2025.04.04[静岡BR]史上最高の静岡BRへ。頼れる男はそのすべてを惜しみなくチームへと注ぐ

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第14節(リーグ戦)カンファレンスA
2025年4月5日(土)14:00 ヤマハスタジアム (静岡県)
静岡ブルーレヴズ vs 三菱重工相模原ダイナボアーズ

静岡ブルーレヴズ(D1 カンファレンスA)

静岡ブルーレヴズのチャールズ・ピウタウ選手。万能のオールラウンドプレーヤー

前節・東京サントリーサンゴリアス戦は5点差で敗れ、4連勝には至らなかった静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)。悔しい敗戦だったが、自信を失う負け方ではなく、三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)とのホストゲームに向けて気持ちの切り替えもできている。

今節は、前節を欠場したチャールズ・ピウタウも先発で戻ってくる。特にピウタウが戻ることで、今季の大きな武器であるスリークォーターバック(センターとウイング)の主力4人がそろい、「(相模原DBに対しては)アタックし続けることが大事」と藤井雄一郎監督が語る戦略面でも大きな力を発揮するはずだ。

昨季、静岡BRに加入したピウタウは、ウイング、センター、フルバックと複数のポジションをこなし、ニュージーランド代表とトンガ代表でも多くの経験を持つ世界レベルのプレーヤー。

「ディフェンスもいいし、アタックもいい。パスもできるし、キックもできる。そして、ラグビーのIQも高い。非常にオールラウンドで、ミスも少ないし、頭脳でチームを導いてくれる。やっぱりオールブラックスですよね」と藤井監督も全幅の信頼を寄せる。頭脳とスキルとフィジカル、すべてを兼ね備えた頼れる男だ。

また「チャールズがいないとバックスのコネクトがうまくいかなくなる」(藤井監督)という面もあり、ピウタウ本人もセンターを務める際には「外側の情報を9番、10番というゲームを動かす選手に伝えることを意識しています」と言う。

そうしたラグビーIQの面は「ニュージーランドでラグビーをしているときから、素晴らしいコーチや素晴らしい選手が周りにいたので、彼らに質問して学んだり教えてもらったりして、知識が増えたと思います」と語る。それを静岡BRの若い選手たちに伝えようとする意識も強い。

「自分は年長の選手(33歳)なので、自分のナレッジ(知識)やスキルを若い選手に伝えていきたいと常に考えています。それは単にスキルだけでなく、自分の経験や振る舞いも含めて伝えていけたらなと思っています」

今節を含む残り5試合に関しては、「今季はチャンピオンになってトロフィーを掲げるために日々の練習や試合に取り組んでいます。だから最後の5試合は全部勝って、プレーオフトーナメントに向けて自分たちのベストなラグビーを作り上げていきたいです」と語る。

その落ち着きや自信、そして彼のプレーや振る舞いのすべてが、今季の静岡BRの躍進に絶大な貢献を果たしていることは間違いないだろう。

(前島芳雄)

2025.04.04[相模原DB]「若手の成長はチームの未来」。指揮官の期待に応える若手たちの台頭

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第14節(リーグ戦)カンファレンスA
2025年4月5日(土)14:00 ヤマハスタジアム (静岡県)
静岡ブルーレヴズ vs 三菱重工相模原ダイナボアーズ

三菱重工相模原ダイナボアーズ(D1 カンファレンスA)

三菱重工相模原ダイナボアーズのジョアペ・ナコ選手。フィジーから大分東明高校に留学、日本大学に進んだ

今季のアーリーエントリーで三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)に加入し、直近の5試合連続で先発出場。今節の静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)戦でも先発メンバーに選ばれたフィジー出身のジョアペ・ナコが気を吐いている。

リーグワンデビューとなった埼玉パナソニックワイルドナイツ戦では、右サイドで抜け出して大きく前進すると対面した日本代表の長田智希をはじき飛ばすプレーで鮮烈な印象を残した。

幼少期はココナッツやペットボトル、丸めた服をラグビーボール代わりにして遊び、大分東明高校に留学するために来日。「ラグビー(スキル)はもう伸びないと思っていて、高校3年でフィジーに帰るつもりだった」(ナコ)が、2年と3年時に全国高校大会で活躍し、日本大学に進学。プロ選手への扉を開き、兄と慕う同郷のエピネリ・ウルイヴァイティのアドバイスを受けて、相模原DB入りを決めた。

リーグワンのようなインターナショナルなリーグで、その語学力は強みになるはずだ。ナコは来日して3カ月で日本語を身に付けたという。「高校では英語を話せる人が身近なところに一人しかいなかったので、ラグビーを通じて(日本語を)覚えました」。

優れた学習能力を持つ。相模原DB加入後はディフェンス強化にフォーカスし、ウェイトトレーニングで体重を5kg増量。ターンオーバーに必要なスキルを磨き、前節のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦では課題だったディフェンスの連係でも進化を見せた。

相手ディフェンスをするするとかわすボールキャリーが持ち味のベン・ポルトリッジを“柔”とすれば、力強いボールキャリーとタックルが持ち味のナコは“剛”。立ちはだかる敵を物ともせずに突き進む。

静岡BRとは常に接戦を繰り広げ、フィジカルバトルを制したほうに軍配が上がっている。「バチバチいきます」とナコ。対面するマロ・ツイタマとのマッチアップも見どころになるだろう。

今季はナコに加えて、ハニテリ・ヴァイレアや蔡唯志といったルーキーや加入2年目の松本光貴が出場機会をつかんでいる。「若手の成長はチームの未来」と口にするグレン・ディレーニー ヘッドコーチの期待に応えられるか。

(宮本隆介)


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