2025.02.06[三重H]連敗中でもポジティブに。“みんなに頼るキャプテン”がつなぐ団結力

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第7節(交流戦)
2025年2月8日(土)12:05 秩父宮ラグビー場 (東京都)
浦安D-Rocks vs 三重ホンダヒート

三重ホンダヒート(D1 カンファレンスB)

「任せるところは任せて、頼れるところは頼っています」と語る藤井拓海キャプテン(右)

「負けが続いていますが、誰も悲観的には捉えていません。そこから学んで次につなげたいというポジティブな雰囲気があります」

2月8日12:05からビジターゲームの浦安D-Rocks(以下、浦安DR)戦に臨む三重ホンダヒート(以下、三重H)。前節の東芝ブレイブルーパス東京戦では12対35で敗れ、4試合連続の黒星となった。それでも、今季キャプテンを任された藤井拓海は、現在の三重Hに強い一体感を感じている。

「プレシーズンの段階から、チームの結束は強くなっていると感じていました。小さなことですが、練習後のハドル(円陣)が終わってから全員でハイタッチをするだとか、去年はあまりなかったものが、今季は自然に生まれています」

前キャプテンの古田凌からバトンを受け継いだ藤井だが、決して一人でその重圧を背負っているわけではない。パブロ・マテーラ、レメキ ロマノ ラヴァ、ワイマナ・カパ、北條拓郎らリーダー陣を中心に、多くの選手と責任を共有している。

「任せるところは任せて、頼れるところは頼っています。僕が出場しないときはパブロがチームをまとめてくれますし、練習の中では自分もリードする。そこにまったく心配はありません。僕だけでは抱え切れないものを、いろいろな人に託しています。みんなが助けてくれますし、全員でチームを作り上げられているんです」

キャプテン指名の際には「驚きでしかなかった」という藤井。ただ、慣れない役割を果たす中、仲間を頼るようになったことがさまざまな選手の個性を表出させるきっかけとなり、チーム全体にいい影響を及ぼすことにつながったようだ。

「ゲームキャプテンをしているパブロは、試合前のハドルで心に響く熱い言葉を掛けてくれます。さすが世界的なチームで中心になった選手だなと思いますし、勉強になりますね。最年長のレメキ選手も、誰よりも情熱をもって練習に取り組んでいて、その姿勢がみんなに刺激を与えています」

パブロ・マテーラ選手(左)、レメキ ロマノ ラヴァ選手のリーダーシップも効いている

藤井を中心に団結し、連敗中でも前向きに挑み続けている三重H。今週末は、開幕から6試合全敗で最下位に沈む浦安DRとの対戦だ。久しぶりの勝利をつかみたい試合となる。

「周囲からは“順位が近い相手”と見られると思いますが、それをあまり意識せずに臨みたいです。自分たちがやってきたラグビーに集中すれば結果はついてくる。試合を重ねる中でその重要性を全員が理解しましたし、相手を意識することなく戦いたいです」

いつもどおり団結して、いつもどおり戦うことに集中。4連敗から学んだものを生かし、三重Hは勝利に向けて突き進む。

(籠信明)


2025.02.06[浦安DR]2カテゴリーの“個人昇格”日本代表入りを目指すネイビーの6番

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第7節(交流戦)
2025年2月8日(土)12:05 秩父宮ラグビー場 (東京都)
浦安D-Rocks vs 三重ホンダヒート

浦安D-Rocks(D1カンファレンスA)

DIVISION 3からDIVISION 1へ。ゼファニア・トゥイノナ選手

浦安D-Rocks(以下、浦安DR)は、今季初めて秩父宮ラグビー場で試合を開催する。相手は、2シーズン前にはディビジョン2でしのぎを削った三重ホンダヒート。ラグビーの聖地で初勝利をつかみたい。

今年に入り、6番のポジションで存在感を示している男がいる。今季、日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)から加入したゼファニア・トゥイノナは、第3節・横浜キヤノンイーグルス戦で初先発初出場を果たすと、第5節・コベルコ神戸スティーラーズ戦では途中出場で勢いをもたらし、前節・埼玉パナソニックワイルドナイツ戦では再び先発に戻る。敗れはしたが、後半の猛攻に貢献するなど、首位相手に力強いパフォーマンスを発揮した。

「D3から(D1に)来たので格段にレベルは上がっていますけど、自分は自分に高い水準を課してプレーしたいと思っていますし、日本有数の選手たちと競い合えることにワクワクしています。何よりもすごく楽しいです」

日本に来るチャンスは突然に訪れた。コロナ禍のオーストラリアではプレー機会が閉ざされてしまっていた中、タイミングを計ったかのように日本からオファーが届く。2021年に日野RDに入団。昨季まで4シーズンプレーし、今年の10月には来日5年目を迎える23歳は、一つの目標を掲げる。

「正直に言えば、小さいころから日本に来ることを夢見ていたわけではないし、本当に驚きのチャンスが巡ってきたけど、いまの素直な気持ちは日本に恩返しをしたいという思いです。これから日本代表も目指して、次のワールドカップに向けて頑張っていきたいと思っています」

長い手足はまるでモデルのような出で立ちで、どこにパワーが潜んでいるのか不思議に思うほど“細身”だ。それでもトゥイノナは、強く自分の胸を叩きながら「大事なのはパッションだよ」とうなずき、「自分たちがコントロールできることのみに目を向けて、80分間、一貫したパフォーマンスを出せるようにしていきたい」と今節に向けて意気込んだ。

待望の初勝利へ、ネイビーの6番は、目の前のことに集中し、自分の役割を全うする。

(須賀大輔)

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