2025.02.21[東京SG]ラグビー留学で学んだ意思疎通の重要性。「やっと来た」初先発でブレイクを狙う

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第9節(交流戦)
2025年2月23日(日)13:05 JIT リサイクルインク スタジアム (山梨県)
東京サントリーサンゴリアス vs 浦安D-Rocks

東京サントリーサンゴリアス(D1 カンファレンスB)

オフシーズンにはニュージーランドで実戦経験を積み、コミュニケーションの重要性を再認識したという仁熊秀斗選手

ディビジョン1はレギュラーシーズン18節中、折り返し前最後の第9節を迎える。東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)にとって5試合ぶりとなるホストゲームは、山梨県のJITリサイクルインクスタジアムに浦安D-Rocksを迎えての一戦だ。ここまで3勝2分3敗と勝率5割。貯金を作って後半戦に臨むためにも、チームに勢いをもたらす存在が欲しい。その最右翼として期待が懸かるのは、今季初先発の仁熊秀斗だ。

「いやもう、『やっと来たな』と。思い切り、自信を持ってやるだけ。自分の力を示す絶好の機会なので、このチャンスを生かして頑張りたいです」

前節、試合途中から今季初出場を果たすと、いきなりトライを決めて存在感を見せつけた仁熊。ライバルひしめく東京SGバックス陣の中でアピールに成功し、今季初先発につなげた形だ。

東京SGバックス陣では今季、河瀬諒介も一気にブレイクし、さまざまなスタッツでリーグ上位につける注目株だ。その絶好調男・河瀬と仁熊には、ある共通項がある。ともに昨季オフの約2カ月、ニュージーランドへのラグビー留学を敢行し、さまざまな実戦経験を重ねてきたことだ。

河瀬諒介選手もオフにニュージーランドへ渡った。その成果もあり今シーズン、好調を維持している

「河瀬とは(ニュージーランドでの留学期間は)違うクラブで、周りに誰も頼れる存在がいない日々。最初はコミュニケーションも難しかったですし、チームメートも敵チームも自分よりも体のデカい選手ばかり。何をすれば、どう動けば通用するのかを日々模索しながら、新しいラグビーを経験できました」

その経験から重要性を再確認し、今季の東京SGでのプレーにも生かせているのが「コミュニケーション」の部分だ。

「ニュージーランドでは、当然ながら信頼を勝ち取らないとボールは回ってこないので、パスをもらうためにもコミュニケーションは重視しました。言葉は片言でも、オフフィールドからとにかく話し掛けてみる。ボールタッチが増えないことには、アタックできないですから。日本に戻ってきてからも、自分がどこでボールが欲しいのか。どのタイミングでパスをもらえればそこから抜けるのか。練習前、試合前のタイミングで周りの選手たちとしっかりコミュニケーションを取って、イメージを共有する。その部分を大事にしています」

シーズン後半戦でも出番を増やすため、さらに存在感を見せたい一戦。オフ・ザ・ボールで仁熊がどんな声掛けをしているのかにも注目したい。

(オグマナオト)

2025.02.21[浦安DR]山梨で過ごした時間は「最高の4年間」 快足ウイングが第二の故郷での凱旋試合に臨む

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第9節(交流戦)
2025年2月23日(日)13:05 JIT リサイクルインク スタジアム (山梨県)
東京サントリーサンゴリアス vs 浦安D-Rocks

浦安D-Rocks(D1カンファレンスA)

山梨学院大学出身のケレブ・カヴバティ選手。「大学時代にお世話になった山梨のみなさんの前でプレーできることを誇りに思っています」

浦安D-Rocks(以下、浦安DR)にとっては仕切り直しの一戦だ。前々節・三重ホンダヒート戦でようやく今季初勝利を挙げながら、前節・リコーブラックラムズ東京戦は優勢だった前半から一転、後半に崩れ痛恨の逆転負けを喫した。リーグワン創設以来、3シーズン連続でプレーオフトーナメントに進出する東京サントリーサンゴリアスと激突する今節は、リスタートを期す大事なゲームとなる。

山梨県での試合開催に心を躍らせ、闘志を燃やす選手がいる。ニュージーランドの高校を卒業後、18歳のときに来日し、山梨学院大学に入学したケレブ・カヴバティにとっては待ちに待った“凱旋試合”となる。

山梨学院大学で過ごした4年間は、特別な時間として刻まれている。スポーツが盛んでさまざまな競技に留学生がおり、多くの仲間と交流を深めたその時間を「最高の仲間たちとの最高の思い出ができた人生の中でも最高の4年間」と振り返るカヴバティは、山梨への愛情を隠さない。「富士山にも行ったし、ほうとうも食べた」と笑い、「河口湖もあるし、ブドウもモモも有名だよね」とすっかり山梨に詳しい。卒業後、まだ大学のキャンパスやグラウンドを訪れることはできていないそうだが、「プライベートでグランピングをしに行った」と、いまでも「第二の故郷」との“交流”は続いている。

そんな愛するセカンドホームでのゲームを前に浦安DRの快足ウイングは決意を新たにする。

「大学時代にお世話になった山梨のみなさんの前でプレーできることを誇りに思っています。まずは自分の役割を全うして、持ち味のアタックで貢献して、山梨県民に誇りに思ってもらえる選手になりたいです」

ここまで4トライはチームトップタイの数字である。今節の舞台、JITリサイクルインクスタジアムは「大学時代にも2回ほどプレーした思い出の場所」。“日本の故郷”に錦を飾るために、カヴバティは山梨仕込みの自慢のスピードと鋭いステップワークで相手を切り裂き、勝利につながるトライを決めてみせる。

(須賀大輔)

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