2025.03.28[トヨタV]初の10番にも気負いはなし。自分にできることを全力で

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第13節(交流戦)
2025年3月30日(日)13:05 クラサスドーム大分(旧レゾナックドーム) (大分県)
横浜キヤノンイーグルス vs トヨタヴェルブリッツ

トヨタヴェルブリッツ(D1 カンファレンスB)

トヨタヴェルブリッツにはアーリーエントリーで今年の1月末に加入したばかり。初の10番としてどんなプレーをみせてくれるのか、小村真也選手

レギュラーシーズンは今節を含めて残り6試合。D1/D2入替戦を回避するためにも、蜘蛛の糸のように細くなったプレーオフトーナメント進出のためにも勝利という2文字をつかみたいトヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)は今節、前回対戦で追い上げ及ばず敗れた横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)とのビジターゲームを戦う。

チームの顔と言える姫野和樹や松田力也など、負傷者が多く出ている苦しいシーズンだが、トヨタVはその苦しさを逆手に取って、未来への種蒔きをしっかりとできている。それはアーリーエントリーの青木恵斗や小村真也など、若手の積極的な起用を見ても分かるだろう。その中で今節、小村が初めて10番を背負いピッチに立つ。

「単純にいいプレーをしているからというのが理由です。彼の能力値としてハンドリング、クイックなボールさばき、スピード、フットワークなどクオリティーが高く、試合の序盤をどうコントロールするのか見ていきたいと思っています」

スティーブ・ハンセン ヘッドコーチ/D.O.Rは、全幅の信頼を寄せている。

小村も初先発に気負いはない。「リーグワンの試合自体は経験させてもらっているので、そこまで緊張はないです。今までやってきたことをスタートから出せればいいなと思っています」と、1mmの不安も感じていないようだ。託されたタスクは、自分にできることを全力でやること。フレッシュさを生かしてチームに勢いを与えることだと認識している。

将来は日本代表入りを嘱望されている小村だが、その前に「チームの中で信頼される選手になること。僕がいればチームを勝たせてくれると思われる選手になること」が先で、「いまは何も考えずに自分のプレーに集中したい」と浮かれる様子はない。

これまで何人もの有力選手がトヨタVに入団したものの、選手層が厚くなかなか若手に出番は回ってこなかった。小村や青木がアーリーエントリーながら出場機会を得ているのも何かの星をもっているからだろう。試合でしか得られない経験を積んで大きく成長してほしいと切に願う。

(斎藤孝一)

2025.03.28[横浜E]親族も集う地元・九州で勝利をつかむために。信じるのは“イーグルスの力”

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第13節(交流戦)
2025年3月30日(日)13:05 クラサスドーム大分(旧レゾナックドーム) (大分県)
横浜キヤノンイーグルス vs トヨタヴェルブリッツ

横浜キヤノンイーグルス(D1 カンファレンスA)

横浜キヤノンイーグルスの南友紀選手。地元・九州での試合に先発メンバーとして出場する

2連敗からの巻き返しを誓う横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)は今節、セカンダリーホストエリアの大分県でトヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)とのホストゲームを戦う。今季唯一の大分開催は、クラサスドーム大分(旧レゾナックドーム)で3月30日(日)13:05にキックオフのホーンが鳴る。

福岡県出身の南友紀にとって、今節は地元・九州でのホストゲーム。1番を背負い、プロップで先発出場する南の晴れ舞台を、大分出身の父を筆頭とした親族も観戦に訪れる予定だという。

悲願のチャンピオンへ。今季新加入の南は頂点を目指す横浜Eの一員となったが、ここまではなかなかチームの結果が伴わず、もどかしいシーズンを過ごしてきた。ただ外からではうかがい知れなかった横浜Eのチームとしての強みを思うと、なかなかチームに貢献できていない自分の力不足を含め、現状の結果が歯がゆくて仕方がない。それでも、南はイーグルスの力を信じている。

「イーグルスのチームとしての強みは、メンバーやライザーズ(ノンメンバーの総称)、フォワード陣やバックス陣といったチーム内での立ち位置やポジションに関係なく、チームのために、一人ひとりが自分の仕事を徹底して全うできること。シーズンも終盤に差し掛かってきましたが、何かを変えるとか、新しいことをやるのではなく、今までやってきた自分たちのラグビーを信じて貫くだけです」

イーグルス流の“アタッキング・ラグビー”を実践することが、チームの勝利につながる。そう信じている南が、トヨタV戦で自身に課している役割は。「自分に求められているセットピースやディフェンスの役割を徹底して全うすること。それに尽きると思います」

なお、嶋田直人の存在が横浜E移籍の決め手の一つとなった南にとって、すでに今季限りでの現役引退を表明しているフランカーと過ごせる時間も限られてきた。試合後も練習後もディフェンスのレビューを共有している先輩へ恩返しするためにも、「一つでも多くの勝利を一緒に味わいたい」と心に誓う南は、「まずはトヨタV戦に勝ちたい」と勝利への強い意欲を示した。

(郡司聡)

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