2025.04.10[相模原DB]創業の地での勝利へ。ベテランから学び、若手へと伝える“中間管理職”は奮闘を誓う

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第15節(リーグ戦)カンファレンスA
2025年4月12日(土)12:00 ベネックス総合運動公園 かきどまり陸上競技場 (長崎県)
三菱重工相模原ダイナボアーズ vs 横浜キヤノンイーグルス

三菱重工相模原ダイナボアーズ(D1 カンファレンスA)

スクラムは少しずつ改善できていると語る三菱重工相模原ダイナボアーズの石井智亮選手

三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)は今節、長崎県のベネックス総合運動公園かきどまり陸上競技場に横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)を迎える。

相模原DBにとって長崎県では2度目となるホストゲーム。昨季はトヨタヴェルブリッツとの競り合いに敗れたが、世界的名手が大活躍する“ボーデン・バレット劇場”で長崎のラグビーファンを魅了した。今季こそ、母体企業である三菱重工の発祥の地で勝利の旗印をなびかせたい。

横浜E戦に向けたチーム練習後、フォワード最前列で相手フォワードと組み合うフロントロー組が最後までグラウンドに残り、スクラムの調整を行っていた。

選手の負傷が原因でフロントローのメンバーが固定できない状況でも、石井智亮は「セットピースがうまくいかなくて落としてしまった試合もあるので、責任をもって取り組み、日々改善をしなければいけないと思っています。シーズン中はスクラムをあまり組めないので、限られた中で練習方法を工夫しています」と明かす。

町田市に囲まれた川崎市の飛び地である岡上の出身。無名校でラグビーを始める前はサッカーのゴールキーパーだった。恵まれた体格で頭角を現し、成蹊大学から近鉄ライナーズ(当時)に社会人選手として加入。プロになるために相模原DBへ移籍して4シーズン目、チームでは中堅選手となった。

「安江(祥光)さん、知念(雄)さんというレジェンド級のベテランから引き出しをいただいて、若手に伝えるのが僕の役割で、いわば中間管理職のような存在です」と笑い、こう続ける。

「僕らは経験があると思いますが、それぞれ(スクラムの)組み方が違うので、練習以外でも合わせていくしかありません。また、若い選手がいま、試合にどんどん出るようになってきているので、彼らとイチから作っていくこともやっています」

選手やコーチとのコミュニケーションを重ね、スクラムは少しずつ改善できていると胸を張る。リーグワンでは4試合を戦い、未勝利の横浜Eをどのように攻略するのか。石井は「前回の対戦ではセットピースでかなりやられて負けた印象があります。三菱重工創業の地で、改善した、いいプレーができるように努めていきます」と力を込めた。

(宮本隆介)

2025.04.10[横浜E]「自分が先頭に立ってやっていきます」。過去を振り返らず、前だけを見据える男の決意

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第15節(リーグ戦)カンファレンスA
2025年4月12日(土)12:00 ベネックス総合運動公園 かきどまり陸上競技場 (長崎県)
三菱重工相模原ダイナボアーズ vs 横浜キヤノンイーグルス

横浜キヤノンイーグルス(D1 カンファレンスA)

前節に続いて12番で先発する、横浜キヤノンイーグルスの南橋直哉選手

前節の浦安D-Rocks(以下、浦安DR)戦で勝利し、連敗を3で止めた横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)が2連勝に挑む今節は、三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)とのビジターゲーム。ベネックス総合運動公園 かきどまり陸上競技場での“神奈川ダービー”は、4月12日(土)正午にキックオフの号砲が鳴る。

連敗脱出に成功した浦安DRとの激闘後、プレーヤー・オブ・ザ・マッチを受賞した南橋直哉がロッカールームの扉を開けると、チームメートたちは「みんなが茶化すような雰囲気で盛り上がっていた」という。南橋のキャラクターを理解しているからこその祝福の形に、当事者はうれしさを隠せなかった。

こうして3連敗中のチームが苦境を脱した一方で、終了間際には相手に3つ目のトライを許したため、ほぼ手中に収めていたボーナスポイントが手のひらからこぼれ落ちた。決して手放しでは喜べない勝利。それでも、南橋はこう言って前を向く。

「試合の終わり方は良くなかったですが、残りの4試合を全部勝って、ポイントを重ねていけばいいだけの話です」

2連勝を目指す横浜Eに立ちはだかる相手は、神奈川のライバル、相模原DB。「シンプルに力強いボールキャリーをできる選手がいて、アグレッシブに前へ出てくる相手」に対して、南橋はチームで対抗することを強調している。

「前節の試合前のハドルで話したことは、良いプレーが出たときには、毎回そのプレーに対してみんなで喜び合おうということ。そうやってチームを鼓舞して士気を高めることが、きっとチームの一体感につながると思っています。今週も自分が先頭に立ってやっていきます」

そう言って腹を括った南橋が、相模原DBを撃破するために課した自身のタスクとは。

「体を張って相手を前で止めて、ボールキャリーでも前に出て、チームを前に出すようなプレーで貢献したいです」

イーグルスの代名詞“アタッキング・ラグビー”の遂行へ。先頭に立ってチームをけん引する12番の一挙手一投足から目が離せない。

(郡司聡)

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