2025.05.09[埼玉WK]最終節のテーマは『STAY ON』。勝利のため、王座奪還のため、スイッチを入れ続ける

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第18節(リーグ戦)カンファレンスB
2025年5月10日(土)14:30 熊谷スポーツ文化公園ラグビー場 (埼玉県)
埼玉パナソニックワイルドナイツ vs 東京サントリーサンゴリアス

埼玉パナソニックワイルドナイツ(D1 カンファレンスB)

埼玉パナソニックワイルドナイツの竹山晃暉選手。ディビジョン1のトライランキングで2位につけている

埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)の竹山晃暉がレギュラーシーズン最終節のホストゲーム・東京サントリーサンゴリアス戦に向けて静かにキックオフを待つ。勝利だけを見つめる孤高のウイングは、熱き闘志を内に秘めて大一番へ臨む。

レギュラーシーズンはいよいよクライマックスを迎えた。埼玉WKは17節を終えて2位につける。首位の東芝ブレイブルーパス東京とは勝ち点で並び、2点差で3位クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)が追う恰好だ。白熱のリーグ戦は、上位三つ巴。それぞれの試合結果によって状況は変わっていくが、埼玉WKは目の前の試合、目の前のプレーに集中するだけだ。

そんな最終戦のスタメンに、竹山が2試合ぶりに名を連ねた。第16節で脳振盪によってピッチを退いた影響で前節は欠場。前節のS東京ベイ戦でチームは激闘の末にドロー。竹山は秩父宮ラグビー場のスタンドでゲームを見守っていた。

「上からプレーを見て、やるべきことがクリアになったし、(欠場し、休んだことで)フィジカル面でも万全の状態でゲームへ臨める。自分で得た情報とチームからの情報をリンクさせて最終戦へ臨みたい」

第16節のリコーブラックラムズ東京戦は27対21、前節の上位決戦・S東京ベイ戦は29対29の痛み分け。実力拮抗のリーグ模様がそのままスコアに表れている。最終節に向けてチームから提示されたキーワードの一つは『STAY ON』。この東京SG戦は、そのキーワードを体現する舞台だ。

「S東京ベイ戦はドローだったが、プレーオフトーナメントに向けて良い材料になった。『STAY ON』は文字どおり80分間、スイッチを“ON”にしておくということ。どんな時間でもチームのためにプレーできる準備をしていきたい」

今季のトライ数14は現在、リーグ2位(ディビジョン1)。最終節の結果によってはトライランキング1位に躍り出る可能性も十分にある。一瞬で局面を変える力をもつ竹山のダイナミックなアタックは勝敗を分けるポイントだ。

「トライ数はまったく意識していなくて、あくまでチームのためにプレーした結果として付いてくるもの。それよりも反省が多い。トライを奪えていることは自信にはなるが、最後までチームの一員として僕らしくプレーしていく」

今季の“熊谷ラストマッチ”。その先にはプレーオフトーナメントが待つ。3シーズンぶりのリーグワン制覇へ。竹山が、クライマックスを迎えた熊谷を熱くする。

(伊藤寿学)

2025.05.09[東京SG]下剋上に向けて踏み出す新たな一歩。ルーキーが示す“チャレンジャー”としての在り方

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第18節(リーグ戦)カンファレンスB
2025年5月10日(土)14:30 熊谷スポーツ文化公園ラグビー場 (埼玉県)
埼玉パナソニックワイルドナイツ vs 東京サントリーサンゴリアス

東京サントリーサンゴリアス(D1 カンファレンスB)

東京サントリーサンゴリアスのルーキー、木原三四郎選手(右プロップ)。今回が二度目にして初先発での出場となる

苦しみながらも前節でレギュラーシーズンの6位が確定し、プレーオフトーナメント最後の枠をつかみ取った東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)。5月10日のレギュラーシーズン最終節の相手は、長年のライバル・埼玉パナソニックワイルドナイツだ。プレーオフトーナメントでも対戦の可能性があり、今季の開幕戦では苦杯を喫しているだけに、負けたままで苦手意識を作るわけにはいかない。

「最終節で勝ってプレーオフトーナメントに臨むことが大事なことだと思っています。そして、自分がメンバー入りしたことで、さらにチームがより良い方向に進むための準備を重ねたい。トップレベルの選手ばかりの中でプレーできることにワクワクしています」

こう語るのは、今春に専修大学を卒業したばかりの東京SGのルーキー、木原三四郎だ。アーリーエントリーで出番をつかんだ第10節でリーグワンデビューを飾り、今節は二度目の試合、そして、3番のプロップで初の先発出場となる。

「前回は体調不良の選手が出たため、試合当日に急きょメンバー入りが決まり、とにかく一生懸命やることだけを考えてプレーしました。でも今回は、この試合に向けて1週間、しっかり準備して臨めるのは大きく違います」

木原が準備を重ねてきたのは、当然この1週間だけではない。初出場時の手ごたえと反省を踏まえ、トレーニングに励んで、この約2カ月を過ごしてきた。その過程では、現在負傷離脱中の垣永真之介ら、チームの先輩プロップたちからのさまざまなアドバイスもあったという。

「ポジション争いの相手にもかかわらず、先輩のみなさんが僕を伸ばそうとコミュニケーションを取ってくれています。とくにセットピースの部分ですね。垣永さんからは、相手に対していかにプレッシャーを掛けるか、スクラムでの組み方からアドバイスしてもらって、自分でもどんどん良くなっているのを実感しています。試合でその成果を出すことが一番の恩返しだと思います」

リーグを代表する選手がずらりと並ぶ相手に対し、「何も恐れることはない。とにかくチャレンジして次につなげるだけ」と語る木原の姿勢は、6位からの下剋上優勝を目指す東京SGが意識すべき姿勢でもある。チャレンジャー、東京SGの新たな一歩がここから始まる。

(オグマナオト)


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