NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第13節(交流戦)
2025年3月30日(日)14:30 秩父宮ラグビー場 (東京都)
リコーブラックラムズ東京 vs コベルコ神戸スティーラーズ
コベルコ神戸スティーラーズ(D1 カンファレンスA)
前節、劇的な逆転勝ちで開幕から続いたビジターゲームの連敗を5で止めた5位・コベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)。3月30日に開催される今節も前節に続いて舞台は秩父宮ラグビー場。9位・リコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)を打ち破り、今季初の3連勝を飾りたい。
死闘だった前節・東京サントリーサンゴリアス戦。3点ビハインドで迎えた敗北寸前の後半40分、神戸Sは相手ボールのラインアウトを見事にスティールした。成功させたのは小瀧尚弘だ。高く飛び、懸命に伸ばした右手の指先でボールをかっさらう。松永貫汰による逆転の決勝トライにつながるビッグプレーだった。
その日から5日が経過した28日、公開練習で小瀧に聞いた。いまだ鮮明に脳裏に刻まれる、あの興奮のビッグプレーのことを――。待っていたのは、至って冷静な32歳のロックだった。
「僕のジャンプばかりフィーチャーされがちですけど、後ろのリフターの具君(具智元)も投げて僕の膝裏くらいまで手が来ていました。ガズラ(ブロディ・レタリック)も判断した中でいいリフトをしてくれました。フォワード全員で取ったターンオーバーかなと思います」
小瀧が強調したのは全員でつかんだ成果ということ。長く日本最高峰のリーグで戦い続ける男から漂ったのは、自らに根付くフォア・ザ・チームのマインドだ。ただ、途中出場したのは後半35分のこと。「残り5分まで出られなかったことにフラストレーションがありましたし、『やったった!』というのもありましたね」とも話し、プレーヤーとしての強烈な矜持をのぞかせている。
今季ここまで途中出場の3試合のみとチャンスに恵まれていない。それでも、「とにかく練習を試合だと思ってやろうと。体を前に置くこと、ブレイクダウンの球際、こぼれたところの反応などを意識しています」と日常から全力勝負。前節のわずか5分の出場の中に、その姿勢は確かなプレーとして発揮された。
「スペースにいいパスもできましたし、そういう小さいところは生きてきているのかなと思います。そのあとのブレイクダウンになったときの激しさを保ちつつできていると思います」
全力に全力を重ね、積み上げてきた心身の経験値がある。「BR東京には大きいフォワードもいるので、そこはフォワードの勝負。負けたくないですね」。小瀧は闘気をはらませ、自らの出番を待つ。
(小野慶太)