2025.03.01[東京SG]松島幸太朗が復帰戦へ。『世界を駆けてきた男』が見せる“違い”

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第10節(交流戦)
2025年3月2日(日)14:30 秩父宮ラグビー場 (東京都)
東京サントリーサンゴリアス vs 横浜キヤノンイーグルス

東京サントリーサンゴリアス(D1 カンファレンスB)

松島幸太朗選手が帰ってきた! (©東京サンゴリアス)

ディビジョン1は第10節からいよいよ後半戦へ。現在7位の東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)は3月2日、秩父宮ラグビー場に6位の横浜キヤノンイーグルスを迎えての一戦となる。プレーオフトーナメント出場が懸かる6位以内にまずは入るためにも、是が非でも負けられない戦いだ。

ここまでの9試合、4勝2分3敗と苦しい戦いが続く東京SG。後半戦からの巻き返しへ、やっとあの男が帰ってきてくれた。プレシーズン中の昨年11月に足を故障し、戦線を離れていた松島幸太朗。第6節では、48時間前の試合登録メンバーに入りながらも、試合直前にコンディション不良で離脱。今季リーグワン公式戦初出場がかなわなかったが、満を持して第10節に今季2度目のメンバー入り。ラグビーワールドカップ3大会出場の『世界を駆けてきた男』が今季初出場を目指す。

「久しぶりの公式戦、ワクワクしますね。僕にできること……ボールをどんどんもらいに行って、『アグレッシブ・アタッキング・ラグビー』をしっかり出していきたいです」

待望の復帰戦となる試合の意義を、小野晃征ヘッドコーチも次のように語る。

「見えないところでもハードワークを欠かさない選手なので、僕も松島のプレーを見るのが楽しみ。チームメートもファンも楽しみにしていたはず。今回はリザーブスタートですが、経験のある選手なので、フィニッシャーとしてゲームを締めてほしいと思います」

松島の復帰はチームの競争を促す上でも大きい。ここまで、松島に代わってフルバックで出場を続けてきた河瀬諒介は、この前半戦で大きく飛躍。『ディフェンス突破』ではリーグ1位の成績を残すなど、チームにとって欠かせない存在となっている。可愛い後輩の成長を、松島はどのように見てきたのか。

「河瀬はもともといい選手ですから、(ランキング1位に)驚きはないです。彼のランニングスキルは本当に高いですし、『そこを抜けるの!?』というところからも抜くことができる。全チームからターゲットにされる選手になっていくと思うので、その状況でどんなプレーを見せてくれるのか、楽しみです」

後輩の成長を頼もしく振り返りつつも、松島もまだまだ譲るつもりはない。

「ランニングスキルは同じくらいだと思うので、キッキングスキルでは違いを見せられれば。でも、まずはチームにフォーカスすることしか考えてないです。今節の相手は勝ち点も同じですし、どちらも譲れないものがある。最後は『本当に勝ちたい』という気持ちの強いほうが勝つと思うので、チームみんなで一つになってやっていきたいと思います」

(オグマナオト)

2025.03.01[横浜E]古巣戦で迎える100キャップ。譲れない、“ターニングポイント”での勝利

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第10節(交流戦)
2025年3月2日(日)14:30 秩父宮ラグビー場 (東京都)
東京サントリーサンゴリアス vs 横浜キヤノンイーグルス

横浜キヤノンイーグルス(D1 カンファレンスA)

自分の役割を「セットピースを安定させて、しっかりと相手にプレッシャーを掛けること」と語る中村駿太選手

3連敗中で足踏みが続く横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)は今節、勝ち点21で並ぶ東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)とのビジターゲームに臨む。

三重ホンダヒートとの前節は激闘の末、「ショッキングな敗戦」(中村駿太)だった。それでも、初のチャンピオンを目指す横浜Eに下を向いている暇はない。苦境脱出へ。フッカーで先発予定の中村は「チーム一丸、一貫性をもってプレーし続ける」と言葉に力を込める。

一昨季まで東京SGに所属し、古巣戦を戦う中村の頭の中には、“指標”とすべき試合がある。それは昨季の第11節、秩父宮ラグビー場での東京SG戦。田村優の“サヨナラペナルティゴール”で劇的に勝利したあと、中村は「シーズンの潮目が変わった」ことを実感したという。「今季のサンゴリアス戦もチームが波に乗るきっかけとなるようなゲームにしたい」。中村の気持ちは、チームの総意だろう。

もちろん、東京SGはかつて所属した古巣であるため、相手の実力も分かっている。「現状は求めている結果が出ていないかもしれませんが、もともと力のあるチームだし、侮れない」と中村。「自分を育ててもらったクラブ。自分が成長した姿を見せたい」という個人的な感情は二の次で、「サンゴリアスを倒したい」との決意は固い。

なお、今節は中村にとって、ジャパンラグビー トップリーグ&ジャパンラグビー リーグワン通算100キャップに到達する節目の試合だ。時を遡れば、トップリーグのファーストキャップは沢木敬介監督が率いていたサントリーサンゴリアス(当時)で。また節目の100キャップは沢木監督が率いる横浜Eの選手として、古巣の東京SG戦で達成する。なんという運命的な巡り合わせだろうか。さらに中村は試合2日前の2月28日に31歳の誕生日も迎えた。“メモリアルウィーク”を勝利で飾るために、中村自身が果たすべき役割とは──。

「セットピースを安定させて、しっかりと相手にプレッシャーを掛けること。あとは自分の強みであるフィールドプレーの部分でどれだけチームに貢献できるか。それに尽きると思います」

“ターニングポイント”の勝利は、意地でもつかみ取る。

(郡司聡)

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