2025.03.20[相模原DB]英国育ちの大型ロックが誓う全身全霊。挑戦への情熱を燃やし、いまこのときに全力を注ぐ

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第12節(交流戦)
2025年3月22日(土)14:40 岐阜メモリアルセンター 長良川競技場 (岐阜県)
トヨタヴェルブリッツ vs 三菱重工相模原ダイナボアーズ

三菱重工相模原ダイナボアーズ(D1 カンファレンスA)

「いまはダイナボアーズでのプレーに集中し、全力を尽くします」と、ルイス・チェッサム選手

三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)とトヨタヴェルブリッツ(トヨタV)の今季2度目の対戦。両チームにとって、後半戦の巻き返しに勢いをつけるための重要な戦いになるだろう。

相模原DBは前節、東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)に公式戦で初勝利。前回対戦でトヨタVに勝利して以降、喫した3連敗で失いかけていた自信を取り戻した。

東京SG戦にフル出場したルイス・チェッサムはトヨタV戦での役割を、「東京SG戦でうまくいった『フィジカルバトルに勝ち、スクラムやラインアウトを安定させていい土台を作る』ことが大事です」と展望する。

チェッサムは相模原DBが選手派遣などのパートナーシップを結ぶイングランドのレスターを本拠地とする強豪レスター・タイガースからの助っ人。2023年のU20シックス・ネイションズ・チャンピオンシップのスコットランド戦でU20イングランド代表のキャプテンを務めた。

出場停止や負傷で補強が急務となっていたロックのポジションで第6節のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦にてリーグワンデビューを果たして以降、全試合に出場。負けん気の強さを垣間見せるプレーが魅力だ。

「日本のラグビーはテンポが早くて、ボールを多く動かして走る距離は少々長いですが、ラグビーの基礎はどこでも同じです。なので、いつもどおりのプレーをしようと心掛けています」とラグビー発祥国の選手らしいプライドを感じさせつつ、日本でチャレンジしている様子もうかがえる。

「イングランドでは自分がボールキャリーをすることは役割としてあまりなかったのですが、日本でコーチのアドバイスを受けながら取り組んでいます。チェイスも、加速は速くはないですが、動き出したら遅くはないと思うので、キックを裏に蹴られたら戻るように努力していますし、自分は背が高いので低くコンタクトに入るということを意識しています。コンタクトでもっと優位に立てるようにしたいです」

同じポジションのウォルト・スティーンカンプやエピネリ・ウルイヴァイティからは、相模原DBのDNAを学び、「同じようなプレーでチームに貢献」できるように頑張っているという。

トヨタV戦は、「若いときから見ていたアーロン・スミス、リッチー・グレイ、マイケル・フーパーと同じフィールドに立てることはうれしいですが、試合に入ったら気にしません」と語る。

来季はレスター・タイガースに戻る予定だという。「パートナーシップでここに来られたことを感謝しています。いまはダイナボアーズでのプレーに集中し、全力を尽くします」と持てるすべてを相模原DBのために誓う。

(宮本隆介)

2025.03.20[トヨタV]メークドラマのカギは伝統と誇り。フォワードの強さを生かし、何が何でも前へ出る

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第12節(交流戦)
2025年3月22日(土)14:40 岐阜メモリアルセンター 長良川競技場 (岐阜県)
トヨタヴェルブリッツ vs 三菱重工相模原ダイナボアーズ

トヨタヴェルブリッツ(D1 カンファレンスB)

トヨタヴェルブリッツの伝統はフォワードの強さ。泥臭くそこにこだわっていきたいと語る1番(左プロップ)の三浦昌悟選手

11位のトヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)が、10位の三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)を迎えるホストゲーム。両者の勝ち点差は『3』で、トヨタVが8点差以上で勝てば順位が入れ替わり、相模原DBが勝てば残留争いにおいて大きなアドバンテージを得ることになる。

前回の両者の対戦は、前半に6トライを奪われたトヨタVが後半猛追したものの、あと1本のトライが奪えずに40対44で惜敗。トヨタVは伝統的にフォワードの強さを誇りにしているが、それを相模原DBに上回られた形で、チームがショックを受ける敗戦だった。

ただ、これまで歴史を紡いでくれた先輩たちのためにも黙っていられるはずはない。フロントローはシーズン中でも関係なく、厳しいウエイトトレーニングに励んできた。その成果が現れたのは前節の東芝ブレイブルーパス東京戦。後半の20分にトライライン直前の相手のペナルティで、選択したプレーはラインアウトではなくスクラムだった。

日本代表のキャップを持つ三浦昌悟は、「ナギー(アーロン・スミス)が『フォワード、いけるか』って聞いてきたので、フォワード全員で自信をもってスクラムをチョイスしました。先週の練習からフォワードパックとしてすごくいい準備ができていましたし、フォワードバトルにこだわることで、もっとチームにエナジーを与えたかった」と、その場面を振り返る。

チームの指揮を執るスティーブ・ハンセン ヘッドコーチ/D.O.Rも「スクラムに関してはすごく良かった。次への自信としてつなげていきたい」と手ごたえを感じた様子。勝利は手にできなかったが、メークドラマの種はつかんだ。

三浦はさらに語る。「ここ最近、トヨタVの強みを見失っていた部分があって、どこかできれいにプレーしようと考え過ぎていました。でもやっぱりトヨタVの伝統はフォワードの強さですし、泥臭くそこにこだわって、何が何でも前に出るというところを意識しています」

今節は目指していたものとは真逆の残留争いという大一番ではある。ただ、原点に戻ったトヨタVがリベンジに成功すれば、プレーオフトーナメントに進出ができる“奇跡の6位”が見えてくるかもしれない。

(斎藤孝一)

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