2025.01.09[釜石SW]おみくじ、愛用枕、そして足腰の力。パワーを結集させて、連敗ストップを

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン2 第3節
2025年1月11日(土)14:30 江東区夢の島競技場 (東京都)
清水建設江東ブルーシャークス vs 日本製鉄釜石シーウェイブス

日本製鉄釜石シーウェイブス(D2)

昨年の夏に枕をオーダーメイドのものに替えたという山田裕介選手。今節も1番で出場予定だ

1月11日に行われる第3節は、連敗スタートとなった日本製鉄釜石シーウェイブスと、開幕から連勝と波に乗る清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)という対照的な両チームが対戦。会場は江東区夢の島競技場、14:30にキックオフを迎える。

山田裕介は「特に規律とセットピースにフォーカスして今週はいいトレーニングができています」と前節の課題克服に自信を深めている。加入2シーズン目のプロップは、昨季全試合でスタメン出場するなど貢献度の高さが評価され、クラブが選ぶシーズンMVPにも選出された。

「初めて『プロとしてラグビーができている』っていう実感や自信を得られました。めちゃくちゃ大きくて、本当に濃いシーズンでした」

キャリアで初めてコンスタントに出場し、1週間の過ごし方、試合に向けた気持ちと体の持っていき方をつかんだ。どの曜日に何を意識して取り組むかが明確になり、いい1週間の積み重ねがいい1シーズンにつながることも体感した。加えて岩手の冬はリーグワンで最も寒い。関節の痛み、筋肉の硬化が招く故障へのケアもメディカルスタッフのサポートを借りながら、シーズンを乗り切った。

そして今季からはもう一つの頼もしい相棒が山田裕介のパフォーマンスを支えている。

「枕が合わないと寝つきが悪くて。プレーにも影響するので、昨年の8月に自分専用の枕をつくってもらったんです。本当に快眠ですよ!ビジターにも持ち運んで夜はぐっすり寝られています。大きくてかさばるので、キャリーケースの半分くらいは埋まっちゃうんですけどね(笑)」

移動時に放つ存在感以上に、オーダーメイドの枕がもたらす安眠は彼にとって大きなものになっている。

チームは連敗中だが、「ネガティブな雰囲気は一切ない」と断言。プレシーズンマッチで勝利している江東BSに対しても「シーズンとは別物。どの試合も僕たちがチャレンジャー。試合開始のホイッスルからかましてやりますよ」と油断やスキは皆無だ。

1月1日に神社のおみくじで引き当てた大吉パワーと、愛用枕のパワー。そしてスクワットで265kgを計測するチーム随一のパワーを生かし、新年1試合目で悪い流れを断ち切りにかかる。

(髙橋拓磨)


2025.01.09[江東BS]37歳になっても“チームファースト”。ベテランの覚悟、若手に見せるその背中

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン2 第3節
2025年1月11日(土)14:30 江東区夢の島競技場 (東京都)
清水建設江東ブルーシャークス vs 日本製鉄釜石シーウェイブス

清水建設江東ブルーシャークス(D2)

今シーズンも好調を維持しているコンラッド・バンワイク選手

1月11日(土)、清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)は、ホストスタジアムの江東区夢の島競技場に日本製鉄釜石シーウェイブス(以下、釜石SW)を迎える。開幕から2連勝と勢いに乗る江東BSの次なる目標は、ホストゲームで達成する3連勝だ。

前節、江東BSの勝利を決定づけたのは、後半37分に飛び出したコンラッド・バンワイクのロングキックだった。ハーフウェイラインと10mラインの中間地点から放たれた楕円球は、美しい弧を描きながら観客の静寂を切り裂き、ゴールポストの間を見事に通過。点差を8に広げ、江東BSの勝利を決定づけた。

「ウォームアップでいい感触があったので70%くらいはいけると思っていました。それと同時に、やはりあの状況で、チームが自分のキックを信頼してくれて、そして私がキックを成功させ、自分の役割を果たすことができたというのも、すごく大きなことだと思います」と語るバンワイク。その言葉には、キック成功の喜び以上に、チームと築いてきた信頼への感謝が込められている。

江東BSに加入して5年。彼はチームとともに昇格と降格の苦しみを乗り越え、昨季はディビジョン3でMVPを含む四冠を達成した。8日には37歳の誕生日を迎え、「次の世代の選手にハードワークを続ける姿を見せていきたい。シアレ(・ピウタウ)選手にしてもそうなのですが、やはりこの歳になってもラグビーやチームのことを考えている姿を見せること、『Team comes first』 という気持ちが大切だと考えています」と語る。この背中は、多くの若手選手たちにとって道標そのものだ。

今回の対戦相手、釜石SWには2カ月前のプレシーズンマッチで28対49の大敗を喫している。しかし、その悔しさを胸に刻み、江東BSは開幕からの2連勝でチーム力の向上を証明してきた。吉廣広征ヘッドコーチ兼マーケティングリーダーも「釜石SWは勢いが出たら止まらなくなるチーム。勢いを出させないためには、点差をつけることがキーになるので、遠い距離でも自信持って狙えるクーニー(コンラッド・バンワイクの愛称)選手のロングキックは選択肢としてある。コンバージョンキックで難しい角度のキックはリマ(・ソポアンガ)がしっかり決めるなど、キックで点数を積み重ねていくことがポイントになるかもしれない」と分析する。

静寂を破り歓声が響き渡ったあのロングキックのように、全員が心を一つにして勝利をつかみ取る瞬間は再び訪れるのか。この試合での勝利は3連勝だけでなく、D2での飛躍に向けた重要な一歩となる。チームの未来を切り開く熱い戦いに期待したい。

(奥田明日美)

試合詳細

見どころ・試合レポート一覧