2024.12.21[GR東葛]“不動のロック”に芽生える危機感と責任感。競争に勝ち、勝利と50キャップ達成をつかみ取る

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン2 第1節
2024年12月22日(日)14:30 ヤンマースタジアム長居 (大阪府)
レッドハリケーンズ大阪 vs NECグリーンロケッツ東葛

NECグリーンロケッツ東葛(D2)

“不動のロック”に芽生える危機感と責任感。競争に勝ち、勝利と50キャップ達成をつかみ取る

田中史朗選手・レメキ ロマノ ラヴァ選手が抜けたことで「自分がもっとやらなければいけない」と責任感が増したという山極大貴選手

いよいよ2024-25シーズンの熱く、激しい戦いが幕を開ける。NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)の開幕戦は12月22日、ヤンマースタジアム長居で行われるレッドハリケーンズ大阪との一戦だ。

山極大貴はこの開幕戦で、ジャパンラグビー トップリーグとの通算50キャップに到達する。2020年の入団からGR東葛一筋で積み上げてきた49キャップを振り返り、「すべての面で成長できた」と話す。その中でも体重は入団当時と比べて10kg以上も増加。それこそが山極のこだわりであった。

「ほかのチームも含め、ロックの選手は重いんです。GR東葛に入って、やっと115kgに届いたときも、周りの選手が120kg以上あるから、どうしても僕は軽いロックになってしまう。体重を増やせば、それに比例してプレーにインパクトが出るから、重さはしっかり出したいと思い、取り組んできました」

そうした取り組みの甲斐もあって、山極はGR東葛“不動のロック”として負傷で離脱することなく稼働し続けてきた。ただ、50キャップを目前に控えているとはいえ、自分のポジションが保証されていると思ったことは一度もない。むしろ、今季に関しては危機感すら抱いている。

GR東葛のロックには、新たに数名の実力派が加わった。中でもパリパリ・パーキンソンは、ラインアウトの空中戦で強さを発揮するだけでなく、強靭なフィジカルの強さを生かしたボールキャリーやスクラムでも圧倒的な存在感を放つ。その一連のプレーは山極に多大な刺激を与え、モチベーションを煽る。

「うかうかしていられないです。開幕戦に出られても、次の試合に出られる保証はない。この先も試合に出場し続けるためには、競争に勝つことが大事になってきます」

今年で27歳になり、チームを引っ張る意識にも変化が出ている。きっかけとなったのは、田中史朗の引退とレメキ ロマノ ラヴァの退団だ。これまでチームを支えてくれた中心選手がいなくなったことで、山極も「自分がもっとやらなければいけない」と、さらなる責任感が芽生えた。

「練習でミスが続くと、シーンとなってしまう。静かな雰囲気で練習すると、選手にとっても、チームにとっても良くないので、そこで僕は声を出すようにしています。責任感は昨季とはまったく違いますね。僕だけじゃなくて、一人ひとりが昨季より確実にレベルアップしていると思うので、そういうところを開幕戦でみなさんに見せたいと思います」

プレシーズンも、開幕戦に向けた今週の練習でも、良い準備ができた実感がある。そんな山極に開幕戦への意気込みを問うと、彼は一言こう答えた。

「あとは試合に勝つだけです」

(鈴木潤)

2024.12.21[RH大阪]泥臭く、ひたむきに。20年戦士の新HCが大切にする“つなぐ”思い

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン2 第1節
2024年12月22日(日)14:30 ヤンマースタジアム長居 (大阪府)
レッドハリケーンズ大阪 vs NECグリーンロケッツ東葛

レッドハリケーンズ大阪(D2)

泥臭く、ひたむきに。
20年戦士の新HCが大切にする“つなぐ”思い

「泥臭く、ひたむきに最後まで戦い抜く」のがレッドハリケーンズ大阪らしさだと語る松川ヘッドコーチ

12月22日(日)、レッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)は、ヤンマースタジアム長居でNECグリーンロケッツ東葛と対戦。2024-25シーズンの幕開けである。

今季は、ヘッドコーチに松川功が就任した。大阪体育大学を卒業した2004年、プロップの選手としてRH大阪(当時・NTTドコモ関西)に加入し、2015年からはアシスタントコーチやフォワードコーチなどを歴任。チームの歴史を20年知る。

開幕戦は松川ヘッドコーチの初陣ともなるが、「コーチの仕事は選手の手助けをすること」という信条の下、その姿勢は良い意味でこれまでと変わりない。「ヘッドコーチをするのが最終目的ではない。選手と同様、コーチもずっと成長していかなければならない」と考えていることも、初陣に対して気負う様子がない理由の一つだろう。開幕を心待ちにしている。

愛情をもって選手たちを見つめ、それぞれの良さを発揮できるよう手助けする姿勢は、コーチングコーディネーターを務めていた昨季にも示されている。出場機会が少なかった坂本洋道にはフッカーからプロップへの転向を提案し、試合での貢献度を高めた。今季も新たなポジションでトレーニングに取り組んでいる選手もおり、選手の良さを引き出す上では、「自分にない経験を持ったコーチ陣がいるので、いろいろなアドバイスを聞きながら、より良いチームにしていく」ことができているという。アシスタントコーチには、日の丸を背負った経験を持つロビンス ブライス、箕内拓郎、ボーク コリン雷神が名を連ね、「尊敬している」彼らとの横のつながりも大切にしている。

長くチームに在籍してきた松川ヘッドコーチが感じてきたRH大阪らしさは、「華々しいわけではないかもしれないけれど、泥臭く、ひたむきに最後まで戦い抜く」こと。今季は「新しいことをするのではなく、誰が来ても自分たちの良さを忘れずに未来へつないでいける土台作り」に取り組んでいく。

松川ヘッドコーチが話す際、多く使っていたのは「つなぐ」という言葉。いま目の前にあることの積み重ねは、未来へとつながってゆく。グラウンド上では、チームがこれまで育んできた文化をより良いものにして次の世代へ。グラウンド外では、区民アンバサダーなどの地域貢献・社会貢献活動を通じて人と人の絆をより深く。驚きを生むプレーや幸せを生むトライへとつながる一つひとつのパスのように、RH大阪は最後の最後まで誠実に真摯に、つなぎ切ることをあきらめない。

さあ、今季もホストスタジアムのある長居公園で、ホストタウンの大阪市で、つなごう。

(前田カオリ)

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