2025.04.11[静岡BR] 誰が入っても楽しみなポジション。“静岡BRの15番”は選手層の厚さの象徴

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第15節(リーグ戦)カンファレンスA
2025年4月12日(土)12:00 秩父宮ラグビー場 (東京都)
東芝ブレイブルーパス東京 vs 静岡ブルーレヴズ

静岡ブルーレヴズ(D1 カンファレンスA)

今節の静岡ブルーレヴズのフルバック(15番)は奥村翔選手

前節の三菱重工相模原ダイナボアーズ戦では良い勝ち方(38対8)で今季10勝目を挙げ、プレーオフトーナメント進出に大きく前進した静岡ブルーレヴズ。今節の相手は、プレーオフトーナメントで対戦する可能性もある東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)であり、「どうやって勝つかというのはすごく大事」と藤井雄一郎監督は言う。

今後も見据えた残り4試合で好材料となっているのは、負傷者の復帰もあり選手層が厚くなっていることだ。今節では、伊藤平一郎と山口楓斗がけがから復帰して第8節のトヨタヴェルブリッツ戦以来のメンバーに入った。これは戦力的にかなり大きい。

それに伴いチーム内の競争はさらに激しくなっており、特にフルバックのポジション争いは激化している。前節では奥村翔が先発出場し、攻守に良い働きを見せて今季初トライも挙げた。そこに山口が加わり、チャールズ・ピウタウとサム・グリーンもフルバックでのプレーが可能。誰が出ても高い水準でプレーできるという、楽しみなポジションになっている。

そうしたポジション争いの激化をどう捉えているのか。奥村や山口も、前向きに受け止めている。

「いまは選手層がすごく厚くて、何か突出してやれる部分がないと試合に出られない。ただ、それができれば、『この試合は奥村の特徴を生かしたゲームプランでいこう』と、起用の可能性が増えると思います。だからもっと自分の特徴を生かしていきたいし、それが成長にもつながると思っています」(奥村)

「どのポジションでも出た選手が試合のたびに成長していますし、そういう競争は自分にとってもすごくプラスになっています。けがで外れている間は悔しかったですが、自分がやれることをしっかりとやってきましたし、リハビリ期間に考えていたことをしっかりとプレーに出したいです」(山口)

そうした競争や今季の躍進の中で、選手たちに明からな変化が見られると藤井監督は言う。

「選手たちのレベルも上がってきたし、頭の中や意識もすごく変わってきた。(今季の)最初のころとは違います。みんなが本気で優勝したいと思っているから、新しい選手が入っても、『自分が何とかしたい』とアピールする感じにはならず、『チームのためにやらなきゃ』と思ってプレーしてくれているので、すごく良い流れだと思います」

優勝するために積み上げてきたものを、昨季の王者・BL東京に対してどれだけ表現できるか。勝敗以外にも非常に見どころの多い戦いとなるはずだ。

(前島芳雄)

2025.04.10[BL東京]激しいトレーニングと前向きな明るさが共存。リベンジマッチに向けて、「今回は圧倒」を

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第15節(リーグ戦)カンファレンスA
2025年4月12日(土)12:00 秩父宮ラグビー場 (東京都)
東芝ブレイブルーパス東京 vs 静岡ブルーレヴズ

東芝ブレイブルーパス東京(D1 カンファレンスA)

ショートウィーク(中5日)も気にならないという、東芝ブレイブルーパス東京の橋本大吾選手

ディビジョン1で首位に立つ東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)は4月12日、秩父宮ラグビー場で、同4位の静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)と対戦する。

BL東京にとっては、今季唯一の黒星(第5節、28対34)を喫した相手との“リベンジマッチ”となるが……、4月8日の練習はバランスボールを使ったゲーム対決で始まり、選手もコーチ陣も歓声を上げて盛り上がっていた。

橋本大吾は「普段からそうなのですが、練習の最初はみんなで盛り上げてから始めています」と笑顔を見せる。接戦が増えた今季も終盤に入り、今節は5連戦の5試合目で、さらにショートウィーク(中5日)となるが、チームは前向きな空気に包まれて試合への準備を進めていた。

日本代表3キャップを持つ橋本も、チーム状態に手ごたえを感じている。

「シーズン序盤と比べて、いまはみんなが少しずつ成長して、より良いチームになっています。体の疲れはもちろんありますが、ショートウィークでもそれぞれが練習に向けて頭をクリアにする時間はあるのであまり気にしていません」

第5節の静岡BR戦では、スクラムやモールで苦戦しただけではなく、上半身へのチョークタックルを受けたことでアタックのリズムを狂わされたことも誤算だった。チームは前節のコベルコ神戸スティーラーズ戦で今季最多の73点を奪っており、ボール出しの部分が安定すれば、攻撃力を生かすことができそうだ。

「前回はフォワード戦でやられたので、今回は圧倒したいです。ウチには良いバックスがたくさんいるので、そこに良いボールを供給できるように。僕らがまずはフォワードの戦いに勝つことが重要です」

かつては“親に見せられない練習”で栄光をつかんできたクラブだが、いまは激しいトレーニングと前向きな明るさが共存している。今節はリーグワン連覇に向けて重要な一戦となるが、選手は充実の表情でラグビーを楽しんでいる。

BL東京は悲壮感なく、リベンジマッチに挑む。

(安実剛士)

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