2025.05.08[BL東京] 内に秘めた闘志を燃やし、“らしさ”を打ち出す

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第18節(リーグ戦)カンファレンスA
2025年5月10日(土)13:00 秩父宮ラグビー場 (東京都)
東芝ブレイブルーパス東京 vs 横浜キヤノンイーグルス

東芝ブレイブルーパス東京(D1 カンファレンスA)

東芝ブレイブルーパス東京の11番(左ウイング)は桑山聖生選手。「東芝のプレーヤーらしく、体をバチバチに当てていきたいと思います」

東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)は5月10日、秩父宮ラグビー場で横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)と対戦する。

ディビジョン1で首位に立つBL東京はこの試合に勝てばレギュラーシーズンの2位以内が決まり、プレーオフトーナメントは準決勝からのスタートとなるため、確実に勝利をモノにしたい。

横浜Eは前節でプレーオフトーナメント進出の可能性がなくなったが、今季限りで引退する嶋田直人の“ラストマッチ”を笑顔で終えるために、全力を出し切って戦うだろう。

強い雨が降った6日の練習でも、BL東京は“らしさ”を感じさせた。序盤から選手たちが大きな声で盛り上げ、ボールがこぼれるとリーチ マイケル キャプテンがすかさずセービング。全員がびしょ濡れになりながらタックルやブレイクダウン(タックル後のボール争奪戦)で体をぶつけ合い、レギュラーシーズン最終節に向けて熱く、激しい調整を行った。

横浜E戦では桑山聖生が11番に入る。184cm/95kgの28歳は、第16節の浦安D-Rocks戦で今季初出場を果たし、ライン際のボールキャリーや、サム・ケレビへの鋭いタックルでインパクトを残していた。

「個人としてもっと良くできる部分もありましたが、チームに求められている役割の中でパフォーマンスを発揮できたと思います」

弟の淳生と同じく、鹿児島実業高校、早稲田大学からBL東京に加入した聖生は、出場機会が少なくても、練習で自身の課題と丁寧に向き合い、ベストを尽くしてきた。

努力や成果を声高に語るタイプではない。思いどおりにいかない日々も、闘志を内に秘めてグラウンドを走り続けてきた。

そんな男の横浜E戦に向けての意気込みはシンプルだった。

「アタックもディフェンスもフィジカルに……東芝のプレーヤーらしく、体をバチバチに当てていきたいと思います」

小さなころから鹿児島合宿に来るトップリーグ時代の東芝ブレイブルーパスを見て、ラグビー選手として育ってきた。背番号11を任された責任を胸に、桑山聖生は“東芝らしく”戦いに臨む。

(安実剛士)

2025.05.08[横浜E]初キャップを「笑顔で終えたい」。“イーグルス”の一員として、新たな未来を切り拓く

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第18節(リーグ戦)カンファレンスA
2025年5月10日(土)13:00 秩父宮ラグビー場 (東京都)
東芝ブレイブルーパス東京 vs 横浜キヤノンイーグルス

横浜キヤノンイーグルス(D1 カンファレンスA)


アーリーエントリーで横浜キヤノンイーグルスに加入、土永旭(どえいあさひ)選手。三重ホンダヒートの土永雷(どえいあずま)選手は兄
©︎横浜キヤノンイーグルス

横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)にとっての今季最終戦は、東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)とのビジターゲーム。3シーズン連続のプレーオフトーナメント進出に届かなかった横浜Eは、BL東京を相手に敗れた開幕戦での雪辱を期す。

前節のコベルコ神戸スティーラーズ戦に敗れた瞬間、プレーオフトーナメント進出の可能性がついえた横浜E。「メンバーを信じていた」土永旭は、“イーグルス愛”を必死に体現する選手たちの姿に胸を打たれたという。試合後のロッカールームでメンバーたちが悔しさを募らせる光景を目にした土永は新たな決意を抱いた。

「ここでイーグルスが終わるわけではない。来季もその先もステップアップしながら次へ次へと進んでいきたい」

新たな未来を切り拓くための第一歩でもある今季最終戦。昨季王者との“リベンジマッチ”でアーリーエントリーの土永がメンバーに名を連ねた。同じポジションであるスクラムハーフの先輩たちからは「おめでとう」と声を掛けられた。不安がないと言えば嘘になる。それでも土永は「ドエイのプレーを出せばいいから」という先輩からの声掛けに前向きになれる自分を見つけた。

「イーグルスに加入して3カ月弱の自分に先輩方はラグビーでも私生活でもいろいろな声を掛けてくださっています。不安が完璧に消えたわけではないですが、みなさんに支えられていることに感謝し、『楽しむ』という自分のモットーを体現したいです」

BL東京戦はリザーブからのスタートだが、グラウンドに立った際のプレーイメージはできている。“これぞ土永旭”。自信をもってそう言えるプレーの理想像とは──。

「キックをずっと武器にしてきたので、スペースを見つければ積極的に蹴っていきたいです。またラック周辺の部分でも、前が空いたら積極的に仕掛けていこうと思っています。自分の持ち味をどんどん出していきたいです」

BL東京との今季最終戦は“ワンクラブマン”嶋田直人の現役ラストダンスでもある。チームを去り行くメンバーとともに勝利の喜びを──。土永本人にとってもリーグワン初キャップの試合は「笑顔で終わりたい」という思いにあふれている。

(郡司聡)

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