2025.01.31[トヨタV]安泰を捨て、挑戦の来日。チームに波及させるチャレンジングスピリット

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第6節(交流戦)
2025年2月1日(土)14:30 豊田スタジアム (愛知県)
トヨタヴェルブリッツ vs 横浜キヤノンイーグルス

トヨタヴェルブリッツ(D1 カンファレンスB)

1月19日の対埼玉パナソニックワイルドナイツ戦でのジョセフ・マヌ選手のトライシーン(後半31分)

同カンファレンスとの5試合を9位で終えたトヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)。バイウィークを挟んで迎えるのは、横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)との交流戦となる。チームとしても待ちに待った豊田スタジアムでの今季初試合である。

「まずは(交流戦となる)第2クールの力強いスタートを切りたいと思っています。自分のことよりもまずはチームのベストを発揮することが重要で、ホストゲームというのはチームとしても非常に大事な位置付けをしています。寒い中でも応援に来ていただけるサポーター、ファンにいいラグビーを見せたいし、このバイウィークでいい準備もできました。チャレンジングな試合ですが自信はあります」

力強く意気込みを語ってくれたのは、新加入のジョセフ・マヌ。彼自身も大きなチャレンジを求めて日本にやってきた。

マヌが昨季までプレーしていたのは13人制のリーグラグビー。およそ10年間オーストラリアのチームでプレーし、輝かしい実績も残してきたが、15人制のラグビーユニオンで活躍したいという子供のころからの夢を叶えるため、そのキャリアを断ち切ってトヨタVへの移籍を決めた。

「リーグ(13人制ラグビー)とユニオン(15人制ラグビー)はまったく違うスポーツだと捉えています。ラックの入り方も違いますし、リーグラグビーにはラインアウトもないので。少しずつ慣れてきてはいますが、まだ多く吸収するべきことがあると感じています」

まだ覚えなくてはいけないことが多いと言いながらも、マヌはここまで全試合に出場し、開幕戦でトライを挙げるなど、すでに中心選手の一人となっている。リーグラグビーで培ったスピードやステップという部分は最大限に生かされている。

「自分自身としてはいいスタートを切れたと思っていますが、ゲームとしては改善が必要な部分もあります。リーグワンでは毎試合学びがあり、素晴らしいコーチ、そしてチームメートからも学んでいます。こうした経験はチャレンジですが、私はそれをエンジョイしています」

慣れた場所なら安泰だったかもしれないが、あえて新しく厳しい環境に身を置いたマヌ。そのチャレンジングスピリットがチームに波及すれば、きっともっと良くなるに違いない。

(斎藤孝一)

2025.01.31[横浜E]「個人的な感情は二の次」。古巣との“決戦”で示す、挑戦を決断した意味

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第6節(交流戦)
2025年2月1日(土)14:30 豊田スタジアム (愛知県)
トヨタヴェルブリッツ vs 横浜キヤノンイーグルス

横浜キヤノンイーグルス(D1 カンファレンスA)

今節の対戦相手、トヨタヴェルブリッツから移籍してきた古川聖人選手

前節、三菱重工相模原ダイナボアーズとの“神奈川ダービー”を制した横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)は3勝2敗と白星が先行。今節は4連勝をかけてトヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)とのビジターゲームに臨む。試合会場は豊田スタジアム。キックオフは2月1日(土)14:30だ。

“大型連勝”を目指すトヨタV戦に向けて、「不思議な感覚。いつもどおりにはいかないかもしれない」と口にするのは、今季新加入の古川聖人だ。古川にとって、トヨタVは昨季まで5シーズンを過ごした古巣。それでも、古川はできるだけ自然体で古巣戦に臨むことを心がけている。

「僕はライザーズ(ノンメンバーの総称)も含めてメンバーを代表して臨むので、個人的な感情を抱くのは二の次です。自分に何が求められているか。自分の役割を遂行することにフォーカスして臨みます」

成長を期して決断した新天地での挑戦。動機の一つが沢木敬介監督や、主にフランカーのポジションでトップリーグ時代を含む公式戦通算100キャップを達成している嶋田直人の存在だ。

「こういう言い方をしてしまうと失礼にあたるかもしれませんが……」と前置きした上で、古川は決断の理由をこう明かした。

「イーグルスは沢木監督が率いるまではプレーオフトーナメントに進出できるようなチームではなかったですが、ここ2シーズンはプレーオフトーナメントに進出しています。チームとして上昇しているのは誰の目にも分かることですが、その理由はチームに来てみないと分かりませんし、沢木監督の下で自分も成長したいと思いました。また7番のポジションは嶋田選手を筆頭に日本人選手が務めているという印象が強く、僕自身もチャレンジできるのであれば、その環境に身を置くことでもっと成長できるチャンスをつかみたいと思ったんです」

“ワンクラブマン”のそばで学んでいる点は、味方へのサポートやブレイクダウンなど、目立たないプレーでもチームの勝利に貢献すること。「“仕事人気質”かもしれませんが、結果として数字に表れている」嶋田のプレーを肌で実感し、古川は「自分のレベルを一段階も二段階も上げていきたい」と先を見据える。

初の古巣戦は、古川が横浜Eのジャージーに袖を通した意味を示す決戦だ。

(郡司聡)

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