2025.05.02[東京SG]22番で出場機会を待つ髙本幹也、「悔しい気持ちをモチベーションに」

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第17節(リーグ戦)カンファレンスB
2025年5月3日(土)13:00 味の素スタジアム (東京都)
東京サントリーサンゴリアス vs リコーブラックラムズ東京

東京サントリーサンゴリアス(D1 カンファレンスB)

今節もリザーブから出場予定の髙本幹也選手。「リザーブになり、自チームを客観的に見る時間が増えることで、試合中に何がうまくいって、何がうまくいかないのかもよくわかる」

東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)にとって、まさに大一番。5月3日、味の素スタジアムで迎えるリコーブラックラムズ東京戦は、今季最後のホストゲームであり、この戦いでボーナスポイントも含めた「勝ち点5」を挙げれば、プレーオフトーナメント進出が自力で決まる重要な一戦だ。

もっとも、選手たちに話を聞くと、「ポイント数は考えていない。目の前の試合の80分後に勝っていればいい」と一戦必勝を目指す。

目の前の戦いに勝つ、という意味では、ここに来てチーム内競争が激化してきた点も、ある意味で頼もしい変化だ。新人賞に輝いた昨季からずっと10番としてスタメン出場を続けてきた髙本幹也は前節、はじめてリザーブからの出場を経験。今節も22番を背負い、試合途中からチームのリズムを変える役目を担う。

「10番からリザーブになったことは僕自身とても悔しいですし、その悔しい気持ちをモチベーションに頑張りたい。10番で試合に出るのは当たり前じゃないとあらためて実感できましたし、22番になってもチームのためにやることは変わらないです。どれだけチームにコミットできるか」

これまで絶対的なレギュラーだった髙本ではあるが、まだ24歳。リザーブを経験することもまた、スタンドオフとして引き出しを増やすチャンスでもある。

「ゲームコントロールのところは毎試合同じシチュエーションは起こらないからこそ、試合ごとに勉強させてもらっています。リザーブになり、自チームを客観的に見る時間が増えることで、試合中に何がうまくいって、何がうまくいかないのかもよくわかる。気づいたことはハーフタイムに(先発10番の)森谷圭介さんに伝え、自分が試合に出る際にもそのことを意識してプレーするようにしています」

自身も現役時代、スタンドオフを務めた小野晃征ヘッドコーチは、森谷圭介と髙本幹也の起用の意図をこう語る。

「森谷選手はキックもランもパスも、自信を持って早めに判断してチームを前に動かしてくれる。そして、いまのチームにはフィニッシャーとして、チームのリズムを変えてくれる選手も必要で、髙本選手ならそれもできると思っています」

苦しみながらも進化と変化を重ね、今季を戦ってきた東京SG。その進化を重ねた先に、きっとプレーオフトーナメントでの戦いが待っている。

(オグマナオト)

2025.05.01[BR東京] 伊藤耕太郎、10番として覚悟の大一番へ

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第17節(リーグ戦)カンファレンスB
2025年5月3日(土)13:00 味の素スタジアム (東京都)
東京サントリーサンゴリアス vs リコーブラックラムズ東京

リコーブラックラムズ東京(D1 カンファレンスB)

今シーズンすべての試合に出場している伊藤耕太郎選手だが、先発でのメンバー入りは前節の埼玉WK戦が初めて。その試合で1トライをあげるなど高いパフォーマンスが評価され今節も10番に選ばれた

上位6チームまでに与えられるプレーオフトーナメント進出枠は、残すところあと1つ。現在、勝ち点28で8位につけるリコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)が第17節で対戦する相手は、6位の東京サントリーサンゴリアス(勝ち点36)。言わずもがな、今季最も重要な一戦を迎える。

そんな大一番で司令塔を託されたのは、伊藤耕太郎。前節に続いて、スタンドオフとして2度目の先発に名前が並んだ。

「今季の一番大事な試合で10番を任せてもらえることに感謝しています。コーチ陣の期待にしっかり応えたい」

静かに、しかし強い思いを込めた。

入団から2年、ようやくつかんだスタートラインだった。クラブハウスに掲げられたメンバー表に自分の名前を見つけたのは、先週月曜日のこと。名前の横には、数字の10が。「やっと出られる」。素直な喜びが込み上げた。

そしてその喜びをそのままピッチで表現した、前節の埼玉パナソニックワイルドナイツ戦。伊藤はナチュラルにスペースを見つけ、ナチュラルに前へ出た。前半22分にはディフェンスを振り切り、約20mを駆け抜けた渾身のトライ。「本当は外に回そうと思っていたんです。でも相手が詰めてきたので、内に切り返したらスペースが見えた。ラッキーだったかもしれません」。そう謙遜するが、その「ラッキー」を生むのが伊藤のセンスなのだ。

試合後には、ともにベンチを支えてきた仲間が声を掛けてくれた。「イソさん(礒田凌平)やトシさん(髙橋敏也)から『ナイスプレー』って言ってもらえたことが、一番うれしかったです」。仲間の言葉が、伊藤の心をそっと満たした。

一方で、後半にあった苦しい時間帯のゲームコントロール力には課題を見いだす。「もっと成長していきたい」と語りつつも、TJ・ペレナラとのハーフ団結成という日々が何よりのモチベーションであることも事実。「子どものころは想像もできなかった。すごくうれしいです」。あどけなさを残す笑顔の奥に、充実感は宿る。

2戦連続で与えられた背番号10はまさしく、チームからの期待と信頼の証だ。「今週もパフォーマンスを落とさないように、しっかり準備していきます」。15番のアイザック・ルーカスと柔軟にポジションを入れ替えながら、ピッチを自由に駆け巡る。

そう、すべてはチームの未来のために。伊藤耕太郎、10番として覚悟の一戦へ。

(原田友莉子)

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