2025.04.11[BR東京]「激しさに、どう冷静さを乗せるか」。31歳のリーダーは精度にこだわり抜く

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第15節(リーグ戦)カンファレンスB
2025年4月13日(日)14:30 ゼットエーオリプリスタジアム (千葉県)
リコーブラックラムズ東京 vs トヨタヴェルブリッツ

リコーブラックラムズ東京(D1 カンファレンスB)

リコーブラックラムズ東京の松橋周平 共同バイスキャプテン。「結局ラグビーは、気持ちがあってのスキル。激しさに、どう冷静さを乗せるか」

松橋周平は言った。

「僕は、ただただチームが勝つために必死な人間です」と。

第5節以降、リコーブラックラムズ東京のキャプテン・武井日向が戦列を離れている。通常であれば、バイスキャプテンを担う松橋がゲームキャプテンを引き継ぐことがセオリー。だがシーズン中盤戦以降、TJ・ペレナラがゲームキャプテンを務める試合が続く。

「僕はいま、リザーブに回る機会が多い。そうなるとグラウンドに立つ時間の長いTJがゲームキャプテンを務めることになります」と松橋は説明した。

今季これまでメンバー入りした試合は12試合。うち5試合が先発で、7試合がリザーブからの出場だった。

チームスタッフからは「松橋がリザーブにいることで、メンバーが代わってもリーダーがピッチ上にいる状態を作れる」という声も聞こえるが、松橋自身は「それはポジティブな言い方。僕自身はリザーブに満足はしていません」と断言する。

一方、自主練習では、“リザーブだからこそ”のスキル習得にも打ち込む。スティールに入る姿勢を、パターンを変えながら繰り返し練習した。

「リザーブは出場時間が限られるので、短い時間の中でどう自分の強みを発揮するか。そのために、実行力を上げたいと思っています。自分の強みを出すことができたら、絶対にチームのプラスになる。僕は、そういった意味でのリーダーでもあると理解しています」

31歳の心強きチームマンは、チームのために自分のプレーがあることを心得ている。

プレーオフトーナメント進出の残り3枠を懸けた争いは、いよいよ最終局面へ。レギュラーシーズン残り4試合、一つも勝ち星を落とせぬ戦いは続く。

松橋は言った。

「やろうとしていることの精度を上げることが大事。『精度』と簡単に言いますが、試合には相手がいて、相手に立ち向かうフィジカルがいる。その中で、なおかつ冷静に戦うことがセットです」

冷静さを優先することで、フィジカル面が後手に回るのではない。激しさの中に、冷静さを併せもつこと。そのバランスが「精度」につながるのだと説いた。

「結局ラグビーは、気持ちがあってのスキル。激しさに、どう冷静さを乗せるか。これが残り4試合のキーポイントになるかな、と思います」

一つでも多くの勝ち点が欲しい、第15節のトヨタヴェルブリッツ戦。

4月13日(日)14時30分にゼットエーオリプリスタジアムでキックオフする。

(原田友莉子)


2025.04.11[トヨタV]3カ月ぶりの復活となる姫野和樹が語る若手台頭の意義。「競争が選手を育て、チームを底上げする」

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第15節(リーグ戦)カンファレンスB
2025年4月13日(日)14:30 ゼットエーオリプリスタジアム (千葉県)
リコーブラックラムズ東京 vs トヨタヴェルブリッツ

トヨタヴェルブリッツ(D1 カンファレンスB)

この試合で待望の復帰、トヨタヴェルブリッツの姫野和樹キャプテン

ディビジョン1は残り4節。現在10位と苦しいシーズンを送っているトヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)は、D1/D2入替戦回避を目指し9位のリコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)と対戦する。

望んでいたプレーオフトーナメント進出とは真逆の状況になってしまったトヨタVだが、この試合でようやく頼りになるキャプテンが帰ってくる。トヨタVの象徴・姫野和樹。第4節BR東京戦の後半36分にハムストリングを負傷し、およそ3カ月間グラウンドから離れていた。

「グラウンドに立って自分の情熱をみんなに見せることが、自分のリーダーシップの発揮の仕方ですけど、チームが苦しい状況に陥っていたのに助けてあげられなくて、すごくもどかしさを感じながら耐え忍んだ時間でした」と、姫野は振り返る。

ただ、直接相手と対峙できなくても、チームに対して何ができるのかを常に考え、つらいリハビリと並行しながら何かしら動いてきた。試合会場ではスティーブ・ハンセン ヘッドコーチ/D.O.R.らとともにスタンド上段からチームを見守り、時には『WATER』のビブスを付けてグラウンドレベルでサポート。練習では体をイチから鍛え直し、マインドセットも整ったという。

そして、姫野が欠場している間、トヨタVのバックローには大きな変化があった。ルーキーの奥井章仁やアーリーエントリーの青木恵斗が台頭。帝京大学の後輩たちの溌剌としたプレーに、姫野も当然刺激を受けている。

「若い選手がチャンスを得て活躍するのは素晴らしいことだし、競争は僕としても大歓迎です。僕も長い間競争社会で生きてきて、それが選手を育てるということもよく知っています。彼らと一緒に切磋琢磨することで、チームを底上げできればいいし、何より若い選手と競争できることは楽しいんですよね」

奥井や青木には今後もその実力を表現していって、「日本代表に選ばれるようになってほしい」という姫野。そして「6番、7番、8番のバックロー全員が日本人選手というのも夢じゃないですし、そうなればトヨタVは、すごくユニークなチームになりますね」と、若手のさらなる成長に期待している。

(斎藤孝一)


試合詳細

見どころ・試合レポート一覧