2025.04.09[埼玉WK]シーズン終盤で“サイクロン”が襲来。マリカ・コロインベテが王座奪還の切り札となる

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第15節(リーグ戦)カンファレンスB
2025年4月11日(金)19:00 秩父宮ラグビー場 (東京都)
三重ホンダヒート vs 埼玉パナソニックワイルドナイツ

埼玉パナソニックワイルドナイツ(D1 カンファレンスB)

埼玉パナソニックワイルドナイツのマリカ・コロインベテ選手。「一戦ごとに状態が上がり、80分プレーする準備ができてきました」

埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)は4月11日(金)、ビジターゲームで三重ホンダヒートと対戦する。リーグ終盤を迎えて、“サイクロン”の異名をもつ元オーストラリア代表の超快足ウイング、マリカ・コロインベテがコンディションを高めている。

開幕当初はリハビリの影響でメンバー外が続いた。今季の初出場は第11節の静岡ブルーレヴズ戦。ゲームでのプレーを通じて感覚を高めると、前節のトヨタヴェルブリッツ戦では前半23分に敵陣深くでパスを受け、そのまま右サイドへ突進して今季初トライ。本来のスピードが完全に戻ってきた。

「一戦ごとに状態が上がり、80分プレーする準備ができてきました。まずはハードワークして、自分の役割を果たすことを考えています」

2022年に埼玉WKに加入し、今季で在籍4シーズン目。2022シーズンにチームはリーグワン初代王者に輝くと、一昨季、昨季はプレーオフトーナメント決勝で惜しくも敗れたものの、レギュラーシーズンは1位で通過。過去3シーズンのリーグでの敗戦はわずかに1試合(不戦敗を除く)だった。ところが、今季はすでに2敗を喫して、現在は2位となっている。

「リーグ全体のレベルが上がっているのは間違いない。ファンにとってはエキサイティングな試合が増えているし、それは日本ラグビー界にとっては良いこと。簡単な試合は1試合もないが、ワイルドナイツには過酷な戦いを勝ち切る力があります。プレーオフトーナメントの出場枠が6チームになっていますが、大事なことは目の前のゲームに集中することです」

来日4年目。日本の文化、熊谷の環境を心から楽しみ、ラグビーに専念する。オフには、子供たちと一緒にスキー場へ足を運び、リラックスする。「スキー?フィジー生まれなので自分はできないし(笑)、選手なのでやることはありません。子供たちが雪で遊ぶのを見ているよ」。住み慣れた環境が、コロインベテの力を引き出している。

「日本はみんなが親切で礼儀正しいので大好きな国。何よりもファン、チームメートを含めたワイルドナイツファミリーが素晴らしい」。プレーオフトーナメントに向けて加速していく“サイクロン”がチームの王座奪還の切り札となる。

(伊藤寿学)

2025.04.09[三重H]悔しさを乗り越えた先の歓喜を。学生時代の記憶を胸に白星を目指す

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第15節(リーグ戦)カンファレンスB
2025年4月11日(金)19:00 秩父宮ラグビー場 (東京都)
三重ホンダヒート vs 埼玉パナソニックワイルドナイツ

三重ホンダヒート(D1 カンファレンスB)

三重ホンダヒートのスタンドオフ、呉 洸太選手

「チームが試合に勝っても、僕は悔しい気持ちが強かった」

三重ホンダヒート(以下、三重H)の呉洸太は、序盤戦を振り返ってそう語った。昨季はシーズンをとおして試合に絡んだが、今季はポジションが重なるマヌ・ヴニポラや中尾隼太が加入した影響もあり、開幕からはなかなかメンバーに入れず。ライバルとともに練習する中、彼は複雑な思いを抱いていた。

「悔しさの反面、『僕は負けている』という実感もあったんです。二人とも経験豊富ですし、プレーも上手でした。ただ、時間が経つにつれて試合に出たいという思いが強くなり、チームが勝っても悔しさのほうが大きくなりました」

今季初めて公式戦のグラウンドに立った第8節の三菱重工相模原ダイナボアーズ戦が転機となる。試合終了間際、呉は勝利をもたらすコンバージョンゴールを決める活躍を見せ、そのあとはすべての試合で起用されるようになった。V字回復の理由について尋ねると、こう語った。

「出場できない間は、自分に向き合う機会が増えました。メンバー外でのトレーニングや自主練習のとき、僕に何が足りないのかを考えたんです。ある意味ではリラックスできる期間でしたし、自分に集中できました。それが大きな要因だと思います」

今節、三重Hは、11日(金)の19時から埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)とのホストゲームを戦う。会場は東京都の秩父宮ラグビー場。「秩父宮にはいい思い出があります」と呉は語る。

「法政大学での最後の試合で、4年間まったく歯が立たなかった流通経済大学に、秩父宮で勝利することができたんです。みんなで頑張った結果でしたし、その喜びは今でも忘れられないです」

奇しくも、三重Hも埼玉WKに7連敗と苦戦を強いられている。呉は「“再現”したいです。楽しみです」と話した。

「関東のファンや社員の皆さまがたくさん来てくださるはずです。その期待に恥じないプレーをしなければなりません。埼玉WKは上位のチームですが、チャレンジャーとして勝ちにいきます!」

あの歓喜を、もう一度。悔しさを乗り越えて成長した呉が、学生時代の記憶を胸に白星を目指す。

(籠信明)


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