもちろん知っていました。実際どういう状況だったのかはチームに入ってから学びました。街とか、会社とか、僕らのラグビー部を残すために頑張ってくれた人たちのおかげで、いまこうやってラグビーができています。僕が生まれる前に起こった話ですけど、少しでも力を与えられるようにプレーしたいと思っています」

今節はメンバー外となったが、共同キャプテンを務める李承信の言葉にも熱がこもる。神戸Sは全員で大切な試合への準備と向き合ってきた。

「本当に特別な試合になると思います。選手たちにもいろいろなモチベーションがあって、やっぱり『神戸の街のために』という思いが一番強いです。スティーラーズというチームは誰を代表して誰のために戦うのか、特にこの1週間、チームとしてもそれを強く意識してきました。グラウンドでプレーする姿で、その思いを街の人に感じてもらえればなと思います」

19日、神戸Sは「1.17を忘れずに、記憶を語り継いでいく」ことを強く見つめ、特別仕様のメモリアルジャージーを着用する。デイブ・レニー ヘッドコーチは鋭い視線を飛ばした。

「ホームで、自分たちの家族、ファンの方々、そして、街の人々の前でプレーできる、しかも特別なジャージーを着用した上でプレーすることができます。スペシャルな環境の中で、どれだけのパフォーマンスを出せるかが重要になります」

神戸Sは今節、最後まで勇敢に戦う。

(小野慶太)


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